2018年09月09日
週刊種牡馬ニュース 9/3 - 9/9
今年も行われた韓国国際競走デーでしたが、昨年に引き続き日本馬がスプリント・カップとも制し、2頭で約1億円の賞金をゲットしました。特に圧巻はカップのロンドンタウンで、何と後続に15馬身もの差をつける大差で圧勝。思えば日本もジャパンC創設時は海外馬にコテンパンにやられましたが、これを見る限りそれ以上にホクトベガのエンプレス杯参戦を彷彿とさせるような実力差で、まだまだ世界との差を埋めるには時間がかかりそうです。一方でスプリントでは腐ってもGI馬の*モーニンが参戦し、何とかアタマ差で辛勝。短距離は香港馬などの参戦もあり、それなりにレベルが高くなってきているようですね。
【9/3(月)〜9/7(金)】
特になし。
【9/8(土)】
◎紫苑S(GIII) (中山 3歳牝 T2000)
1. ノームコア (牝3) by *ハービンジャー(GB) 1:58.0
2. マウレア (牝3) by ディープインパクト 3
3. *ランドネ(USA) (牝3) by Blame (USA) 1/2
中団からレースを進めた2番人気ノームコアが直線半ばで先頭に立つと、そのまま後続に3馬身の差をつけて押し切り、重賞初勝利をあげた。*ハービンジャー産駒は昨年のディアドラに続きこのレース連覇。ディアドラのその後の活躍は周知のとおりで、同馬にもそれに続くような活躍を期待したい。1番人気に支持されたアユサン全妹マウレアは差し届かず2着。しかもレース後に歩様が乱れジョッキーが下馬したとのこと。3着には米国産馬*ランドネが入り、この3頭に秋華賞の優先出走権が与えられた。
○エニフS(OP) (阪神 3歳上 D1400)
1. メイショウウタゲ (牡7) by *プリサイスエンド(USA) 1:22.2
12番人気メイショウウタゲが後方からの追い込みを決め、アハルテケS、ブラジルCに続くオープン特別3勝目をあげた。ここまで主に1800m以上のレースを使われていたが、1400m戦は2戦して3着、5着と比較的安定した成績を残していた。1番人気スマートアヴァロンが直線向いて伸びず7着に終わった。
○2歳未勝利戦 (阪神 2歳 D1400)
1. *フォートワズワース(USA) (牡2) by Verrazano (USA) 1:25.3
米国産馬*フォートワズワースが1番人気に応えて勝利し、Verrazano 産駒として日本初勝利をあげた。Verrazano は More Than Ready 産駒で、ウッドメモリアルSなど米GIを2勝。*フォートワズワースの母 Opulence はベルモントSを制した名牝 Rags to Riches に Giant's Causeway という良血馬で、この先が非常に楽しみだ。
【9/9(日)】
◎セントウルS(GII) (阪神 3歳上 T1200)
1. ファインニードル (牡5) by アドマイヤムーン 1:08.8
2. ラブカンプー (牝3) by ショウナンカンプ 1 1/2
3. グレイトチャーター (牡6) by サクラバクシンオー 1/2
高松宮記念の勝ち馬ファインニードルが短距離GI連勝に向けて好発進。中団追走から直線向いて力強く抜け出し、昨年に続く連覇を達成した。これまで勝ち星のなかった重馬場での勝利は着実に力をつけている証拠で、昨年は12着に終わったスプリンターズSで雪辱を果たしてもらいたい。2着に3歳牝馬ラブカンプー。これで1200m以下の重賞では4戦して2着3回・3着1回と勝ち切れないまでも常に上位入線を果たしており、いずれショウナンカンプ産駒としてショウナンアチーヴ以来となる重賞勝利も果たせそうだ。
◎京成杯オータムH(GIII) (中山 3歳上 T1600)
1. ミッキーグローリー (牡5) by ディープインパクト 1:32.4
2. ワントゥワン (牝5) by ディープインパクト 3/4
3. ロジクライ (牡5) by ハーツクライ 3/4
1番人気ミッキーグローリーが後方からの差し切りを決め、重賞初勝利をあげた。母は北九州記念を制したメリッサで、全弟でニュージーランドTを制したカツジに続く重賞勝利となった。長らくここを勝ってGIにつなげた馬が出ていないレースだが、今回は重め残りながら完勝の内容で、次走が非常に楽しみとなった。2着に最後方からレースを進めた3番人気ワントゥワン。こちらも母が重賞ウイナーのワンカラットで、おばにジュエラーという良血馬。いずれ重賞にも手が届くだろう。
○コリアスプリント(KOR-I) (ソウル 3歳上 D1200)
1. *モーニン(USA) (牡6) by *ヘニーヒューズ(USA) 1:11.5
日本から唯一参戦した*モーニンが香港の Fight Hero の追撃をアタマ差交わして2016年のフェブラリーS以来となる重賞勝ちを収め、日本のGIウイナーとして面目を保った。日本馬は昨年のグレイスフルリープに続く同レース連覇。重賞勝ちは久々だが前々走は中央のオープン特別を勝っており、1200m戦が初出走だったとはいえ*モーニンクラスでアタマ差とはかなりレベルが高くなってきている印象。
