ポルシェ カイエン 改良新型、内装一新…上海モーターショー2023で実車発表へ

ドライバーに焦点を当てた新しいコックピット

高解像度の12.3インチセンターディスプレイ

横方向に広がるすっきりしたデザインの新コントロールコンセプト

ポルシェ・カイエン 改良新型のプロトタイプ
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ポルシェは3月30日、SUV『カイエン』の改良新型を4月18日、中国で開幕する上海モーターショー2023でワールドプレミアすると発表した。

◆ドライバーに焦点を当てた新しいコックピット

改良新型の新しいコックピットは、EVスポーツ『タイカン』の要素を取り入れたものだ。その中には、曲面フリースタンディングデザインを採用し、表示内容を変更可能なデジタルメータパネル、再設計されたセンターコンソール、最新世代のステアリングホイールなどが含まれる。オートマチックギアセレクターは、ステアリングホイールの隣に配置された。これにより、センターコンソールにスペースが生まれ、洗練されたブラックパネルデザインの大型エアコンディショナーコントローラーを配置することが可能になった。

メータパネルは、完全にデジタル化されたフリースタンディングデザインの12.6インチ曲面ディスプレイとなり、フードカバーを不要とした。メータパネルの表示内容は、装備レベルに応じて最大7種類用意され、ドライバーはその中から選ぶ。レブカウンター、オンラインナビゲーション、ナイトビジョンアシスト、3D運転支援システムなどを選択して、最前面に表示させることが可能。簡素化された表示内容や、ポルシェならではの5連メータパネルデザインをデジタル時代に移行させたクラシックモードも用意されている。

新しいエンジンスタートボタンは、すべてのポルシェ車と同じく、ステアリングホイールと運転席側ドアの間に位置する。ギアセレクターは、メータパネルとセンターディスプレイの間、ステアリングホイールの隣に配置された。これによりセンターコンソールに余裕が生まれ、アナログスイッチ付きの新しい大型エアコンディショナーコントロールパネルを配置し、収納スペースを拡大することができた。さらに、再設計された先進運転支援システム(ADAS)のコントロールレバーが、ステアリングホイールに取り付けられている。

ポルシェ・カイエン 改良新型ポルシェ・カイエン 改良新型

◆高解像度の12.3インチセンターディスプレイ

『911』に由来する新しいマルチファンクションスポーツステアリングホイールを装備した。ノーマル、オフロード、スポーツ、スポーツプラスの各モードを、ステアリングホイールで選択できるドライビングモードスイッチが付く。メータパネルの機能やデザインを選択するための新しいトグルスイッチも、オプションのヘッドアップディスプレイのスイッチ類と同様に、ステアリングホイールに配置されている。

高解像度の12.3インチセンターディスプレイによって、「ポルシェ・コミュニケーション・マネジメントシステム(PCM)」を制御する。ドライバーは従来と同じく、多くの運転機能や快適機能、標準装備のオンラインナビゲーションやマルチメディア機能を、12.3インチセンターディスプレイで操作できる。

改良新型の新しい機能のひとつが、オプションで組み込まれる10.9インチパッセンジャーディスプレイだ。この追加のタッチスクリーンにより、助手席乗員がナビゲーションの操作やメディアサービスの選択などを行えるようになる。特殊コーティングによって、助手席ディスプレイを運転席から見ることができないようにした。

ポルシェ・カイエン 改良新型ポルシェ・カイエン 改良新型

◆横方向に広がるすっきりしたデザインの新コントロールコンセプト

改良新型では、横方向に広がるすっきりしたデザインの新しいコントロールコンセプトを提示する。メータパネル全体、センターコンソール、ドアの内側上部は、再設計された。ダッシュボードが水平方向により強調されたことで、室内がいっそう広く見えるようにした。新デザインのエア吹き出し口は、これまでのカイエンと同じく縦長に配置。コックピット内のすべてのエア吹き出し口には、初めてルーバーなしのデザインが採用された。

改良新型には、ワイヤレス充電機能付きの冷却式スマートフォン収納スペースが標準装備される。スマートフォンを冷やすことで、充電電力が最大15Wに最適化される。組み込まれるオンラインサービスの拡張により、音声アシスタント「Siri」を使った車両機能の操作など、新しいインタラクションも可能にした。また、フロントストレージコンパートメントに2つのUSB-Cポート、センターコンソール後部に2つのUSB-Cポートが新たに追加された。すべてのUSBポートには、急速充電機能が備わる。さらに、フロントのUSBポートは、スマートフォンをポルシェ・コミュニケーション・マネジメントシステム(PCM)に接続する。スマートフォンと車両のペアリングは、PCMに表示されたQRコードをスマートフォンで読み取るだけ。これにより、Apple「CarPlay」やグーグル「Android Auto」をはじめ、「Spotify」や「Apple Music」などの組み込みアプリを含む多くのコネクティビティ機能を利用できるようになる。

また、新たに搭載された「In-Car Video」機能により、ストリーミングプロバイダーの「ScreenHits TV」を介して、動画をPCMで視聴することができる、としている。

《森脇稔》

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