2019年05月12日

週刊種牡馬ニュース 5/6 - 5/12

ヴィクトリアマイルはノームコア。というよりはダミアン・レーンといったところで、連日の重賞勝利であっという間にGIジョッキーに上り詰めました。勝率3割、連対率4割、複勝率に至っては驚異の5割越えということで、ルメール不在の穴を埋めるどころかさらにその上に立つ大車輪の活躍です。このままでは来週のオークス、再来週のダービーもあっさり持っていかれそうな雰囲気ですが、何とか日本人ジョッキーの奮闘を期待したいところですね。また2歳戦が始まって数週間がたちますが、ぼちぼちと新種牡馬の産駒も勝ち上がり始めました。今年は39頭の種牡馬がデビュー、そのうち11頭が種付け数100頭越えというかなり熾烈な新種牡馬リーディング争いが繰り広げられそうですが、勝ち上がったのはニホンピロアワーズ、マジンプロスパーといったマイナーどころで、今年は何か一波乱あるでしょうか。
【5/6(月)】

かしわ記念(GI) (船橋 4歳上 D1600)
 1. ゴールドドリーム (牡6) by ゴールドアリュール 1:40.2
 2. インティ (牡5) by *ケイムホーム(USA) 1 1/2
 3. *アポロケンタッキー(USA) (牡7) by Langfuhr (USA) 2
完全な一騎打ちで単勝1.9倍の2番人気に支持された昨年の覇者ゴールドドリームが中団追走から一気に抜け出し、連覇を達成した。これでGIは5勝目。かしわ記念を連覇したのはエスポワールシチー、コパノリッキーに続く3頭目となった。単勝1.6倍の1番人気だったインティはスタートで出遅れ、押して第3コーナーから先頭に立ったものの、最後は末脚に屈して2着に終わり、連勝は7でストップした。しかし自分の形に持ち込めなくてもここまで走れたのは収穫で、ルヴァンスレーヴもそろう帝王賞が非常に楽しみだ。3着には古豪*アポロケンタッキーが入った。

【5/7(火)】

特になし。

【5/8(水)】

フレッシュチャレンジ(JRA認定) (門別 2歳牝 D1000)
 5. パドゥーラ (牝2) by カレンブラックヒル
 6. シルヴィーエム (牝2) by *エスケンデレヤ(USA)
この日も続々と新種牡馬の産駒がデビュー。今回はカレンブラックヒル産駒と*エスケンデレヤ産駒がデビュー戦を迎えたが、勝ち馬から10馬身以上離された5着、6着に終わった。カレンブラックヒル産駒はダイワメジャー産駒らしく、仕上がりの早さで勝負したい。*エスケンデレヤはすでに日本でも産駒が走っているが、やはりダート向きだろう。

アタックチャレンジ(JRA認定) (門別 2歳 D1200)
 1. ミステリーベルン (牝2) by ニホンピロアワーズ 1:16.3
ニホンピロアワーズ産駒のミステリーベルンが9馬身差で圧勝し、新種牡馬として勝ち上がり第一号となった。ニホンピロアワーズは5歳にしてGI初勝利を飾った成長力のあるタイプだが、これに仕上がりの早さが加わるとなればダート種牡馬として面白い存在になりそう。

【5/9(木)】

フレッシュチャレンジ(JRA認定) (門別 2歳牝 D1200)
 5. トモノウィニング (牝2) by タイセイレジェンド
新種牡馬タイセイレジェンド産駒がデビュー戦を迎えたが、中団追走からそのままなだれ込んで5着だった。タイセイレジェンドはキングカメハメハ産駒のJBCスプリント勝ち馬だが、GI馬としてはそれほど牝馬が集まっているとはいえず、初年度から結果を残していきたいところ。

フレッシュチャレンジ(JRA認定) (門別 2歳 D1000)
 5. リワードグラン (牡2) by グランシュヴァリエ
新種牡馬グランシュヴァリエ産駒がデビュー戦を迎えたが、3番手追走から直線向いて失速し5着だった。高知所属で交流重賞でもそこそこ活躍したグランシュヴァリエだが、牝馬はほとんど集まっておらず、2年間でのべ10頭の牝馬に種付けを行っただけですでに廃用となっている。

