中学の頃苛められてた

オタだし、
よそ者だしという理由で

「学校休むとか許さない」

という親の方針で
ギリギリ不登校はしなかった

休み時間は屋上につながる
(屋上への扉は溶接されてて開けられない)
階段の踊り場で、
一人でぼーっとしてた

そこは変な場所だった

ほこりっぽいし、
お札をはがしたような長方形の跡、
そして天井から数本~10本ぐらいの髪の毛が生えてた

日によって本数は違うけど、
天井の壁紙から、
こう、縫い針に糸を通すと、
Uを逆さにしたように糸が通るじゃん?

ああいう感じで生えてた

学校に行きたくない

でも行かないと
家で居場所がない

胃薬を飲みながら
頑張って学校に通った

もう死にたくて
しょうがなかったけど、
ためらい傷はできても
それ以上はできなかった

それでもなんとか卒業することはできた

もう中学校のことは
ほとんど記憶を封印して生きてきたんだけど
成人してからふと夢であの踊り場を見た

踊り場にたどり着くまでも
魑魅魍魎のはびこってる夢だったけど、
踊り場ではスウィートホームってファミコンのゲームのラスボスのような、
髪の毛がぼさぼさで長くて、
顎が細長くとがってる化け物が

「お前もこっち来い、こっち来い」

と誘ってきた

「嫌だ!行かない!!」

と声を出すと

「お前もこっちに来ればよかったのに、
こっちに来ればよかったのに!」

と言われた

目が覚めたときは
体がだるかった

「どうして封印してた中学のあの場所を
夢で見たんだろう」

と考えると、
踊り場に行ってた時期と、
夢を見た時の自分の状況下が似てた

本気で死ぬことを考えてた時だった

多分、中学ではあの場所に
「呼ばれてた」のだと思う

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