米中西部ミネソタ州で白人警官に膝で首を地面に押し付けられ死亡した黒人男性ジョージ・フロイドさん(46)の追悼式が、事件から2週間となる8日、故郷の南部テキサス州ヒューストンで開かれた。近く埋葬される。ひつぎが安置された教会には長い列ができ、参列者は胸の前で十字を切ったり、両手を組んで黙とうをささげたりし、最後の別れを惜しんだ。米メディアが伝えた。
フロイドさんの弟は「つらい」と涙ながらに語り「正義は貫かれる」と訴えた。教会を訪れたアボット州知事は報道陣に、警察改革の議論に遺族の声を採り入れる考えを示し「フロイドさんの死は無駄にはならない」と語った。各地では2週間連続で人種差別に抗議するデモが行われた。
一方、殺人容疑で逮捕、訴追された元警官デレク・ショービン容疑者(44)は8日、ミネソタ州の裁判所での審理手続きに勾留施設からビデオリンク方式で出廷した。裁判官は保釈金を125万ドル(約1億3500万円)に設定した。
フロイドさんは5月25日、ミネソタ州ミネアポリス近郊で偽札使用の通報を受け駆け付けたショービン容疑者らに拘束され、8分46秒にわたり首を押し付けられ死亡した。怒りの声は全米各地に広がり、多くの都市で連日、抗議デモが発生。同容疑者ら関与した警官4人は免職となり、全員が訴追された。(共同)