夏になるといっつも思い出す話なんだ。

えっと結構前の事で、
小五の夏だったかな、
なんか学校の宿泊学習とかで山行った時のこと

一日目は山に着いて
その後山登りの予定だったんだけどさ

着くなり雨がザーザー降ってきて、
でも馬鹿な先生がどうしても登りたいって言って
登ることになったの

皆でっかいビニールをカッパ代わりにして登って行くんだけど、
ぬかるんだ山道は小五には少々キツイもんがあったよ

途中急な斜面とかもあって
ロープ掴みながらいかないとダメだったんだけど、
そのロープさえ雨で滑って死ぬかと思った

そんでなんとか目的地まで登ったんだ。

山頂ではないもののちょっと開けたその場所には
アスレチックみたいなのがあって、
遊びたい盛りの俺たちは
もう疲れなんか吹っ飛んで遊びに行こうとしたんだ。

ところが、
皆に付いて行こうとする俺を引き留めたやつがいた。

振り返るとそれは
仲良くしてやってたちょっと知恵の遅れたやつでさ

俺のカッパの裾を引っ張って、

「行っちゃダメ、遊んじゃダメ」

っていうんだ。

薄暗いのも相まってなんか不気味だったし、
素直に従ってそいつと隅っこで遊んでることにした。

そうやってしばらく二人でいると、
突如アスレチックの方から大きな音が聞こえた。

見ると、
木でできたアスレチックの吊り橋が崩れ落ちていた。

長いこと雨ざらしだったから、
腐敗してたんだろうな

こいつ分かってたのかなって思って視線を戻すと、
もうフラフラどっかにいってたよ

そんでほっとくわけにもいかないし、
とりあえず先生が今日泊まる施設に電話して
((そこがその山の管理もしていたため)山を下りたんだ

その日はそこに皆で泊まったんだけど、
そこでもまた変なことが起こるの。

俺は友達たち数人と
2段ベッドが数台ある部屋で寝てて、
俺は上の段の方だった。

でもそういう時って
つい夜中起きだしたりしたくなるじゃん?

で夜の十二時くらいに
(当時の俺らには相当遅い時間だった)
皆でトイレ行こうってなって、
ぞろぞろと連れションに出発したんだ。

そんで部屋に戻って
もう一度ベッドに入ったんだけど、
10分くらい経ったとき、
俺の枕のちょっと横辺りがへこむのを感じた。

誰かに思いきり踏まれたような感じで
布団がへこむんだよ。

部屋の奴に踏んだかと聞いてみるも、
誰もそんなことは知らないと言う。

もう一度寝てみたんだけど、
やっぱり定期的に踏まれているような感じがして、
しっかり眠れないまま朝が来た。

それで朝そこを見てみると、
泥だらけの足跡がついていたからもうびっくりしたよ。

今になって考えてみると、
あの山は雨で柔らかくなった地面を
大人数で荒らされたのに怒ったんじゃないかと思う。

お前らも山行くときは天候に気をつけろよ

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