2021年5月5日…
アメリカのマサチューセッツ州ボストンで、78歳の老人男性が息を引き取った。
この男の波乱に満ちた半生は、2001年公開のジョニー・デップ主演映画「ブロウ」で描かれている。
亡くなった老人は、伝説として語り継がれる麻薬の運び屋ジョージ・ユングだったのだ。
ジョニー・デップが演じた伝説の運び屋
1942年にアメリカのマサチューセッツ州で生まれたユングは、若くして裏社会へ飛び込んだ。
ユングが目をつけたのは、南米からアメリカ国内への麻薬の密輸。メキシコやコロンビアのカルテルと手を組み、大量の麻薬をアメリカ運び込むことで大金を稼ぎ、成り上がっていった。
特に1980年代には、世界のコカイン市場の8割を独占していたコロンビアの麻薬王パブロ・エスコバルと親密な関係を築き、1億ドル以上を荒稼ぎしたと言われている。
「基本的にロックスターや有名俳優と私に違いなんてなかった。コカインスターも大金を稼げば影響力が強くなる」
国境を超えて大量の麻薬を運べば、一般人が真面目に働いても手にできないような大金が、あっという間に手に入る。ただ、それだけ危険も多い。
「逮捕される危険も高いし最初は怖かった。でも恐怖が快感に変わっていったんだ。トラブルで吹き出すアドレナリンのジャンキーだ」
裏社会で成功したユングだけれど、その後は運に見放されたかのように人生を転落していった…