2018年07月01日
週刊種牡馬ニュース 6/25 - 7/1
いよいよ本格的に夏競馬開幕ですが、興味ははるかアイルランド。ディープインパクト産駒のサクソンウォリアーが愛ダービー制覇なるかが注目されましたが、残念ながらわずかに及ばず3着でした。着差は1馬身以内で、何度かやれば逆転も十分あり得ると思わせるようなパフォーマンスでしたが、やはり血統的な印象通り、現状12ハロンは守備範囲だがベストではないといったところなのでしょうね。今後はおそらくマイルから10ハロンで行くでしょうし、ここからさらにGIのひとつふたつとれば超一流の待遇で種牡馬として迎え入れられることでしょう。
【6/25(月)】
特になし。
【6/26(火)】
○優駿スプリント(重賞) (大井 3歳 D1200)
1. クルセイズスピリツ (牡3) by *サウスヴィグラス(USA) 1:12.6
愛知からの移籍馬で11番人気だったクルセイズスピリツが2番手追走から早め先頭に立ち、そのまま押し切って重賞初勝利。2歳戦以来となる1200m戦だったが、内に眠るスプリント適性が開花したか。1番人気に支持されたサンニコーラは差し届かず4着に終わった。
【6/27(水)】
◎帝王賞(GI) (大井 4歳上 D2000)
1. ゴールドドリーム (牡5) by ゴールドアリュール 2:04.2
2. ケイティブレイブ (牡5) by アドマイヤマックス クビ
3. サウンドトゥルー (セ8) by *フレンチデピュティ(USA) 1 1/2
2番人気ゴールドドリームがケイティブレイブとの一騎打ちをクビ差制し、GI4勝目をあげた。昨年フェブラリーSを制した後は調子を崩し一発屋タイプかと思われた時期もあったが、年末のチャンピオンズCで復活したのを皮切りにここまでGIばかり4戦3勝。完全に本格化したといって差し支えないだろう。血統的にもゴールドアリュールの後継種牡馬一番手になれる馬で、さらに勝ち星を積み重ねてもらいたい。昨年このレースで差しの展開であっと言わせた1番人気ケイティブレイブは今年はしぶとさ勝負に出たが、最後の最後で勝ち馬に屈した。
【6/28(木)】
○栄冠賞(重賞) (門別 2歳 D1200)
1. イッキトウセン (牡2) by *プリサイスエンド(USA) 1:15.0
今年初の2歳馬による重賞・栄冠賞は2番人気イッキトウセンがデビューから2連勝で重賞初勝利。2着に同厩舎で、同じくデビュー勝ちからここに臨んでいた13番人気ウィンターフェルが入り、1番人気に支持されたゴールドアリュール×ラブミーチャンのラブミージュニアはシンガリ負けに終わった。
○クイーンC(重賞) (笠松 3歳牝 D1600)
1. フセノラン (牝3) by *バトルプラン(USA) 1:40.6
兵庫所属の2番人気フサノランが後続に5馬身の差をつけて重賞初勝利をあげた。ここまで重賞2勝、東海ダービーでも3着に入った*ウォーターリーグ産駒ウォーターループが単勝1.5倍の圧倒的支持を受けたが、勝ち馬に早めに来られて失速し2着に終わった。
○2歳新馬戦 (浦和 2歳 D800)
2. *アトムズスピアー(USA) (牡2) by Musketier (GER)
Musketier 産駒が日本初出走戦を迎えたが、勝ち馬から4馬身離された2着だった。ただ3着以下には大差をつけており、そのうち順番は回ってきそう。父 Musketier はかなりの変わり種で、父はドイツの至宝 Acatenango 、フランスや北米で10歳まで現役を続け、10歳時の加GIIIシングスピールSを含め重賞7勝をあげてカナダで種牡馬入りした。一度芝でその走りを見てみたい馬だ。
【6/29(金)】
特になし。
【6/30(土)】
○愛ダービー(IRE-I) (カラ 3歳牡牝 T12F)
