2018年08月19日

週刊種牡馬ニュース 8/13 - 8/19

札幌記念はサングレーザーの距離延長策が見事嵌りましたね。2000mは2歳時に経験がありましたが、その後はマイル以下のレースで連戦連勝を飾っていただけに、ここにきての成長を感じます。最後はややいっぱいになったようにも見えましたが、秋はどのようなローテで臨むのか、注目ですね。ニエル賞以来さえない競馬の続いていたマカヒキもあわやの2着で復活を印象付けました。北九州記念もディープインパクト産駒で、アレスバローズがCBC賞に続く連勝。同馬もデビュー戦は2000m戦で2着に入っていましたし、充実著しい今ならマイル以上のレースでも面白いのではないかと思います。
【8/13(月)】

特になし。

【8/14(火)】

サマーチャンピオン(GIII) (佐賀 3歳上 D1400)
 1. *エイシンバランサー(USA) (牡6) by Ghostzapper (USA) 1:25.7
 2. ブルミラコロ (牡6) by *キンシャサノキセキ(AUS) 1/2
 3. ヨシオ (牡5) by *ヨハネスブルグ(USA) 1 1/2
元中央オープン馬で3走前より園田に移籍していた5番人気*エイシンバランサーが差し切って交流重賞初勝利。Ghostzapper 産駒としてはワイルドフラッパーに続く日本のグレードレース勝ち馬となった。地方移籍していたとはいえ4走前はOPコーラルSで5着に入るなどまだまだ十分走れる状態だっただけに、今後の活躍も期待できそうだ。2着は4番人気ブルミラコロ。ここまで重賞実績はなかったが、うまく先手をとれたことが功を奏した。1番人気に支持されたヨシオは直線伸びきれず3着に終わった。

読売レディス杯(重賞) (金沢 3歳上牝 D1500)
 1. エースウィズ (牝4) by *キンシャサノキセキ(AUS) 1:34.7
2番人気に支持された大井のエースウィズが重賞初挑戦で快勝。1400mを超えるレースも初めてだったが、うまく流れに乗ることができた。2着に兵庫の4番人気スターレーンが入り、単勝1倍台の圧倒的支持を受けた高知のディアマルコは直線伸びず4着に終わっている。

エトワール賞(重賞) (門別 3歳上 D1200)
 1. カツゲキライデン (牡7) by *ノボジャック(USA) 1:13.2
2番人気カツゲキライデンがゴール前の競り合いをハナ差制し、前走のグランシャリオ門別スプリントに続く重賞連勝となった。前々走の北海道スプリントCでも5着に入っており、7歳にして充実著しい。2着に4番人気ナリユキマカセが入り、1番人気サトノプリンシパルは3着に敗れた。

【8/15(水)】

クラスターC(GIII) (盛岡 3歳上 D1200)
 1. オウケンビリーヴ (牝5) by *クロフネ(USA) 1:09.1
 2. ネロ (牡7) by *ヨハネスブルグ(USA) クビ
 3. ラブバレット (牡7) by *ノボジャック(USA) 6
前走スパーキングレディーCで2着に入った3番人気オウケンビリーヴがゴール寸前で逃げ粘るネロを捕え、重賞初勝利。*クロフネ産駒としてはホワイトフーガ以来1年ぶりの交流重賞制覇となった。オウケンビリーヴの母はトゥザヴィクトリーの全妹で、今後母としても面白そうな存在だ。逃げた4番人気ネロは最後の最後で捕まり、交流重賞初勝利はおあずけとなった。昨年2着の地元馬ラブバレットは6馬身離された3着。1番人気に支持されたディオスコリダーはそこからさらにクビ差の4着に終わった。

黒潮盃(重賞) (大井 3歳 D1800)
 1. クロスケ (牡3) by キャプテントゥーレ 1:54.4
2番人気の東京ダービー3着馬クロスケが差し切り、重賞初勝利。ちなみに父キャプテントゥーレにとってもこれが産駒の重賞初勝利となった。その東京ダービーで2着だった1番人気クリスタルシルバーは直線半ばでいったん先頭に立ったが、最後の最後で勝ち馬の末脚に屈し2着だった。

