バンダイナムコエンターテインメント(東京都港区)は9月29日、バンダイナムコ研究所(東京都江東区)のAI技術を使ってキャラクターがゲーム実況などを行う“AI VTuber”を展開すると発表した。6月からYouTubeで実験的に公開しているゲーム配信チャンネル「ゴー・ラウンド・ゲーム」(ごらんげ)を秋から本格稼働する。
従来のチャットbotは1対1の対話を目的としていたが、バンダイナムコ研究所が開発した対話AIは数百人規模の視聴者が投稿したコメントから「いま取り上げると面白いコメント」をピックアップしてリアクションを返す。「人間のライブ配信者が行っている行動をAIならではの記憶力やテキスト解析力などを組み合わせ、配信を盛り上げる」としている。
ごらんげでは「夕映(ゆは)」「佐鳥ネオン」「京ぽぷり」というAI VTuberのキャラクターが「じっきょロイド」(実況特化型・人工知能配信者)として麻雀ゲームで対戦、生配信を行っている。視聴者がYouTubeのチャット欄で話しかけると、その指示を学習しながらゲームを攻略する。人間ではないため何時間でも疲れずに配信できるのもメリットだという。
ごらんげでは今後、新キャラクターを追加する他、各キャラクターのプレイスタイルも個性的に進化させる。キャラクター同士のリーグ戦なども行い、「AI同士の戦いをバーチャル観戦、応援する楽しみを拡大する」。
開発した対話AIはバンダイナムコエンターテインメントが制作中の「ガンダムメタバース」でも活用する。「近い将来、AIキャラクターはいつでもメタバース空間でファンを出迎え、話し相手になったり、見ず知らずのファン同士が一緒に盛り上がれる話題を提供するなど、遊園地のキャストのような役割を担う」という。
同社はその「試作1号AI」となるAIキャラクター「メロウ」を公開した。まずは動画ライブ配信でガンダムファンと対話する予定だ。
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