2017年07月23日

週刊種牡馬ニュース 7/17 - 7/23

中央でも2歳馬による重賞競走・函館2歳Sが行われましたが、2歳戦に実績のある*キンシャサノキセキ産駒カシアスが勝利。新種牡馬の産駒も複数出走しましたが、期待馬と呼べるレベルの産駒は出ておらず、今回は掲示板外に終わりました。しかし新馬戦では母トゥザヴィクトリーのロードカナロア産駒トゥザフロンティア、ビワハイジの孫でブエナビスタのめいにあたるエイシンフラッシュ産駒アーデルワイゼなど、戦前から評価の高かった血統馬が順当に勝ち上がっており、もうしばらくすれば新種牡馬の産駒も重賞戦線を賑わせてくれることでしょう。
【7/17(祝月)】

マーキュリーC(GIII) (盛岡 3歳上 D2000)
 1. ミツバ (牡5) by カネヒキリ 2:02.1
 2. ピオネロ (牡6) by ネオユニヴァース クビ
 3. クリノスターオー (牡7) by アドマイヤボス 1/2
1番人気ミツバが接戦を制し、グレードレース初勝利。父カネヒキリも2010年に同レースを制しており、史上初の親子制覇となった。短い距離を使われていたころはなかなか勝ち切れなかったが、中距離メインで使われだしてから安定感を増しており、2000m以上では6戦4勝4着2回と抜群の相性を誇る。父の後継種牡馬となるべく、ぜひGIのタイトルが欲しいところ。2番人気ピオネロはこれで3度目の重賞2着。ダート替わりで2連勝した時は重賞もすぐに手が届くと思われたが、そこから1年間も足踏みをしている。

名港盃(重賞) (名古屋 3歳上 D1900)
 1. エイシンニシパ (牡4) by *ワイルドラッシュ(USA) 2:04.7
園田から遠征したエイシンニシパが1番人気に応えて快勝。これで重賞は金沢のMRO金賞、笠松の岐阜金賞、園田の新春賞に続く4勝目。1800mから1900mの距離では兵庫チャンピオンシップ6着を除いて連対を外しておらず、重賞4勝もすべてこの距離である。

【7/18(火)〜7/19(水)】

特になし。

【7/20(木)】

ノースクイーンC(重賞) (門別 3歳上牝 D1800)
 1. ジュエルクイーン (牝5) by *キンシャサノキセキ(AUS) 1:58.5
昨年の同レース2着馬で今年のヒダカソウC勝ち馬ジュエルクイーンが圧倒的支持に応え、重賞連勝。通算では重賞7勝目となった。なお、2着には人気薄の*ブレイクランアウト産駒バラブシュカが逃げ粘り、2番人気ビービーバーレルはさらに4馬身離された3着だった。

【7/21(金)】

特になし。

【7/22(土)】

中京2歳S(OP) (中京 2歳 T1600)
 1. アマルフィコースト (牝2) by ダイワメジャー 1:34.7
2歳世代初のオープン戦はダイワメジャー産駒の1番人気アマルフィコーストが快勝し、デビュー2連勝を飾った。なお新種牡馬の産駒は出走しておらず、2着には2番人気に支持された未勝利馬アドマイヤアルバが入った。

2歳新馬戦 (中京 2歳 T1600)
 1. トゥザフロンティア (牡2) by ロードカナロア 1:36.8
1番人気トゥザフロンティアが直線もたつきつつも差し切って快勝。母はキングカメハメハと相性のいいトゥザヴィクトリーで、ロードカナロアの初年度産駒の中でも1、2を争う良血馬だ。まだまだ気性面で幼さは残っているようだが、今後の成長次第ではクラシックでも十分勝負になりそう。

2歳新馬戦 (中京 2歳牝 T1400)
 1. アーデルワイゼ (牝2) by エイシンフラッシュ 1:23.5
こちらも祖母ビワハイジという世代屈指の良血馬アーデルワイゼが差し切って快勝。エイシンフラッシュ産駒は現時点で中央3勝目となったが、この時期の1400m戦でこの走りを見せられたのは収穫。父・母ともにドイツ血統を含む奥の深い配合だけに、同馬もクラシックでの期待が膨らむ。

【7/23(日)】

函館2歳S(GIII) (函館 2歳 T1200)
 1. カシアス (牡2) by *キンシャサノキセキ(AUS) 1:10.0
 2. ウインジェルベーラ (牝2) by *アイルハヴアナザー(USA) アタマ
 3. アリア (牝2) by ダイワメジャー 3/4
持ち時計が最も早かった1番人気カシアスが中団から脚を伸ばして差し切り勝ち。これで*キンシャサノキセキ産駒は2世代目の産駒から3年連続で2歳重賞勝利となった。2着には12番人気ウインジェルベーラが逃げ粘り。デビュー勝ちの内容もそれほど悪くはなかったが、ここまで重賞連対馬が出ていなかった*アイルハヴアナザー産駒というのが嫌われたか。新種牡馬の産駒も5頭出走したが、ロードカナロア産駒のスズカマンサクの8着が最高であった。

