IN A SILENT WAY/MILES DAVIS | Beatles大好きっ!猫大好きっ!

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IN A SILENT WAY/MILES DAVIS
●Side one
1. Shhh/Peaceful (Miles Davis) 18:16

 

1. Shhh 6:14
2. Peaceful 5:42
3. Shhh 6:20
●Side two
1. In a Silent Way/It's About That Time(Joe Zawinul, Miles Davis) 19:52

 

1. In a Silent Way (Joe Zawinul) 4:11
2. It's About That Time (Miles Davis) ミ11:27
3. In a Silent Way (Joe Zawinul) 4:14
* Miles Davis trumpet
* Wayne Shorter soprano saxophone
* John McLaughlin electric guitar
* Chick Corea electric piano
* Herbie Hancock electric piano
* Joe Zawinul organ
* Dave Holland double bass
* Tony Williams drums
Producer - Teo Macero
1970年にMILESは、問題作『BITCHES BREW』を発表するんですけど、
その前年に今回アップした『IN A SILENT WAY』を発表しているんです。
この『IN A SILENT WAY』がなければ『BITCHES BREW』に到達していたか
どうかはわからないくらい、それまでのMILESのサウンドの表情が変わってきて
いるような感じがするんです。
とは言っても『BITCHES BREW』とはまだまだ距離があって、

こちらはまだそれ以前のJAZZの雰囲気は残っています。
それでも1曲目の「Shhh」で、あのTony Williamsにずっと同じリズムを
刻ませたり、Herbie Hancockにelectric pianoを弾かせたりと、

かなり思いきった事をさせているんですよ。

これによってMILESの方向性が変わってきているのは確かでしょうね。
MILESのtrumpetは極端にそれまでの雰囲気から離れているとは思わないのですが、
Chick Corea のelectric piano、Herbie Hancock のelectric piano、
そしてJoe Zawinul のorganはそれまでのMILESのサウンドを

一掃してしまったような気がしないでもないんです。
それにJohn McLaughlin のelectric guitarも加わって、
フュージョン的なところも見え隠れしています。
「Shhh/Peaceful 」という曲は、本当に枠を超えたMILESがいると思います。
完全に飛び越えるのは次作ですけどね・・・(^^
この「Shhh/Peaceful 」を聴いても、いろんな人が耳にしてもそんなに
違和感なく聴ける曲だと思いますが、それまでのMILESを好きなファンには

どう聴こえたのか・・・
サイドが変わって、こちらも1曲だけの「In a Silent Way/It's About That Time」です。
この曲はJoe Zawinul,とMiles Davisが各々つくった曲ですが、要するにTeo Maceroが
いろいろ鋏を入れて編集しているんです。
もうこの頃になると、断片的な演奏をTeo Maceroが編集して曲を作り上げて、
アルバムを完成させる流れが作られていました。
もちろん曲や演奏が良くないと成立しないのですが、私なんか一発録りの50年代の作品の
緊張感が好きなのでやや抵抗もあるんです。(^^
この「In a Silent Way/It's About That Time」では、本当に優し気な表情を持った
メロディが流れてくるんです。これには「えっ!これMILES?」って思ってしまいました。
やはりElctric Pianoの導入・・・それもJoe Zawinulの参加によってサウンドが著しく
変わったのでしょうね。それに加わるJohn McLaughlin のelectric guitarも優しく
聴こえてしまうのはどうなんでしょうか・・・?
でもそういうのをどうの言っても、MILESがこういう風にやっちゃっているんですから、
聴いちゃうしかないですね。こういうMILESもあるという事でしょうか。
Wayne Shorterが入って来るところなど、非常に耳に馴染みやすくって心地よいのですが、
一度MILESが入ってくると緊張感が漂うのはすごいですね。
存在感がまったく違うということです。
このアルバムから『BITCHES BREW』は、私の頭では繋がっていかないのですが、
やはりこの『IN A SILENT WAY』というアルバムの完成度がなければ、
次のステップは踏めなかったのはわかるような気がします。
ある意味違う次元からまったく関係ない次元に

この頃のMILESはいつもワープしていたのかもしれませんね。
このアルバム『IN A SILENT WAY』も紛れもなくこの時代の傑作です。
MILES DAVISがこの後から変貌して行く前の、最後の作品かもしれません・・・
まだ聴かれていない方は、ぜひ聴いてみてくださいねっ。
メンツを見ただけでも聴く価値があると思いますよ。(^^