地域の人口減少どう解決? 「視点を変える」ことの大切さ

朝日地球会議2021

コーディネーター・大月規義
【動画】視点を変えよう あしたの地域のために
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 国際シンポジウム「朝日地球会議2021」(朝日新聞社主催)はオンラインで開催され、2日目の18日、パネル討論「視点を変えよう あしたの地域のために」を配信した。人口の減少や空き家問題など身近な課題を解決しないと、過疎地ばかりか都市部でも地域の持続可能性が失われかねない。現場で実践する3人から、解決の糸口として「視点を変える」ことの大切さを聞いた。

 東日本大震災を機に官僚を辞め、福島県国見町で株式会社「陽(ひ)と人(びと)」を立ち上げた小林味愛さん。柿の加工品製造で捨てられていた皮を原料に、化粧品を開発した。「モノを売るだけではなく消費者と地域との接点を作って、地域に光が当たるようにしている」。会社の収益を保つ経済性と、町おこしという社会性の両立を常に心がけている。

 「Rethink」プロジェクトを進めるJTは、従来の視点や発想を変えて、各地の町づくりに協力している。社内ではあえて「地域」を「地元」と言い換える。「地方や地域というと他人行儀な感じ」と渉外企画室次長の藤内省吾さん。わずかな言い換えで、地元の人が気付かない魅力の発見につながるという。

 雑誌「ソトコト」の編集長で、全国の地方創生事業に詳しい指出一正さんは、人口が減るなか移住者を増やそうとする政策の限界を主張。町の行事などに外部から関わる「関係人口」をいかに増やすかが肝心だとした。「町の面白さに自分も少なからず関われると思える『関わりしろ』を、それぞれの地域が持っておくことが大切」と指摘した。(コーディネーター・大月規義

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