1. Latrobe (IRE) (牡3) by Camelot (GB) 2:32.62
ここまで2着続きで前走ようやく初勝利をあげたばかりの5番人気 Latrobe が勝ち、Camelot 産駒としてGI初勝利をあげた。ガリレオ系と比べやや勢いに陰りを感じるモンジュー系だが、マイルでも結果を残した Camelot が結果を残すようだと再興も十分あり得るだろう。圧倒的支持を受けた Saxon Warrior は直線向いてじわじわと伸びてきたものの、半馬身ほど届かず3着。今後はマイル〜10ハロン路線か。
○白川郷S(1600) (中京 3歳上 D1800)
1. ミキノトランペット (牡4) by トランセンド 1:51.0
ミキノトランペットが3馬身半差で完勝し、トランセンド産駒として初のオープン入りを果たした。トランセンドは今のところ派手な成績を残しているわけではないが、今年の中央での勝ち馬率.292はディープインパクトやキングカメハメハといったA級サイアーよりも上。今後ダート向き種牡馬として注目度が上がってくるだろう。
【7/1(日)】
◎ラジオNIKKEI賞(GIII) (福島 3歳 T1800)
1. メイショウテッコン (牡3) by マンハッタンカフェ 1:46.1
2. フィエールマン (牡3) by ディープインパクト 1/2
3. キボウノダイチ (牡3) by *バゴ(FR) 3/4
前に付けた2番人気メイショウテッコンが直線半ばで先頭に立ち、そのまま後続の追撃を半馬身凌いで重賞初勝利。春のクラシックに出走することはできなかったが、500万下とはいえ2400m戦での勝ち星もあり、このまま順調に夏を超えれば最後の一冠も好勝負できるだろうか。デビュー2連勝中の1番人気フィエールマンは最後方から直線凄い脚で追い込んできたが、わずかに届かず2着。とはいえもう少し広いコースなら十分頭まであった勢いで、この馬も夏を超えて非常に楽しみだ。
◎CBC賞(GIII) (中京 3歳上 T1200)
1. アレスバローズ (牡6) by ディープインパクト 1:07.0
2. ナガラフラワー (牝6) by ダンスインザダーク 1 1/4
3. セカンドテーブル (牡6) by *トワイニング(USA) 1/2
4番人気アレスバローズが差し切って重賞初勝利。ディープインパクト産駒は昨年のシャイニングレイに続き同レース連覇で、キタサンブラックとコパノリッキーで大ブレイクしたヤナガワ牧場にとって今年度重賞初勝利となった。2着には準オープンを勝ったばかりの9番人気ナガラフラワーが入り、1番人気に支持されたダイメイフジは全く伸びずに11着に終わり、1200m戦で初めて馬券圏内を外す結果となった。
○日本海スプリント(重賞) (金沢 3歳上 D900)
1. ジッテ (牡4) by *ロードアルティマ(USA) R0:54.3
今年新設されたスプリントの1戦は3番人気ジッテが従来の記録を0.7秒塗り替えるレコードで快勝し、重賞初勝利をあげた。JRAから金沢に移籍して4連勝を達成し、臨んだD2100mの百万石賞では1番人気に支持されるも大差のシンガリ負けを喫したが、そこから1200mもの短縮できっちり巻き返したのは立派。1番人気ナガラオリオンは出遅れ4着に終わった。
○栗駒賞(重賞) (水沢 3歳上 D1400)
1. ラブバレット (牡7) by *ノボジャック(USA) 1:28.0
単勝1.1倍の圧倒的支持を受けたラブバレットが早めに抜け出し、最後は抑える余裕を見せながら同レース3連覇を達成した。これで交流重賞を除く1400m以下のレースは3年間負けなし。交流重賞でも2着に入るなどスプリント路線では地方随一の実力者だが、今年こそはクラスターCで地元馬の底力を見せてもらいたいところ。
