2020年07月01日
リュティエ系 - サイアーラインで辿る日本競馬
続いてはリュティエ系。スピード系のクラリオン系の中ではどちらかというとスタミナタイプの系統で、長距離戦や障害戦で真価を発揮しました。日本ではトウショウ牧場が導入した*ダンディルートが大成功をおさめ、NHK杯のビゼンニシキ、マイルChSのダイタクヘリオス、スプリンターズSのダイタクヤマトと3代にわたって父系を継承することに成功しました。母系に入って優秀なのもこの系統の特徴で、平凡な競走馬だった*シャレーがミホノブルボンの母父となったり、一介のオープン馬だったトウショウフリートがシーイズトウショウの母父となったりしています。
<リュティエ系父系図>
*ダンディルートはパレロワイヤル賞など仏GIIIを3勝した馬で、オーナーはトウショウの藤田正明氏とキョウエイの松岡正雄氏であった。特にトウショウ牧場で重用され、GI級の産駒は出せなかったがビゼンニシキやトウショウペガサスなど多数の重賞馬を送り出すことに成功した。繁殖馬の父としてはさらに優秀で、孫の世代にグルメフロンティアやダイタクヘリオスといったGI馬が出たほか、名繁殖牝馬を何頭も輩出した。
*ダンディルート産駒の中でも最良後継はシンボリルドルフの後塵を拝し続けたビゼンニシキで、マイルChS連覇のダイタクヘリオスや名障害馬リターンエースなど内国産種牡馬として優秀な成績を残した。さらにダイタクヘリオスはスプリンターズSのダイタクヤマトを出しており、3代に渡って父系を伸ばすことに成功したが、今では直系はすでに途絶えている。
トウショウペガサスも優秀で、種牡馬としてフェブラリーSのグルメフロンティア、阪神3歳牝馬Sのスエヒロジョウオーと2頭のGIを出すことに成功した。ほかにトウショウゴッドが牡馬に交じって重賞5勝の名牝ヌエボトウショウを、トウショウボーイの半弟トウショウルチェーが中山牝馬Sのジムクインを出すなど、トウショウ牧場の父系・母系に大いなる影響を与えている。
リュパン賞の勝ち馬*ノーリュートも成功種牡馬の1頭で、種牡馬として中山大障害2回の名障害馬ブロードマインド、東西の4歳牝馬特別を勝ったヤマヒサローレルなど複数の重賞馬を送り出し、リーディングトップ10にもランクインした。また*シャレーは*ダンディルートの成功を受けて連れてこられた馬で、競走馬としても種牡馬としても平凡だったが、母父として名馬ミホノブルボンを出したことで歴史に名を刻むことに成功した。
Tourbillon 1928
Djebel 1937
Clarion 1944
Klairon 1952
Luthier 1965
| ・1968年 リュパン賞
| ・1968年 ジャックルマロワ賞
|*ダンディルート Dandy Lute 1972
|| ・1975年 ジョンシェール賞
|| ・1975年 パレロワイヤル賞
||コーニストウショウ 1977
|| ・シスタートウショウ、ウオッカ、シーイズトウショウの牝祖
||トウショウゴッド 1977
||| ・1980年 弥生賞
||| ・1982年 ダービー卿チャレンジT
||| ・1983年 目黒記念(春)
|||ヌエボトウショウ 1987
|| ・1990年 サファイヤS
|| ・1991年 朝日チャレンジC
|| ・1992年 愛知杯
|| ・1992年 北九州記念
|| ・1993年 京都牝馬特別
||トウショウハイネス 1977
|| ・1986年 新春杯
||トウショウルチェー 1977
|||ジムクイン 1985
||| ・1990年 中山牝馬S
|||ナスノダンデー 1985
|||| ・1987年 青雲賞
|||| ・1988年 京浜盃
||||ナスノステージワン 1994
|||| ・1997年 北関東ダービー
||||クラノコウテイ 1995
|||ダイカツルーチェ 1986
||ポリートウショウ 1977
|| ・1980年 クイーンC
||エイティトウショウ 1978
|| ・1981年 ラジオたんぱ賞
|| ・1982年 中山記念
|| ・1982年 金杯(東)
|| ・1983年 中山記念
||コーラルシー 1978
|| ・1981年 (3着)東京優駿
||マーブルトウショウ 1978
|| ・1981年 (3着)桜花賞
|| ・スイープトウショウ、トウショウドラフタ、サマンサトウショウの牝祖
||トウショウペガサス 1979
||| ・1984年 ダービー卿チャレンジT
