JRAブリーズアップセール2019(PDF)

近年はブリーズアップセールの立ち位置が明らかに変わってきたので、
ここ数年はブリーズアップセールからの指名は見送っていました。

ただ昨年は明らかに脚力、配合と根拠の強い馬がいて
それが現2勝のエイティーンガールでした。

JRAブリーズアップセール2018傾向と対策【傾向編】


ブリーズアップセールやその前段階にあたるスピード調教で速い時計を出すことは、
仕上がりの早さのアピールに繋がる一方、当然その反動のリスクもあり
実際にエイティーンガールは試走(騎乗供覧)では抜群の脚力を見せながらも
ややピリっとしたところを見せ始めていて、栗東に入厩後はその気性面やゲートで難しさを見せることから一度も強く追うことができないままデビューすることになり、その能力を発揮するまで時間がかかってしまいました。
この点はエイティーンガールに限った話ではないので、注視したいところです。

JRAが主催するブリーズアップセールの騎乗供覧は“時計よりも馬の走法や出来映えをアピールする”というお題目があり、今年は特に「いかに競馬への早期デビューに繋げるか」を意識した調教過程であることが示されているので、時計面がどう変化してくるかにも注目です。


それでは4月21日終了時点での、昨年のブリーズアップセール落札馬で獲得賞金上位馬3頭を見てみると


1位イッツクール　3,363万円　OPききょうS
父アルデバラン��
2F22.7秒(11.4-11.3)　※2F二番時計
落札価格1,296万円


2位エイティーンガール　2,093万円　2勝
父ヨハネスブルグ
2F23.9秒(12.7-11.2)　※ラスト1F二番時計


3位エリーバラード　1,260万円　佐賀の九州産馬限定競走2勝(重賞･たんぽぽ賞)
父アルデバラン��
2F26.4秒(13.1-13.3)

となっています。


私は2014年にトーセンラークを指名してOPクローバー賞勝ちや重賞で二度の3着の活躍があるなど満足の活躍をしてくれましたが、「POG期間の重賞馬」は2013年のクリスマス(G�携ヾ�2歳S)、フクノドリーム(Jpn�轡─璽妊襯錺ぅ江�)以降誕生しておらず、基本的には「下位で速攻、短距離、ダート狙い」をされる方以外には「POG的には」難儀なセールとなっています。


活躍馬の傾向としては、これは千葉セールの傾向と対策編でも何度も繰り返してきた「ラスト1F重視」が有効に機能します。

13位指名　タケイチゼットの2012(トーセンラーク)

こちらにも書いたように、中山のダートを楽な手応えで1F11秒前半で上がってくるのは能力の証左の一端になり、特に芝向きのフットワークの馬がこのレベルの時計をマークしてくるようであれば、さらに期待度が上がります。エイティーンガールはここが指名の強い根拠となりました。


また今年は九州産馬が3頭上場予定で、エリーバラード路線での活躍も期待されます。

ただしこの3頭とも調教の進捗が遅れていて、小倉の九州産馬限定新馬戦に間に合わせるのは難しい馬も含まれそうです。12月に佐賀競馬で行われる九州産馬限定未勝利から、2月の九州産馬限定たんぽぽ賞(1着賞金700万円)が目標となってくるでしょうから、地方アリルールの方以外にはあまりおすすめできません。


セール前段階での今年の私の狙いは、これまでと変わりません。

「新規馬主限定セッション馬狙い」です。



JRAブリーズアップセール落札馬には競馬場への直接入厩なども含め様々な特典、特約があるのですが、他のセールと大きく違うのが「新規馬主しか参加できないセッションがある」点です。


今年の新規馬主セッションは基本的に「2016年1月以降に登録をした馬主」が参加資格で、一人一頭までの購買となっており、今年の該当馬はJRAホームブレッド（生産馬） を中心とした8頭(上場番号1~8)になります。 

これらの馬は『順調に調教を消化できている馬のみを対象とする』とされている為、ある意味JRAのお墨付きが得られています。

上記ツイートの馬だけではなく、ききょうSを制したイッツクール、現3歳OPのエイティーンガールともに、昨年落札された馬の獲得賞金上位2頭は新規馬主限定セッションでの落札馬でした。

ここを狙わない手はありません。今年も狙います。


今年の上場馬では

1　タキオンメーカーの2017(父アルデバラン��)

ききょうS勝ちイッツクールの全弟。直前調教でも12.1-11.3を手応え優勢でマークしており、動きの良さは兄に匹敵するレベルです。

また注目したいのは本馬も兄と同じく上場番号1であること。

海外のセールでは母馬のアルファベット順に年次で上場の順番が変わることが一般的ですが、日本のセールは恣意的に決められていることが多く、セレクトセール1歳部門上場番号1番は「慣例となっているあること」があり、昨年のセレクトセール1歳でサマーハの2017(父ハーツクライ)を落札した早野誠氏は「上場番号1の馬を敢えて狙った」という趣旨のコメントをされていました。
一昨年の千葉セール上場番号1番は、市場長である吉田照哉氏率いる社台Fと縁の深い原禮子氏が落札し後にJpn1東京大賞典を勝ったオメガパフュームであることも付記しておきます。



3　シャトルシャロンの2017(父ヨハネスブルグ)

以前POGで指名し、現在も園田で活躍中のリッパーザウィンの全弟になります。こちらも調教では力強い走りを見せていました。
配合的には、父の持つBlue Eyed Momoを直接的に増幅し、さらに父がクロスで持つMenowをさらに重ねることになる本馬の全兄やエイティーンガール、ホウライアキコ、タガノブルグと共通するWoodman持ちという点からも安定感は期待できるでしょう。
父の産駒なだけに、気性面が大成するためのポイントとなりそうです。



5　エーシンマリポーサの2017(父エスケンデレヤ)

本邦初年度産駒となるエスケンデレヤですが、 海外では米G�汽瓮肇蹈櫂螢織�H勝ちMor Spiritなど重賞馬を多数輩出しており、今月もアメリカで産駒が重賞勝ちをしていました。その意味ではタンカーク的ですね。
Giant's Causeway系はShamardal、Footstepsinthesandなどが後継種牡馬として活躍していますが、ここに来て新種牡馬Carpe Diemの評価が急上昇して、身内でやっている海外調教馬POGで指名し産駒初出走初勝利となったNayibethが大楽勝デビューを飾ったほか、今夜から行われる予定のOBSスプリングセールの試走でも
Carpe Diem産駒が好時計をマークしていて、改めてこの父系に期待です。


本馬は半兄にJpn3北海道2歳優駿3着のエイシンホクトセイがおり、父母間で強度のある近親配合ですからイメージ通りダートが活躍の舞台になってくるのでは。フクノドリームのようにエーデルワイス賞路線狙いで面白そうです。



7　アグネスリースの2017(父ワールドエース)

Twitter界隈では「リス子さん」としてお馴染みの一頭です。

ただ既に動きの良さで前評判が高いと、なまら古谷っちさんがツイートしていました。

それほどサイズはなく中山のダートで時計を出してくるタイプとは異なるかもしれませんが、サンデーサイレンスの4×3、そしてその軽快なフットワークからは、父ワールドエースの産駒らしい運動神経の良さを感じさせるもので、その点からも注目しています。ブリーズアップセール新規馬主セッションから芝向きの軽快なタイプを探すのであれば、この馬は見逃せません。


事前のピックアップはこの4頭としておきます。この傾向編で書いたことを中心に、フットワーク、ハミ受け等を見ながら指名候補をリストアップしていきます。
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