○トレノ賞(重賞) (高知 3歳上 D1300)
1. サクラインザスカイ (牡9) by *ワイルドラッシュ(USA) 1:22.2
元中央オープン馬サクラインザスカイが9歳にして重賞初勝利をあげた。今年になって高知に移籍してからは8戦6勝2着2回とほぼパーフェクトな成績を残しており、高齢とはいえまだまだ活躍できそうだ。同じくJRAからの移籍馬で、高知で3戦3勝の1番人気コスタアレグレはクビ差の2着だった。
○巴賞(OP) (函館 3歳上 T1800)
1. ナイトオブナイツ (牡5) by *ハービンジャー(GB) 1:49.9
昨年北海道で連勝した5番人気ナイトオブナイツがしぶとく伸びてオープン特別初勝利。これで函館・札幌では4戦3勝とした。1番人気に支持された重賞2勝馬ブレスジャーニーは後方からレースを進めるも差し届かず5着に終わっている。
○2歳新馬戦 (中京 2歳 T1600)
1. エイシンゾーン (牝2) by ジャスタウェイ 1:35.3
6番人気エイシンゾーンが差し切り、早くも新種牡馬ジャスタウェイ産駒は中央で2頭目の勝ち上がりとなった。昨年と違って今年は新種牡馬のラインナップが小粒な印象だが、それでもこの時期に2勝はなかなかの数字で、前評判を覆すような活躍を期待したいところ。
○2歳新馬戦 (福島 2歳 T1200)
1. ガイセン (牡2) by ダノンバラード 1:10.1
6番人気ガイセンが直線向いて先頭に立ち、そのまま押し切ってデビュー勝ち。これが新種牡馬ダノンバラード産駒としてJRA初勝利となった。死んだり輸出されたりした種牡馬の産駒はよく走るとは言うが、20頭あまりの産駒ながらすでに地方でも2勝をあげており、さすがの仕上がりの早さを見せている。
この記事へのコメント
1. Posted by 即身仏 2018年07月01日 23:25
ジャスタウェイ産駒、今の所は悪くないですね。父ジャスタウェイの様に子供達は脚元の弱さとかが出て無いのかな?と勝手に妄想します。ロードカナロアやオルフェーヴルも種牡馬として結果を出しているんですから、この馬もそういった馬達の仲間入りをして欲しいですね。
2. Posted by どんき〜 2018年07月01日 23:39
まさかAcatenango直系の馬が日本で、それも地方のダートでデビューしているとは…!いずれ認定戦を勝つor盛岡に遠征して芝で走って欲しいですね。
3. Posted by DEEPBLUE 2018年07月02日 08:39
サクソンウォリアーは年内引退路線で英インターナショナル→愛チャンピオンだそうです。
間違いなくスピードはある馬だと思うので、母の早熟さをディープが少しでも緩和して持たせてくれるといいですね
間違いなくスピードはある馬だと思うので、母の早熟さをディープが少しでも緩和して持たせてくれるといいですね
4. Posted by Organa 2018年07月03日 23:32
>どんき〜さん
今時アカテナンゴ系の競走馬が日本で見られるとは思ってもいませんでした。そもそも10歳まで現役を続けて種牡馬入りというのもなかなかない話で、どこかで大仕事をやってくれそうな気もしますね。
>DEEPBLUEさん
やはり10ハロン路線ですか。ここのどちらかでも勝てば種牡馬としての権威付けはかなりのものになりますし、ぜひ頑張ってほしいですね。
今時アカテナンゴ系の競走馬が日本で見られるとは思ってもいませんでした。そもそも10歳まで現役を続けて種牡馬入りというのもなかなかない話で、どこかで大仕事をやってくれそうな気もしますね。
>DEEPBLUEさん
やはり10ハロン路線ですか。ここのどちらかでも勝てば種牡馬としての権威付けはかなりのものになりますし、ぜひ頑張ってほしいですね。