||| ・1985年 中山記念
|||トウショウフリート 1988
|||| ・1993年 パラダイスS
||||ジェーントウショウ 1996
||| ・シーイズトウショウの母
|||スエヒロジョウオー 1990
||| ・1992年 阪神3歳牝馬S
|||グルメフロンティア 1992
|| ・1998年 フェブラリーS
|| ・1998年 中山金杯
||アップセッター 1980
|| ・1983年 ニュージーランドT4歳S
|| ・1983年 新潟記念
||キクカリュウセイ 1981
|| ダンディテシオ 1989
|| ・1995年 ガーネットS
||ビゼンニシキ 1981
| | ・1984年 NHK杯
| | ・1984年 共同通信杯4歳S
| | ・1984年 スプリングS
| |ダイタクヘリオス 1987
| || ・1990年 クリスタルC
| || ・1991年 マイルチャンピオンシップ
| || ・1991年 高松宮杯
| || ・1991年 マイラーズC
| || ・1992年 マイルチャンピオンシップ
| || ・1992年 毎日王冠
| || ・1992年 マイラーズC
| ||ダイタクヤマト 1994
| | ・2000年 スプリンターズS
| | ・2000年 スワンS
| | ・2001年 阪急杯
| |ハシノケンシロウ 1987
| | ・1990年 福島記念
| | ・1991年 カブトヤマ記念
| | ・1993年 新潟大賞典
| |ヨシタイザン 1987
| |リターンエース 1988
| | ・1995年 京都大障害(春)
| | ・1995年 阪神障害S(春)
| | ・1995年 東京障害特別(春)
| |リンデンニシキ 1992
| | ・1996年 佐賀記念
| |コンメンダトーレ 1994
| ・1998年 佐賀記念
|*シャレー Chalet 1976
||カツミエコー 1983
|| ・ミホノブルボンの母。牝系残存
||セーヌボーイ 1984
| ・1987年 桐花賞
|*ノーリュート No Lute 1978
|| ・1981年 リュパン賞
||ブロードマインド 1988
|| ・1993年 中山大障害(秋)
|| ・1993年 東京障害特別(秋)
|| ・1994年 中山大障害(春)
|| ・1994年 東京障害特別(春)
||レインボーブルー 1988
|| ・トーホウエンペラーの母
||チアズファンシー 1989
|| ・1993年 中島記念
||ツジユートピアン 1990
|| ・1993年 きさらぎ賞
||ヤマヒサローレル 1990
|| ・1993年 4歳牝馬特別(西)
|| ・1993年 4歳牝馬特別(東)
||ヒカリルーファス 1992
| ・1996年 かしわ記念
|*ボアドグラース Bois de Grace 1979
| ・1982年 グレフュール賞
|Sagace 1980
| *アルカング Arcangues 1988
| | ・1993年 BCクラシック
| | ・1993年 イスパーン賞
| |アルアラン 1996
| ・2002年 オグリキャップ記念
| ・2002年 ブリーダーズゴールドカップ
|Saint Cyrien 1980
|| ・1982年 仏グランクリテリウム
||*ローラローラ Lola Lola 1985
|| ・サクラローレル、エピセアローム、カポーティスターの牝祖。牝系残存
||Epervier Bleu 1987
| ・1990年 リュパン賞
| ・1991年 サンクルー大賞
|*ヤワ Yawa 1980
| ・1983年 パリ大賞
| ・1984年 ローマ賞
|モリユウプリンス 1989
| ・1994年 みちのく大賞典
| ・1995年 みちのく大賞典
|パワークリント 1991
・1996年 (3着)阪神障害S(秋)
Djebel 1937
Clarion 1944
Klairon 1952
Luthier 1965
| ・1968年 リュパン賞
| ・1968年 ジャックルマロワ賞
|*ダンディルート Dandy Lute 1972
|| ・1975年 ジョンシェール賞
|| ・1975年 パレロワイヤル賞
||コーニストウショウ 1977
|| ・シスタートウショウ、ウオッカ、シーイズトウショウの牝祖
||トウショウゴッド 1977
||| ・1980年 弥生賞
||| ・1982年 ダービー卿チャレンジT