○コリアC(KOR-I) (ソウル 3歳上 D1800)
1. ロンドンタウン (牡5) by カネヒキリ R1:50.6
こちらは完全な一人旅。昨年の覇者ロンドンタウンが抑えきれずに向こう正面で先頭に立つと、そのまま後続との差をどんどん広げ、終わってみれば15馬身差の圧勝。自身が昨年マークしたレコードも更新し、堂々の連覇を達成した。昨年はクリソライトがいたため2着馬との差は4馬身だったが、単身臨んだ今回はまさに公開調教。日本はこのレースに3度出走して一度も他国の馬に先着を許しておらず、この距離では依然大きな実力差がありそうだ。
○青藍賞(重賞) (水沢 3歳上 D1600)
1. エンパイアペガサス (牡5) by *エンパイアメーカー(USA) 1:39.2
わずか5頭立てながら重賞ウイナー4頭が揃った青藍賞は2番人気エンパイアペガサスが1番人気ベンテンコゾウとの一騎打ちをクビ差制し、重賞12勝目をあげた。ベンテンコゾウは昨年末の桐花賞に続いてエンパイアペガサスの後塵を拝した。8馬身離された3着に昨年の同レース勝ち馬チェリーピッカーが入った。
○2歳新馬戦 (阪神 2歳 T1400)
4. クールジェンヌ (牝2) by ザサンデーフサイチ
新種牡馬ザサンデーフサイチ産駒がデビュー戦を迎えたが、4番人気で勝ち馬から0.4秒離された4着だった。ザサンデーフサイチは現段階で現役である唯一のダンスインザダークの直系種牡馬で、6頭の初年度産駒がいる。クールジェンヌの母はクーリンガーの全姉で中央OP勝ちもあるクールネージュで、今後そこそこの活躍が期待できそう。
この記事へのコメント
1. Posted by 袁小田 2018年09月09日 23:04
モーニンが頭差だった相手は香港のC2勝ちクラス。
2. Posted by ゴットマスタング 2018年09月10日 00:14
ファインニードル、次のスプリンターズSも勝てば☆4から☆5の可能性が高くなりそう。
クールジェンヌはまずまず、中央で2勝ぐらいはいけるか。
×グレートチャーター→○グレイトチャーター
クールジェンヌはまずまず、中央で2勝ぐらいはいけるか。
×グレートチャーター→○グレイトチャーター
3. Posted by 勝利植井 2018年09月10日 00:15
すいません、名前間違えました。
×ゴットマスタング
○勝利植井
×ゴットマスタング
○勝利植井
4. Posted by りきお 2018年09月10日 21:29
ノームコアもそうですが、日曜日の準オープンを勝ったヴァフラームといい、ハービンジャーは牝馬血統なのかもしれませんね。
牡馬でも、ペルシアンナイトとブラストワンピースが出ているので、1世代1頭ずつくらい大物が出てくれば、サンデー系に対抗していけそうですけど。
牡馬でも、ペルシアンナイトとブラストワンピースが出ているので、1世代1頭ずつくらい大物が出てくれば、サンデー系に対抗していけそうですけど。
5. Posted by DEEPBLUE 2018年09月10日 22:08
ハービンジャーは今年212頭まで増えたので、第三勢力としては十分じゃないでしょうかね。サンデーキンカメ以外で活気がある系統は今は他にないでしょうし
6. Posted by ロトマニア 2018年09月10日 22:28
ファインニードルですが、オープン入りまで期間を要しましたが、昨夏以降は7戦でG1を含む重賞4勝。
昨夏からの成長力には驚くものがありますね。
重馬場、58kで勝ったことも次走を考えると大きかったのではないでしょうか。
昨夏からの成長力には驚くものがありますね。
重馬場、58kで勝ったことも次走を考えると大きかったのではないでしょうか。
7. Posted by Organa 2018年09月10日 23:01
ご指摘ありがとうございます。記事を訂正しました。
>袁小田さん
C2勝ちクラスというと下級条件の馬のような印象を受けますが、実際には香港馬のレーティングで上位40頭に入る馬ですし、相対的な立ち位置で言えばモーニンとさほど変わらないでしょう。やはり香港馬は短距離では強いです。
ハービンジャーの活躍は社台にしてみればしてやったりといったところでしょうか。今後ハービンジャー牝馬にディープインパクトといった配合がトレンドになってくるでしょうね。
>袁小田さん
C2勝ちクラスというと下級条件の馬のような印象を受けますが、実際には香港馬のレーティングで上位40頭に入る馬ですし、相対的な立ち位置で言えばモーニンとさほど変わらないでしょう。やはり香港馬は短距離では強いです。
ハービンジャーの活躍は社台にしてみればしてやったりといったところでしょうか。今後ハービンジャー牝馬にディープインパクトといった配合がトレンドになってくるでしょうね。