【8/16(木)】

ブリーダーズゴールドC(GIII) (門別 3歳上牝 D2000)
 1. *ラビットラン(USA) (牝4) by Tapit (USA) 2:05.6
 2. プリンシアコメータ (牝5) by スパイキュール 4
 3. クイーンマンボ (牝4) by マンハッタンカフェ 3
前走久々のダートながらスパーキングレディーCで3着に入っていた3番人気*ラビットランが早め先頭に立ち、そのまま後続に4馬身の差をつける圧勝で交流重賞初勝利。芝でもローズSで優勝するなどかなりの実力の持ち主だが、やはり Tapit 産駒だけにダートでの強さは格別。この走りなら牡馬に交じっても十分やれそうだ。逃げた2番人気プリンシアコメータは早々に勝ち馬に並ばれたが、後続の追撃は許さず2着を死守。1番人気に支持されたクイーンマンボはさらに3馬身離された3着に終わっている。

くろゆり賞(重賞) (笠松 3歳上 D1600)
 1. カツゲキキトキト (牡5) by スパイキュール 1:39.2
単勝1.1倍の圧倒的支持を受けたカツゲキキトキトが勝利し、重賞通算15勝を達成した。着差は半馬身と楽なものではなかったが、その2着馬は昨年のこのレースでハナ差ながら後塵を拝したヴェリィブライトで、見事昨年の雪辱を果たした。

フルールC(重賞) (門別 2歳牝 D1000)
 1. アークヴィグラス (牝2) by *サウスヴィグラス(USA) 1:01.0
前々でレースを進めた6番人気アークヴィグラスが直線向いて抜け出し、重賞初勝利をあげた。1000m戦ではこれで2戦2勝で、距離は短ければ短いほうがいいタイプかもしれない。2着に3番人気のパレスラブリーが入り、初戦を大差勝ちした1番人気スティールティアラは5着に敗れた。

フレッシュチャレンジ(JRA認定) (門別 2歳 D1000)
 1. パステルラヴ (牝2) by シビルウォー 1:02.7
5番人気パステルラヴが1馬身差をつけて抜け出し、シビルウォー産駒として初勝利をあげた。シビルウォーはGI勝ちこそなかったものの、牝馬嫌いの*ウォーエンブレムの希少な後継種牡馬として年間60頭以上の牝馬を集めていたが、15頭以上がデビューしてようやく勝利ということで、種牡馬としては出遅れたスタートとなった。

2歳未勝利戦 (門別 2歳 D1000)
 1. エイシントカチ (牡2) by *エーシンスピーダー(USA) 1:01.7
4番人気エイシントカチがクビ差抜け出し、*エイシンスピーダー産駒として初勝利をあげた。父*エイシンスピーダーは Giant's Causeway 産駒のマル外で、条件戦どまりの実績だったが母が Kingmambo の全妹という血統もあって種牡馬入り。初年度産駒は同馬1頭のみで、同馬には Kingmambo = Myhrr の2×2の強烈なクロスがある。

【8/17(金)】

摂津盃(重賞) (園田 3歳上 D1700)
 1. タガノヴェリテ (セ6) by ハーツクライ 1:51.2
元JRAオープン馬タガノヴェリテが差し切り、1番人気に応えて重賞初勝利を飾った。タガノヴェリテは未勝利を勝てずに一度兵庫に移籍していた経緯があり、これで兵庫では6戦5勝2着1回とした。2着には2番人気のエイシンニシパが入り、昨年に続いての惜敗となった。

【8/18(土)】

2歳新馬戦 (小倉 2歳 T1200)
 1. アズマヘリテージ (牝2) by トーセンジョーダン 1:09.6
3番人気アズマヘリテージが差し切ってデビュー戦を快勝。ちなみに父トーセンジョーダンにとってもこれが産駒のJRA初勝利となった。ここまで種牡馬として完全に出遅れている印象のあったトーセンジョーダンだったが、とりあえずこれで一区切り。自身は最短でも1800mという中距離ホースだったが、1200mで初勝利というのは新たな可能性を示すものかもしれない。

【8/19(日)】

札幌記念(GII) (札幌 3歳上 T2000)
 1. サングレーザー (牡4) by ディープインパクト 2:01.1
 2. マカヒキ (牡5) by ディープインパクト ハナ
 3. モズカッチャン (牝4) by *ハービンジャー(GB) アタマ
馬群でうまく脚をためられた2番人気サングレーザーが最後突き抜け、重賞3勝目をあげた。ここまで主にマイル以下のレースに使われており、2000m戦は2歳時のホープフルS5着以来だったが、今回は鞍上の好騎乗もあってうまく克服した。GI戦線では中距離でどこまでやれるかというところだが、少なくとも今後の選択肢が広がったのは収穫。1番人気に支持されたマカヒキは後方から直線向いて凄い脚で突っ込んできたが、いったん先頭に立ったところで勝ち馬に交わされ2着。ただここまでのレースぶりを考えると完全復活といってもいい内容で、今後秋のGI戦線が楽しみとなった。