アタックチャレンジ(JRA認定) (門別 2歳 D1000)
 1. トーケンマコット (牝2) by マジンプロスパー 1:02.1
早くも新種牡馬の産駒として2頭目の勝ち上がり。3番人気トーケンマコットが逃げ切って初勝利をあげた。こちらも2年間の種付けのみで早々に種牡馬を引退しているが、残された産駒が活躍して先日種牡馬入りした同父スノードラゴンの種付けにつなげたいところ。

【5/10(金)】

特になし。

【5/11(土)】

京王杯スプリングC(GII) (東京 4歳上 T1400)
 1. タワーオブロンドン (牡4) by Raven's Pass (USA) R1:19.4
 2. リナーテ (牝5) by ステイゴールド 3/4
 3. ロジクライ (牡6) by ハーツクライ ハナ
1番人気タワーオブロンドンがコースレコードの完勝で重賞3勝目をあげた。これで1400m戦は京王杯2歳Sも含めて3戦3勝。鞍上はすさまじい勝率を残すダミアン・レーンJで、血統的にもマイル戦は全く不安はなく、このコンビなら安田記念でも十分勝負になるだろう。ディーマジェスティのいとこという血統から種牡馬としても面白そうな存在だ。6番人気リナーテは京都牝馬Sに続く重賞2着。サトノダイヤモンドの母にステイゴールドという血統ながら短距離戦で結果を残している。3着争いは2番人気のロジクライが接戦を制した。

京都ハイジャンプ(JGII) (京都 4歳上 T3930)
 1. シゲルヒノクニ (牡7) by *パイロ 4:32.2
 2. ピエナクルーズ (牡6) by *ハービンジャー(GB) 3/4
 3. メイショウタンヅツ (牡5) by メイショウボーラー 1 1/4
10頭立ての8番人気シゲルヒノクニが直線の追い比べを制し、重賞初勝利をあげた。*パイロ産駒のJRA重賞勝ちは3年前のフェアリーS以来2勝目。意外なことにここまでダート重賞は未勝利である。シゲルヒノクニは3年前に未勝利戦を勝っただけの馬で、ここ2年は掲示板にすら載れていなかったが、鞍上の植野Jとはここまで複勝率60%と相性の良さが光ったレースだった。京都コースと相性の良いタマモプラネットは単勝1倍台の圧倒的支持を受けたが、大逃げを打つもさすがにこの距離を逃げ切るにはオーバーペースで4着に終わった。

都大路S(L) (京都 4歳上 T1800)
 1. ソーグリッタリング (牡5) by ステイゴールド 1:44.6
2番人気ソーグリッタリングが差し切り、六甲Sに続きオープン特別連勝となった。ここまでマイル戦を主に使われていたが、この距離でも全く問題なし。勝ち時計も早く、重賞でも十分通用するだろう。1番人気に支持されたサトノフェイバーは2番手追走も失速し7着に終わった。

【5/12(日)】

ヴィクトリアマイル(GI) (東京 4歳上牝 T1600)
 1. ノームコア (牝4) by *ハービンジャー(GB) 1:30.5
 2. プリモシーン (牝4) by ディープインパクト クビ
 3. クロコスミア (牝6) by ステイゴールド 1/2
またしてもダミアン・レーン。5番人気ノームコアが力強く抜け出し、GI初勝利を達成した。レーンJも連日の重賞勝利で、これがJRAGI初勝利。ノームコア自身マイル戦は2歳時の500万下以来だったが、むしろマイルのほうが向いているというような勝ちっぷりで、日本レコードとなる勝ちタイムも併せて今後が非常に楽しみだ。2着に最速の上りを繰り出した4番人気プリモシーン。こちらはマイル一筋というような戦績だが、得意の舞台であと一歩届かなかった。1番人気に支持されたラッキーライラックもじわじわと伸びたが、及ばず4着に終わった。

栗東S(L) (京都 4歳上 D1400)
 1. ノボバカラ (牡7) by アドマイヤオーラ 1:22.9
3番人気ノボバカラが2番手追走から直線半ばで先頭に立ち、最後はハナ差で押し切った。これが3年前のカペラS以来となる勝ち星。一昨年の南部杯2着以来掲示板すら載れていなかったが、久々のオープン出走でいきなり決めた。1番人気スマートダンディは直線向いて伸びを欠き4着に終わった。