||| ・1983年 目黒記念(春)
|||ヌエボトウショウ 1987
|| ・1990年 サファイヤS
|| ・1991年 朝日チャレンジC
|| ・1992年 愛知杯
|| ・1992年 北九州記念
|| ・1993年 京都牝馬特別
||トウショウハイネス 1977
|| ・1986年 新春杯
||トウショウルチェー 1977
|||ジムクイン 1985
||| ・1990年 中山牝馬S
|||ナスノダンデー 1985
|||| ・1987年 青雲賞
|||| ・1988年 京浜盃
||||ナスノステージワン 1994
|||| ・1997年 北関東ダービー
||||クラノコウテイ 1995
|||ダイカツルーチェ 1986
||ポリートウショウ 1977
|| ・1980年 クイーンC
||エイティトウショウ 1978
|| ・1981年 ラジオたんぱ賞
|| ・1982年 中山記念
|| ・1982年 金杯(東)
|| ・1983年 中山記念
||コーラルシー 1978
|| ・1981年 (3着)東京優駿
||マーブルトウショウ 1978
|| ・1981年 (3着)桜花賞
|| ・スイープトウショウ、トウショウドラフタ、サマンサトウショウの牝祖
||トウショウペガサス 1979
||| ・1984年 ダービー卿チャレンジT
||| ・1985年 中山記念
|||トウショウフリート 1988
|||| ・1993年 パラダイスS
||||ジェーントウショウ 1996
||| ・シーイズトウショウの母
|||スエヒロジョウオー 1990
||| ・1992年 阪神3歳牝馬S
|||グルメフロンティア 1992
|| ・1998年 フェブラリーS
|| ・1998年 中山金杯
||アップセッター 1980
|| ・1983年 ニュージーランドT4歳S
|| ・1983年 新潟記念
||キクカリュウセイ 1981
|| ダンディテシオ 1989
|| ・1995年 ガーネットS
||ビゼンニシキ 1981
| | ・1984年 NHK杯
| | ・1984年 共同通信杯4歳S
| | ・1984年 スプリングS
| |ダイタクヘリオス 1987
| || ・1990年 クリスタルC
| || ・1991年 マイルチャンピオンシップ
| || ・1991年 高松宮杯
| || ・1991年 マイラーズC
| || ・1992年 マイルチャンピオンシップ
| || ・1992年 毎日王冠
| || ・1992年 マイラーズC
| ||ダイタクヤマト 1994
| | ・2000年 スプリンターズS
| | ・2000年 スワンS
| | ・2001年 阪急杯
| |ハシノケンシロウ 1987
| | ・1990年 福島記念
| | ・1991年 カブトヤマ記念
| | ・1993年 新潟大賞典
| |ヨシタイザン 1987
| |リターンエース 1988
| | ・1995年 京都大障害(春)
| | ・1995年 阪神障害S(春)
| | ・1995年 東京障害特別(春)
| |リンデンニシキ 1992
| | ・1996年 佐賀記念
| |コンメンダトーレ 1994
| ・1998年 佐賀記念
|*シャレー Chalet 1976
||カツミエコー 1983
|| ・ミホノブルボンの母。牝系残存
||セーヌボーイ 1984
| ・1987年 桐花賞
|*ノーリュート No Lute 1978
|| ・1981年 リュパン賞
||ブロードマインド 1988
|| ・1993年 中山大障害(秋)
|| ・1993年 東京障害特別(秋)
|| ・1994年 中山大障害(春)
|| ・1994年 東京障害特別(春)
||レインボーブルー 1988
|| ・トーホウエンペラーの母
||チアズファンシー 1989
|| ・1993年 中島記念
||ツジユートピアン 1990
|| ・1993年 きさらぎ賞
||ヤマヒサローレル 1990
|| ・1993年 4歳牝馬特別(西)
|| ・1993年 4歳牝馬特別(東)
||ヒカリルーファス 1992
| ・1996年 かしわ記念
|*ボアドグラース Bois de Grace 1979
| ・1982年 グレフュール賞
|Sagace 1980
| *アルカング Arcangues 1988
| | ・1993年 BCクラシック
| | ・1993年 イスパーン賞