北九州記念(GIII) (小倉 3歳上 T1200)
 1. アレスバローズ (牡6) by ディープインパクト 1:06.6
 2. ダイメイプリンセス (牝5) by キングヘイロー 1 1/2
 3. ラブカンプー (牝3) by ショウナンカンプ 1/2
最内でレースを進めた6番人気アレスバローズが直線抜け出して重賞連勝。前走のCBC賞がフロックではなかったことを示した。6歳にしてスプリント重賞を連勝するディープインパクト産駒という稀有な存在だが、サングレーザーがそうであったように、充実一途の今なら同馬もある程度の距離はこなせるのではないだろうか。いずれにせよ秋のレース選択に注目。2着にアイビスサマーダッシュを勝った4番人気ダイメイプリンセスが入り、先手を奪った7番人気ラブカンプーが3着と中波乱。1番人気に支持されたダイアナヘイローは直線向いて失速し7着に終わった。

建依別賞(重賞) (高知 3歳上 D1400)
 1. サクラレグナム (牡9) by サクラプレジデント 1:28.9
単勝1倍台の圧倒的支持を受けた9歳馬サクラレグナムが5馬身差の圧勝で重賞初勝利。同馬は元JRAオープン馬で、南関東を経て今年になって高知に移籍したが、GIIさきたま杯ではJRA勢にも先着する6着、前走の船橋・習志野きらっとスプリントでも3着に健闘するなどまだまだ元気いっぱいである。

NST賞(OP) (新潟 3歳上 D1200)
 1. サイタスリーレッド (牡5) by ダノンシャンティ 1:10.7
ここのところ大敗続きと調子の上がらなかった6番人気サイタスリーレッドがハナを奪ってそのまま2馬身差で逃げ切り。昨年のGIIIオーバルスプリント以来となる勝ち星をあげた。連勝街道から一度崩れるとそのまま戻ってこない馬が多い中、この勝利は大きい。ここから昨年のような快進撃が見られるだろうか。1番人気*オールドベイリーは4着に終わった。

クローバー賞(OP) (札幌 2歳 T1500)
 1. ウインゼノビア (牝2) by スクリーンヒーロー 1:32.2
2番人気ウインゼノビアが3馬身差をつけて逃げ切り、オープン特別初勝利。スクリーンヒーローは活躍馬が極端に牡馬に偏る種牡馬(賞金順20頭のうち牝馬は15位コスモラパンのみ)で、オープン勝ちどころか牝馬による特別戦勝ちすらこれが初めてとなる。デムーロJ騎乗の1番人気アカネサスは4着に終わった。

おおぞら特別(1000) (札幌 3歳上 D1000)
 1. *コパノキッキング(USA) (セ3) by Spring At Last (USA) 0:57.6
恐ろしいスピードホース。圧倒的支持を受けた*コパノキッキングがハナを奪って最後5馬身差の圧勝だった。時計も優秀でレコードまでコンマ1秒。現状1400mでも長いというスタミナがどうかだが、ダート短距離なら現役のどの馬よりも早いのではと思わせるスピードはぜひ祖国米国でこそ見てみたいものだ。

2歳新馬戦 (新潟 2歳 T1400)
 1. ダノンジャスティス (牡2) by Kingman (GB) 1:24.0
1番人気ダノンジャスティスが1馬身1/4差でデビュー勝ち。これで日本での Kingman 産駒は7月にデビューした*ヨークテソーロに続き2戦2勝となった。すでに欧州でも登竜門レース・コヴェントリーSを制した Calyx を出しており、新種牡馬として幸先の良いスタートを切っている。




この記事へのコメント

1. Posted by トップガン 2018年08月20日 11:47
コパノキッキングは父親もよく知らない馬だったんですが、○外にして母父がゴールドヘイローなのが驚きました
2. Posted by Organa 2018年08月20日 22:25
祖母シャルナに Fusaichi Pegasus を種付けするために輸出した時にお腹にいたゴールドヘイロー産駒がコパノキッキングの母 Celadon で、時を経て日本に戻ってくることになりましたが、ぜひ種牡馬にしてみたかったですね。
3. Posted by Unnamed. 2018年08月21日 21:43
春に米三冠挑戦とコパ氏がラッパを吹きまくってたのが記憶に新しい。
4. Posted by Organa 2018年08月22日 22:49
クラシックではさすがに距離が持たなかったでしょうが素質はそれに匹敵するものを感じますね。ぜひBCスプリントあたりに挑戦してもらいたいものです。

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