プリンシパルS(L) (東京 3歳 T2000)
 1. ザダル (牡3) by トーセンラー 1:58.3
5番人気ザダルがしぶとく伸びてダービー最後の切符を手にした。これでデビュー以来無傷の3連勝。延期の影響で中1週となってしまったが、かつて父が不良馬場に泣き二桁着順に終わった舞台に立つことはあるだろうか。1番人気に支持されたルヴォルグは伸びを欠いて6着に終わった。

青竜S(OP) (東京 3歳 D1600)
 1. *デュープロセス(GB) (牡3) by ダイワメジャー 1:36.6
英国への逆持込馬*デュープロセスが人気の無敗馬デアフルーグを競り落とし、4連勝でオープン特別連勝を達成した。初のマイル戦も全く問題なかったが、さらに距離が伸びてどうか。ここまで圧倒的支持を受けて勝ち上がってきた2番人気の*カフェクラウンは直線向いて失速し、シンガリ負けを喫した。

佐賀スプリングC(重賞) (佐賀 3歳上 D1800)
 1. グレイトパール (牡6) by キングカメハメハ 1:54.7
元JRA重賞ウイナー・グレイトパールが後続に5馬身の差をつけ、単勝1.1倍の支持に応えた。佐賀記念、オグリキャップ記念とここ2走は良いところがなかったが、やはりここでは完全に力が違った。2着には2番人気に支持された昨年の覇者キングプライドが入った。

3歳未勝利戦 (東京 3歳 D2100)
 1. *ベルゲンハーバー(USA) (牡3) by Noble Mission (GB) 2:16.2
6番人気*ベルゲンハーバーがダートで変わり身を見せて初勝利。ちなみに父 Noble Mission にとってもこれが産駒の日本初勝利となった。Noble Mission は Frankel の全弟で、サンクルー大賞などGI3勝。血統的にはやはりダートより芝向きで、長いところで面白そう。

その他の種牡馬ニュース

今年のケンタッキーダービーで1位入線を果たしながら降着となった Maximum Security の父、New Year's Day が日本の牧場によって購入されたとのこと。New Year's Day は Street Cry 産駒の米国産馬で、BCジュヴェナイルの勝ち馬。3歳以降は出走しておらず、2年目の産駒から Maximum Security が出たが、昨年からはブラジルで種牡馬生活を送っている。購入者は明らかでないが、南米にコネがあるとすれば社台か、あるいは*ストリートセンスに近い血統を考えればダーレーあたりか。




この記事へのコメント

1. Posted by ノエルザブレイヴ 2019年05月12日 20:27
前回のケンタッキーダービー1位入線取り消し事例であるダンサーズイメージも種牡馬として来日しているわけですが、まさか今回も似た事態が発生することになるとはびっくりしました。
2. Posted by なろなまし 2019年05月12日 22:07
ヴィクトリアマイルの記事が「催促の上り」になってますね

しかし府中はホントに時計が速い
この超高速馬場を制したのがハービンジャーの仔だったというのは面白いですが
今回は血統どうこうよりやっぱりレーンのおかげですかね
3. Posted by Organa 2019年05月12日 22:16
記事を訂正しました。ご指摘ありがとうございます。
4. Posted by 鈴鹿越え 2019年05月12日 22:53
ノームコアの祖母はフサイチエアデールの全妹で、母父はクロフネ。と言うと、ノームコアの母はフサイチリシャールと同血なんですね。
ハービンジャーは当初のイメージほど重くはなく、とは言えスプリントに対応できる程素軽くもなく、1600-2200辺りの馬なのかなと思います。
5. Posted by elfte 2019年05月13日 01:51
本当、何の因果なんでしょうねぇ。
New Year's Dayには結果を出してもらって、改めて買い戻しオファーがあると良いんですが。
……でも、血統見ると母父サンデーとの相性次第では本当に爆発しそうな気が。
6. Posted by DEEPBLUE 2019年05月13日 23:40
新種牡馬戦線は面白くなりそうですね。
ハービンジャーはマイルでも走るとはいえ、少し上がベストな気がします。

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