日本でのトレーニングセールに比べるとアメリカのトレーニングセール上場馬の試走での時計の出方は1秒〜1秒半速くなることから、いわゆる「即戦力」的な扱いをされることもありますが、馬場の違いや時計の「出し方」「意図」には大きな違いがあり、さらにこの時期の2歳馬にハロン10秒を切るような調教をすることの弊害が出るケースも少なくありません。

昨年のOBSマーチセールの傾向編でこう書いたように
試走で好時計をマークしたモーニンが来日してみると石坂師曰く「脚がガタガタでデビューできないかと思った」と語ったように、
この時期の2歳馬が1F9秒台で走り海を渡るというのは確かにリスキーで、
 OBS2歳マーチセール2018　傾向と対策【傾向編】

2014年のOBSマーチセールで1F三番時計を叩き出しNarvicに落札された後のモーニンは、来日後の立て直しに時間を要し、デビューはセールから一年以上経過した3歳の5月でした。

もっと極端な例をあげれば、2010年のドラフトで私が１位指名したファシグティプトンマーチセール(当時コールダー開催)落札馬ピューマティックは、吉田勝己氏が67.5万ドルで落札しかなりの話題となったものの、こちらも反動がきつく(デビュー後に「腰」という話が出てました)競走馬としてデビューできたのはセールから二年半以上後の4歳9月で、当初デビュー予定だったJRAからではなくホッカイドウ競馬からのものでした。

特にアメリカの2歳トレーニングセールは、プレビューで時計を出すことが「高く売る為の手段」ではなく「目的」となっているケースも少なくないので(近年はそういう時計の出し方をしているコンサイナーは減っている傾向を感じますが)

時計の速さ≒「現時点での」仕上がりの早さ≠すぐ競馬に使える

となるケースを想定して試走を見ることが必要です。


しかもこのOBSスプリングセールはOBSマーチセールより1か月遅い4月の開催。
2歳トレーニングセール落札馬の場合、着地検疫の関係でデビューはどんなに早くても8月。9月の中山、阪神開催に間に合えばかなり順調な方です。特にダート向きの馬の場合は、POG期間の大きなポイントの稼ぎ所となるエーデルワイス賞、JBC2歳優駿(旧北海道2歳優駿)、全日本2歳優駿に出走を目指す場合、デビュー勝ち、連勝は必須で、かつて2歳時にダートで2戦2勝だったOBSマーチセール落札馬アジアエクスプレスは、全日本2歳優駿のJRA選出馬に漏れたこともありました(それがあの朝日杯FS勝利に繋がりました)。

これらのように、無視できるレベルではない「POG上の」デメリットがある中、当ブログはOBSスプリングセール落札馬を猛プッシュしてきました。その理由は大きく三つ。

・POG本に情報が掲載されずマークが薄くなる
・アメリカ２歳トレーニングセールにおける重要度が増している
・近年このセール出身の日本での活躍馬が続出している


このセールの出身で昨年のPOG期間にG�轡侫．襯灰�Sを勝ったミスターメロディがG�宜眈承楜�念を勝利したほか、現３歳世代もフォッサマグナ、カフェクラウンが2勝と活躍しています。


なお




POG戦術的には私の指名する馬を回避するだけの簡単なお仕事で良いようです←
 
 
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