多くのファストフード店が凌ぎを削った「月見戦争」から早幾年(はやいくとせ)。何の前触れもなく今度は「タツタ戦争」が勃発してしまったようだ。

受けて立つのは「チキンタツタ」を擁する王者・マクドナルド。挑戦者は新商品「鶏タツタバーガー」を引っさげて勝負する「コメダ珈琲店」である。果たしてタツタ戦争に勝利するのは……どっちだ?

・王者の風格「チキンタツタ」

チキンタツタといえば、マクドナルドでも指折りの人気を誇るロングセラー商品である。かつてはレギュラー販売されていたものの、一時は表舞台から完全にその姿を消していた。

……が、最近は期間限定でちょいちょい復活し、そのたびにファンは大歓喜! 「マック最強はチキンタツタ説」も根強い、超人気ハンバーガーである。

今年は「名探偵コナン」とコラボし、チキンタツタ人気爆発! ……と思われていたが、待ったをかけたのが「コメダ珈琲店」だ。なんとチキンタツタの発売日である2024年4月17日に「鶏タツタバーガー」をぶつけたのである。

・挑戦者、現る

発表によれば「鶏タツタバーガー」は「生姜の香りがふわっと広がる生姜醤油ソース」を使用したハンバーガーとのこと。……って、それチキンタツタやん! どう考えても「チキンタツタ」を意識せざるを得ない新メニューなのだ。

さらにわざわざ発売日まで当ててくるとは……もうわかるよな? つまりこれは「仁義なきタツタ戦争」であり、歴史を鑑みれば「コメダがマックに仕掛けた」と見るのが自然だろう。よし、とことんやるがいい。

というわけで、マックの「チキンタツタ」とコメダの「鶏タツタバーガー」を食べ比べ! どちらも最高のコンディションでジャッジするため、それぞれ店内にて試食することにした。



・食べ比べ開始

で、まずは王者「チキンタツタ(490円 ※都市型店価格)」から。およそ1年ぶりのチキンタツタは……正直めちゃめちゃウマかった。「こんなにチキンタツタって美味しかったっけ?」と率直に驚いてしまったことをお伝えしておく。

その秘密はチキン……ではなくバンズ! ふっくらバンズがウマいのなんの!! バンズに合わせて設計したとしか思えないチキンはそこまで主張がない一方で、バンズとの一体感が素晴らしい。

言葉にすると「バランスが良い」となるが、バランスの良いハンバーガーなど滅多に無いのが実情。元々チキンタツタは好きだったが、それでもここまで完成度が高いとは思いもしなかった。



お次に「鶏タツタバーガー(単品価格790円)」はというと……デカッ! 先にチキンタツタを見たせいなのか、同じ国のハンバーガーとは思えないほど「鶏タツタバーガー」はビッグサイズである。

お味の方はというと、主役はザクザクとした食感の鶏タツタで、とにかく存在感が強い! 忍びのように存在感を消していたチキンタツタとは違って、鶏タツタはロックスターばりのアピール度である。

また生姜醤油ソースはそれなりに味が強いものの、バンズとチキンがそれをしっかり受け止め切っていた。商品名のまんま「鶏タツタを食べるハンバーガー」という印象だ。

・名勝負

簡単に言えばマクドナルドのチキンタツタは「バンズとバランス重視」で、コメダ珈琲店の鶏タツタバーガーは「鶏タツタとボリューム重視」となるだろうか? 仁義なきタツタ戦争は、どちらも個性が光る完成度であった。

ジャッジも非常に難しく「好みによる」としか言えないず、100人に聞いたら「50 : 50」になりそうな好勝負。まとまりはチキンタツタだけど、ザクザク & ボリューミーな鶏タツタも捨てがたいんだよなぁ。

というわけで、人知れず「タツタ戦争」が勃発した。真面目に実力伯仲のウマさなので、気になる方はぜひ食べ比べてみていただきたい。その際、どちらも熱々の状態で召し上がることをオススメする。

参照元:マクドナルドコメダ珈琲店
執筆:P.K.サンジュン
Photo:Rocketnews24.