10月、暮らしこう変わります マーガリンやコーヒーに値上げの波

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山下裕志
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 10月から暮らしにかかわる様々な商品の価格が改定されたり、サービスや制度の内容が見直されたりする。特に食卓には影響がありそうだ。マーガリンやコーヒー豆といった身近な食品が相次いで値上げされ、政府の輸入小麦の売り渡し価格も引き上げられる。

 雪印メグミルクと明治は10月1日の出荷分から、マーガリン類(マーガリンやファットスプレッド)などの価格を引き上げる。大豆や菜種といった油脂の原料が、産地の天候不順や中国の需要拡大などを受けて値上がりしているためだ。

 対象は雪印メグミルクが14商品、明治が9商品で、希望小売価格(税抜き)でみると5~30円の値上げ。雪印メグミルクの「ネオソフト」(300グラム)と明治の「明治コーンソフト」(同)はそれぞれ30円高い320円になる。続いて小岩井乳業も11月1日から、「小岩井マーガリン」2種類を20円引き上げる。

 油脂の高騰の影響は、菓子などにも広がる。

 山崎製パンは10月1日から、「北海道チーズ蒸しケーキ」や「まるごとバナナ」など一部の和洋菓子の出荷価格を平均7・0%上げる。フジパンも同日から菓子の一部の24商品を平均8・4%値上げする。J―オイルミルズも11月1日から、家庭向けのサラダ油などを1キロあたり30円以上引き上げる予定だ。

輸入小麦が価格上昇、輸送船不足の影響も

 コーヒーの価格も上がる。新型コロナウイルスのワクチン接種が進んで欧米などで需要が持ち直し、ブラジルをはじめとした産地の供給が追いつかず、コーヒー豆の相場が高騰しているためだ。

 味の素AGFは10月1日から、家庭向けの40商品を値上げする。UCC上島珈琲はすでに9月から価格を引き上げた。両社とも店頭価格の上昇幅は2割程度を見込んでいるという。

 家庭向けの小麦粉の価格も上がりそうだ。政府が輸入した小麦を製粉業者などに売る際の「政府売り渡し価格」が10月に改定され、平均19%引き上げられる。農林水産省の試算によると、単純に価格転嫁された場合、小麦粉(家庭用薄力粉)は1キロ14円ほどの値上げになる見通し。

 小麦は国内需要の9割ほどを輸入に頼る。今回の改定は、中国の旺盛な需要や、米国・カナダの産地の高温乾燥による作柄悪化の影響で、国際価格が上昇したのが主な原因。コロナ禍からの経済回復で、輸送船が不足していることによる運賃高騰も影響した。

 政府売り渡し価格は4月にも改定され、日清製粉グループの日清フーズやニップンは、家庭向けの小麦粉や、ホットケーキやお好み焼きの調理に使うミックス製品の価格を7月以降に値上げしたばかり。さらなる価格引き上げについては「検討している段階」(ニップン)などとしている。(山下裕志)

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