私たちは一体誰の旅を見ているのか シルクロード 考察
この記事を読んでくれているそこのあなた!
おはようございます!こんにちは!こんばんは!
はしと申します!!
29回目の記事です。
さて、なんと1日に2回更新する日が来るなんて、、‼︎笑
続いてはシルクロードについて考えてみました〜^_^
※あくまで一個人の妄想だろうな程度に読んでいただけると幸いです!
※まだ観てないよ〜という方はがっつりネタバレあるのでご了承ください。
さあ、本題へレッツゴー‼︎
全てはキャラバンが握る?
さて、シルクロードは物語形式のショーですが、その時系列は少し違和感を感じるところがあります。
そこで、まずは物語になっているであろう場面をざっくりと整理してみます。
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亡国
→千夜一夜・バザール
→ 〃 ・シェヘラザードと黄金の奴隷
→ 〃 ・荒野
→インドの神々
→ダスカ
→世界の終焉
→世界の再生
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バザールの場面に関してはプログラムを見ると、老若男女や東洋人、西洋人、未来、過去が入り混じっているとされていますが、一応入れておきました。
ここで気になるのはキャラバン隊の存在。彼らが登場するシーンはほとんど入れていません。
この物語にキャラバン隊は存在していないからです。
何を失礼なことを言っているんだ!ちゃんといるじゃないか!と思われるかもしれませんが、怒らないでください。
この作品はいくつかの物語で構成されていると思うんです。
詳しくは後々説明するとして、まずはこの作品のテーマ・青い宝石を追ってみませんか?
各場面のぷち話と青い宝石
亡国の場面では亡国の青年S(彩風咲奈さん)がネックレスとして青い宝石を持っています。それを亡国の乙女S(朝月希和さん)に付け替えます。
亡国。亡くなった国。かつてそこにあった国。つまりは、過去。
昔の青い宝石の持ち主と次期トップコンビを掛け合わせた美しい場面ですね。
次に、様々な人や時間が入り乱れているバザール。
ここは物語というよりショーとして入れた場面かなと思います。
青い宝石が長い時間をかけていろんな人の元に渡ってきたんだよ、それで今回はスリが盗んじゃうよ、という感じかなと思います。
続く、シェヘラザードの場面。
先ほどのスリは黄金の奴隷になってしまいます。ですが、そこで出会うのが青い宝石・シェヘラザード。
ここでイスラム説話集である千夜一夜物語のあらすじをざっくり抑えておきましょう。
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ササン朝ペルシアのシャフリヤール王。彼はインドや中国をも治めている。
ある時、彼は妻の不貞に気づき、妻とその相手の奴隷たちの首をはねる。
女性不信になってしまった彼は、毎晩、町中の娘を宮殿に呼んで一夜を過ごしては首をはねる。
そんな姿を見かねた彼の側近の娘が正妻に名乗り出る。その彼女が、シェヘラザードである。
シェヘラザードは毎晩のように興味深い話をしては、良いところで切り上げて「続きはまた明日」と終わらせる。
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このお話とショーの場面としての物語を繋げて考えてみると、恐怖に怯えながら生きているシェヘラザードの元にやってきたのが黄金の奴隷と捉えられるのではないでしょうか。しかし、ここでは出会うだけ。シャフリヤール王が邪魔をしてうまくは結ばれません。
そして荒野。
不思議と自由の身となった黄金の奴隷の手には青い宝石が。
ですが、奴隷自身は違和感を覚えているようです。
続いて中詰、インドの神々の場面です。
以前、インドの神々について筆者が調べたものをTwitterにあげたのですが、こちらにもあげておきますね⤵︎
注目ポイントはヴィシュヌ、ラクシュミー、ラーヴァナの関係性です。
この3人の神はインド神話『ラーマーヤナ』に出てきます。あらすじをざっくりとまとめたのがこちら⤵︎
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ラーヴァナが美しきシーターを奪って、ラーマが俺の妻を返せ〜!!!と戦う。
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いや、ざっくりすぎる。笑
このラーヴァナは彩風咲奈さん。
シーターはラクシュミーの化身、つまりは真彩希帆さん。
ラーマはヴィシュヌの化身、つまりは望海風斗さん。
S12の場面で望海さんと彩風さんがダンスバトルをしているのは、きっとここからきているのでしょう。
では、一体この場面で青い宝石をどう表しているのでしょうか。
それに関して青い宝石に関するお話をもう1つ⤵︎
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17世紀、インドのお寺にあったラーマ・シータ像の目に青い宝石が埋め込まれていた。
しかし、フランスの商人によってその青い宝石は盗まれてしまう。
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恐らく、ラーマ・シータ像とはラーマーヤナに関連することであると考えられ、ラクシュミーが青い宝石であると捉えられます。
確か、この場面でも真彩さんが青い宝石のネックレスをしていたかと…。(この場面眩しすぎて目が足りないですよね…!!)
