世界に風穴を開けたamazing quick floor
この記事はヘボコンAdvent Calendar 2017の4日目の記事です。ヘボコン参加のどうでもいい後日談を書きます。
僕がヘボコンに出たのは、2014年に行われた第一回大会だ。
僕は自分の作ったマシンに「amazing quick floor」と名前をつけた。いい名前だ。当時好きだった映画の「amazing spiderman」からつけている。スパイダーマンのように華麗に動いて敵を倒して欲しかった。
大会は残念なことに負けてしまった。でも「amazing quick floor」のコンセプトのかっこよさ、見た目のスマートさ、名前のイケてる感じは、単なる勝敗を超えている。
僕はその気持ちをずっと持ち続けていたし、きっとこの「amazing quick floor」を目撃した人もそうだったんじゃないかと思う。
大会からしばらく経って、ヘボコンは世界中でムーブメントを起こした。成功の要因の一つに第一回大会の動画があると思う。ヘボコンのコンセプトと大会の要約をギュッと縮めたもので、英語の字幕がついていた。
そこには僕の「amazing quick floor」も大々的に紹介されていた。
そこで僕は思う。
「ひょっとしたら……世界の人に『amazing quick floor』が知れ渡ってしまったんじゃないだろうか?」。
「amazing quick floor」がかっこいい、と世界のどこかでだれかがつぶやいている可能性がある。僕はそれを確認しなければいけない。
エゴサーチの結果、意外なアカウントが見つかった。
アカウント名は「amazing quick floor」。アイコン画像は、まさしく僕が作り上げたマシンのものである。
ツイートの内容は全て英語。日常のことばかりで、特にヘボコン界隈や工作に特化したつぶやきではない。多分、若い男性。子どもかもしれない。フォロー数フォロワー数ともに一般人レベルである。
これは一体どういうことか。推測してみるに
・アカウント主は動画を見てamazing quick floorに感銘を受けた
・というかamazing quick floorが大好きすぎて
・思わず何も考えずにアカウントにしてしまった
・そこから先のことは特に何も考えていなかったので
・ふつうのつぶやきをしている
ということなのではないだろうか。たまに日本でもアニメのキャラをアカウントにしている人がいる。あんな感じだろう。
ハッキリ言って歓喜である。だってこれ、キャラ愛だろう。
あのマシンには人の心をとらえる何かがきっとあったんだ。世界に風穴を開けている! と思った。
ここからじわりじわりと名前が広がるんだ。そのうちに映画「amazing spiderman」にamazing quick floorが出てくる。大きくアメコミ調にデフォルメされた発見したamazing quick floorはきっとスパイダーマンの乗り物だろう。空も飛ぶかもしれない。もちろん、著作権者の僕にもロイヤリティーがいくらか入ってくるようになる。まあ割合としては少ないだろうが、全世界でやる映画だ、母数がでかいからそこそこになる。
発見して0.3秒くらいでそこまで思った。こういうときの思考の瞬発力はすごい。
もちろんそんなことにはならなくて、いつの間にかそのアカウントはなくなっていた。スクリーンショットでも撮っておけばよかったと思う。
そして気がついたら、映画の「amazing spiderman」シリーズも終わっていたのだった。
明日は三土さんです。