中京記念(GIII) (中京 3歳上 T1600)
 1. ウインガニオン (牡5) by ステイゴールド 1:33.2
 2. グランシルク (牡5) by ステイゴールド 2 1/2
 3. ブラックムーン (牡5) by アドマイヤムーン アタマ
「左利きの夏男」ことウインガニオンが重賞初挑戦ながら57キロというハンデをものともせず、後続に2馬身半の差をつけて重賞初勝利。これで4月から8月にかけての左回りで7戦無敗とした。この勢いなら中2週となる関屋記念でも敵はいないだろう。パラダイスSでウインガニオンの2着に敗れたグランシルクがまたしても2着で、1番人気に支持されたブラックムーンは後方から追い込むも3着まで。

吉野ヶ里記念(重賞) (佐賀 3歳上 D1400)
 1. マサヤ (牡6) by スターリングローズ 1:29.1
単勝1倍台の圧倒的支持を受けたマサヤが逃げ切って快勝。重賞自体はこれで7勝目だが、S1重賞を制すのは今回が初めてとなる。2着に佐賀で9連勝中だった2番人気イッセイイチダイが入る堅い決着となった。

トレノ賞(重賞) (高知 3歳上 D1300)
 1. ヒロノカイザー (牡4) by オレハマッテルゼ 1:23.4
中央未勝利から高知に移籍して13戦10勝の成績を残していたヒロノカイザーが重賞初挑戦で重賞勝利となった。なお、1番人気に支持されたのは11歳馬サクラシャイニーだったが、中団追走から直線向いて全く伸びず、9着に敗れた。高知の地元限定戦で連敗するのは今回が初で、やはり年齢による衰えが出てきているのだろうか。

福島テレビオープン(OP) (福島 3歳上 T1800)
 1. マウントロブソン (牡4) by ディープインパクト 1:47.6
クラシックでも期待されたマウントロブソンが菊花賞以来久々の競馬ながらしぶとく伸び、昨年のスプリングS以来の勝利をあげた。馬体もデビュー時より30キロ増え、ここから中距離路線で中心的な存在となっていけるだろうか。1番人気マイネルハニーが2着で、奇しくもスプリングSと全く同じ結果となった。

2歳新馬戦 (中京 2歳 T1400)
 1. アントルシャ (牝2) by *ノヴェリスト(IRE) 1:24.2
前目でレースを進めた1番人気アントルシャが早め先頭から押し切ってデビュー勝ち。*ノヴェリスト産駒は早くもこれで中央3勝目となったが、そのうち2レースが1400m戦。さらに3頭すべてが母父サンデー系種牡馬ということもあり、いま日本に最も求められている種牡馬になる可能性も十分ありそう。




この記事へのコメント

1. Posted by 狂犬芭蕉 2017年07月23日 22:53
暑中お見舞い申し上げます。
土曜中京1レース2歳未勝利D1200、ヘニーヒューズ産駒の123フィニッシュも印象に残りました。芝での大物が登場すればファーストシーズンサイアーランキング首位の可能性も大いにありえそうです。
2. Posted by Organa 2017年07月25日 22:30
ヘニーヒューズが好ダッシュで逃げ、ロードカナロアが抜群の手ごたえで先頭に並びかけようとするところをオルフェーヴルが直線の末脚にかけるという展開でしょうか。
3. Posted by りきお 2017年07月26日 22:18
父系サンデーじゃない、ロードカナロアやエイシンフラッシュが、SS系の馬たちにどう対抗していけるか、が気になっているので、好スタートを決めたのを興味深く観ています。
問題は瞬発力勝負だと思うんですよね。そこで対抗していけないと、2歳時はともかくクラシックに進むと厳しくなりそうですが、どちらも瞬発力勝負でも大丈夫そうですよね。

カナロアではまたキンカメかって感じですので、エイシンフラッシュ産駒には期待したいと思っています。

この記事にコメントする ※常識的なハンドルネームでお願いします。

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
記事検索
サラブレッド血統入門
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

一から始める! サラブレッド血統入門 [ 平出 貴昭 ]
価格:1728円(税込、送料無料) (2019/4/1時点)

当ブログ「父系馬鹿」が
紹介されています。
最新コメント
QRコード
QRコード