ダスカに関しては色々考えたんですが、もうここは生田先生がやりたかったんだろうなとしか考えられません。はい。笑
かっこいいからいいのです!!笑
でも、花組時代に望海さんがやっていたお役であったり、シャフリヤール王が中国も治めていたことを考えると、若干繋がるかな?という感じです笑笑
ホープダイヤモンドの呪い
さて、ここからはこの物語の真髄に入っていきます。
世界の終焉の場面で人々は争っています。命を奪い合っています。物騒ですね。
そこにやってくるホープダイヤモンド。
長い旅の中で人々の争いをたくさん見てきた、呪われているのはあなたたちだと、苦しむように歌い上げます。
ここで実在しているホープダイヤモンドの旅とはどんなものなのか、まとめてみます⤵︎
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・9世紀 インド・デカン高原にて発見
・17世紀 ヨーロッパにてルイ14世のものになるが、フランス革命で宝石は行方不明に
・1812年 ロンドンの商人が所持
・1830年以降 宝石コレクターのヘンリー・フィリップ・ホープが所持(ここでホープダイヤモンドと呼ばれる)
・1902年 ロンドンの商人の元へ、そしてアメリカの商人の元へ
・1908年 パリの商人の元へ
・1909年 別のパリの商人の元へ
・1910年 カルティエ初代の孫のルイ・カルティエが所持
・1911年 ワシントン・ポストのオーナーの息子の妻が所持
・1947年 ハリー・ウィンストンの創業者が所持
・1958年から現在に至るまでスミソニアン自然史博物館に安置
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このように、ホープダイヤモンドは既に長い時間をかけてたくさんの地を旅していることがわかります。
その中で所持者が病気や事故で亡くなったり、ギロチンにかけられたことなどから呪いの宝石と呼ばれてしまうようになった。
命を踏みにじる世界はもう見たくないと歌いながら、目隠しを外します。
これは、本当はもっと違う世界を見たい、私には望んだ未来があるという気持ちを表現しているのではないでしょうか。
そこに繋がってくるのが、次の場面、世界の再生。
世界が終わり、暗闇の中でホープダイヤモンドが出会ったのはプロローグに出てきた盗賊(望海さん)。
盗賊はホープダイヤモンドが望んだ未来を行こう、光の道になろうと誘い、2人はしっかりと結ばれます。(歌詞や手を繋ぐ振りからも見て取れる、分かりやすい場面ですね)
ここでポイントなのは後ろに広がる世界。
プログラムには”光を取り戻した世界”とあります。
つまり、それはホープダイヤモンドが望んだ未来であると考えられます。
そしてそこにいるのは二羽の白鳩。(彩風さんと朝月さん)
白鳩は平和や愛、夫婦の象徴と言われています。新しいステージの始まり、夫婦円満といった言葉もあるようです(なるほど、そういうことか、生田先生やりおったなあという感じ)
ホープダイヤモンドが望んだ未来=さききわの世界と言っても良いかもしれません。
シルクロードは誰の旅?
さあ、お待たせいたしました、キャラバン隊の登場でございます。(お待たせしすぎ←)
フィナーレ最初はキャラバン隊の場面です。
その手には、なんとあの青い宝石が…!!
ということは、これまでの物語自体が過去のお話か?てことは、亡国の場面は大過去?(英語じゃないんだよ←)
まとめると、大枠としては私たちが見ているのはキャラバン隊の旅であると考えられます。
そしてその中で彼らが所持している青い宝石・ホープダイヤモンドとそれに関わる盗賊の旅が物語として語られている、ということになるのでしょう。
キャラバン隊=退団者
ホープダイヤモンド=真彩希帆さん
盗賊=望海風斗さん
なるほど、やってくれましたね、生田先生。
トップコンビと、その他の退団者の旅の物語なのですね。
そして、雪組としての物語でもある。
これは3つの旅で構成されたショーなのだと、筆者は思います。
新たな道を行く者。
次に続く道となる者。
新しい世界をこれから作り上げていく者。
それぞれがぞれぞれの旅をしているその姿は眩しく、儚く、そして美しい。
4/11のその日まで、無事に旅が続きますように。
そして、その後のそれぞれの旅も美しいものでありますように。
長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました🙇♂️
次回‼︎
次の記事は雪組千秋楽になるかと思います。
#愛してるよ宝塚歌劇団
はし。
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