| |アルアラン 1996
| ・2002年 オグリキャップ記念
| ・2002年 ブリーダーズゴールドカップ
|Saint Cyrien 1980
|| ・1982年 仏グランクリテリウム
||*ローラローラ Lola Lola 1985
|| ・サクラローレル、エピセアローム、カポーティスターの牝祖。牝系残存
||Epervier Bleu 1987
| ・1990年 リュパン賞
| ・1991年 サンクルー大賞
|*ヤワ Yawa 1980
| ・1983年 パリ大賞
| ・1984年 ローマ賞
|モリユウプリンス 1989
| ・1994年 みちのく大賞典
| ・1995年 みちのく大賞典
|パワークリント 1991
・1996年 (3着)阪神障害S(秋)
*ダンディルートはパレロワイヤル賞など仏GIIIを3勝した馬で、オーナーはトウショウの藤田正明氏とキョウエイの松岡正雄氏であった。特にトウショウ牧場で重用され、GI級の産駒は出せなかったがビゼンニシキやトウショウペガサスなど多数の重賞馬を送り出すことに成功した。繁殖馬の父としてはさらに優秀で、孫の世代にグルメフロンティアやダイタクヘリオスといったGI馬が出たほか、名繁殖牝馬を何頭も輩出した。
*ダンディルート産駒の中でも最良後継はシンボリルドルフの後塵を拝し続けたビゼンニシキで、マイルChS連覇のダイタクヘリオスや名障害馬リターンエースなど内国産種牡馬として優秀な成績を残した。さらにダイタクヘリオスはスプリンターズSのダイタクヤマトを出しており、3代に渡って父系を伸ばすことに成功したが、今では直系はすでに途絶えている。
トウショウペガサスも優秀で、種牡馬としてフェブラリーSのグルメフロンティア、阪神3歳牝馬Sのスエヒロジョウオーと2頭のGIを出すことに成功した。ほかにトウショウゴッドが牡馬に交じって重賞5勝の名牝ヌエボトウショウを、トウショウボーイの半弟トウショウルチェーが中山牝馬Sのジムクインを出すなど、トウショウ牧場の父系・母系に大いなる影響を与えている。
リュパン賞の勝ち馬*ノーリュートも成功種牡馬の1頭で、種牡馬として中山大障害2回の名障害馬ブロードマインド、東西の4歳牝馬特別を勝ったヤマヒサローレルなど複数の重賞馬を送り出し、リーディングトップ10にもランクインした。また*シャレーは*ダンディルートの成功を受けて連れてこられた馬で、競走馬としても種牡馬としても平凡だったが、母父として名馬ミホノブルボンを出したことで歴史に名を刻むことに成功した。
Organa at 22:24|コメント(4)|サイアーラインで辿る日本競馬
この記事へのコメント
1. Posted by 浅瀬川 2020年07月03日 00:29
ダイタクヤマトはいい馬でしたね。
2000年の秋の短距離は主役張ってました。
5代血統表にテスコボーイ・プリメロ・ダイオライト……
当時としても無茶苦茶古さを感じましたが、
Danzig・Nureyev・Seeking the Gold産駒に逃げ切った
スプリンターズステークスは面白かったです。
2000年の秋の短距離は主役張ってました。
5代血統表にテスコボーイ・プリメロ・ダイオライト……
当時としても無茶苦茶古さを感じましたが、
Danzig・Nureyev・Seeking the Gold産駒に逃げ切った
スプリンターズステークスは面白かったです。
2. Posted by Organa 2020年07月03日 22:50
ダイタクヤマトは3歳時のクリスタルCを出走取消になっていなければもっと早く出世して種牡馬としてもチャンスが増えていたのではないかと思っています。
3. Posted by 狂犬芭蕉 2020年07月11日 07:58
ビゼンニシキの晩年のエピソードに感動しました。
高齢のためシンジケートが解散される事となりましたが、鹿児島の生産者グループからの三顧の礼に応える形で譲渡され、現地では大歓迎で迎えられたそうです。残念な事に数年で亡くなりましたが、最後まで温かく扱われたと聞きました。
高齢のためシンジケートが解散される事となりましたが、鹿児島の生産者グループからの三顧の礼に応える形で譲渡され、現地では大歓迎で迎えられたそうです。残念な事に数年で亡くなりましたが、最後まで温かく扱われたと聞きました。
4. Posted by Organa 2020年07月11日 08:53
晩年もかなりの数の牝馬を集めていたようですね。