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42歳で子宮全摘を決意。葛藤の中で気づいた「産みたくない」という気持ち

「子宮筋腫」という病気について、子宮を持つ女性なら、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。「子宮筋腫」とは、子宮の筋層に発生する良性の腫瘍のこと。私はこの病気と、15年ほど付き合い続けています。
42歳で子宮全摘を決意。葛藤の中で気づいた「子どもを持たない生き方」の意義

写真はイメージです(以下同じ)

 そんな中、筋腫が増発し日常生活に支障が出てきたため、ついに42歳の今、子宮を全摘する手術を決心しました。まだ子どもを生もうと思えば生める歳。心を決めるまでに、2年かかりました。  今回は、子宮全摘を決めるまでの葛藤と、決意した理由についてつづりたいと思います。今、選択を迷っている方の一助となれば幸いです。

夫の病気で通院を後回しに…

 子宮筋腫の存在を初めて知ったのは、25歳頃。しかし、30代に差し掛かる頃、健康診断で筋腫を指摘され、要検査の結果が出たことで、近くの婦人科を受診することに。状況によっては手術が必要かもしれない、ということで大きな病院を紹介され、その時初めて「手術」が選択肢として挙げられるようになりました。  たしかに、生理の出血量が徐々に増えていて、多い日は夜用のナプキンでも2時間持たないほど。日常的に貧血を起こしてもいたので、医師には手術を強く推され、手術をすることにしました。 夫の病気で通院を後回しに… その頃は、機会があれば結婚して子どもを持つことを考えていたので、筋腫のみの摘出術を希望。33歳の秋に一度目の手術をしました。  とはいえ、医師からは「再発する可能性が高い」と告げられており、半年ごとに経過観察をすることに。しかし、36歳の時に当時の夫が脳梗塞とがんに侵され闘病を始めたことで、自身の通院を後回しにしてしまいました。  夫が亡くなった後、40歳になってようやく婦人科に行ったところ、すでに手術が必要なほど、筋腫の数と大きさが増えてしまい、背骨の先に当たるほど、子宮が大きくなってしまっていたのです。

医師から言われた衝撃的な一言

 まず衝撃だったのは、医師に妊娠の希望について問われた時。夫が亡くなったばかりであることを告げると、「じゃあもう子宮はいらないですかね」と医師にサラッと言われたのです。さすがにショッキングで、かろうじて「少し考えさせてもらっていいですか」と言うにとどまり、病院を後にしました。 医師から言われた衝撃的な一言 たしかに、当時は夫を亡くしたばかりで恋人もいない状況だったので、子どもを作るという選択自体、ありませんでした。とはいえ、その時の段階で、自分から妊娠の機能をゼロにするという選択はできなかったのです。  「子どもを望んでいるのだろうか」という質問は、今まで何度も自身に問いかけてきました。以前書いたコラム『「女として欠陥品なのかな…」つらい不妊離婚で決意した“産まなくてもいい人生”』でも、つらい妊活をするよりも、自身の心や今の自分を大切にしたい、と考えたことをつづっています。  あの時、産まない人生を選んでもいいと思ったはずでしたが、いざ子宮を失うと思うと「本当にそれでいいのか?」と揺らぐ毎日。産めない体になったら、後悔するのでは? 思いつめて「もう女性ではなくなってしまう!」と考えることもありました。  結局、2年もの間、ずっと決断を下すことができませんでした。
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しっかりと自覚した「子ども」に対する気持ち
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