2020年07月18日
シアンモア系 - サイアーラインで辿る日本競馬
続いてはシアンモア系。*シアンモアを導入したのは小岩井農場で、奇しくもライバルの下総御料牧場が導入した*トウルヌソルとは同期デビューであり、初年度産駒が3歳になった1932年にはダービー(初代勝ち馬は*トウルヌソル産駒のワカタカで、2着は*シアンモア産駒のオオツカヤマ)が創設されるなど戦前・戦中の日本競馬を象徴する種牡馬の1頭と言えるでしょう。*トウルヌソルの前にリーディングサイアーには一度しか輝くことができませんでしたが、母系に入ってウオッカやスペシャルウィークを送り出すなど今なおその影響力は大きいと言えるでしょう。
<シアンモア系父系図>
*シアンモアはモールコムSの勝ち馬で、英ダービーは3着だった。種牡馬として初年度から複数の帝室御賞典勝ち馬を送り出すと、2年目以降カブトヤマ、フレーモア、ガヴァナーと3年連続でダービー馬を輩出し、1934年にはリーディングサイアーにも輝いた。しかし翌年には*トウルヌソルにリーディングの座を明け渡すと、同馬が6年連続リーディングに輝く裏で5度同馬の2位に甘んじている。
代表産駒であるカブトヤマは種牡馬として第14代目ダービー馬マツミドリを出しており、史上初のダービー親子制覇を達成した。重賞勝ち馬はこのマツミドリただ1頭だけだったが、その偉業をたたえ父内国産限定重賞であるカブトヤマ記念にその名を残した。なおマツミドリも種牡馬として皐月賞3着のダイイチヒガシヤマを出したが、同馬はダービーに出走するも16着に終わった。
大鵬はタイホウの名で走って帝室御賞典(横浜)などを制しており、種牡馬として南関東の名馬トシハヤなどを出した。さらにトシハヤは種牡馬としてオークス馬オーカンを出すことに成功、南関の名馬ダイサンコトブキも種牡馬入りして父系を3代目まで伸ばすことに成功したが、その先が繋がらなかった。オーカンは皐月賞馬リュウズキの母となったが、牝系は途絶えてしまったようだ。
Amphion 1886
Sundridge 1898
Sunstar 1908
Buchan 1916
*シアンモア Shian Mor 1924
| ・1926年 モールコムS
|オオツカヤマ 1929 種牡馬名:第六シアンモア
|| ・1932年 中山秋季五歳馬特別
||バイエル 1938
| ・1942年 中山大障害(秋)
|スターリングモア 1929
| ・1933年 農林省賞典競走(阪神)
| ・1934年 帝室御賞典(札幌)
| ・カツラノハイセイコ、スズカコバン、シャイニングレイの牝祖。牝系残存
|タイホウ 1929 種牡馬名:大鵬
|| ・1934年 帝室御賞典(横浜)
|| ・1934年 目黒記念(春)
||サチホマレ 1948
|| ・1951年 チャレンジC
|| ・1951年 京都記念(秋)
|| ・1952年 京都記念(春)
||トシハヤ 1948
||| ・1952年 ワード賞
||| ・1953年 ワード賞
|||オーカン 1956
||| ・1959年 優駿牝馬
|||タイカン 1957
||| ・1961年 日本経済新春杯
|||ダイサンコトブキ 1957
|| ・1961年 ダイオライト記念
|| ・1962年 東京大賞典
||ノーベル 1949
| ・1952年 チャレンジC
|チャレンジャー 1929 種牡馬名:第参シアンモア
| ・1934年 帝室御賞典(横浜)
|ハクセツ 1929
| ・1932年 農林省賞典競走(阪神)
| ・1933年 帝室御賞典(横浜)
| ・1933年 横浜記念
| ・1933年 五歳特別(東京)
| ・1933年 目黒記念(秋)
| ・1934年 中山四千米
|ヨネカツ 1929 種牡馬名:第弐シアンモア
|ワコー 1929 種牡馬名:第七シアンモア
|エーシャンモア 1930 種牡馬名:第拾シアンモア
| ユキヒサ 1938
|エーモア 1930
|エツフォード 1930
| ・1933年 阪神四歳牝馬
| ・1934年 帝室御賞典(阪神)
| ・1934年 牝馬連合競走
| ・ネーハイシーザー、ツルマルボーイ、ランスオブプラーナの牝祖。牝系残存
|カブトヤマ 1930
|| ・1933年 東京優駿
|| ・1933年 農林省賞典競走(阪神)
|| ・1934年 帝室御賞典(福島)
|| ・1934年 目黒記念(秋)
|| ・1934年 五歳特別(東京)
|| ・1934年 中山秋季五歳馬特別
||ブーム 1937
|| ・1940年 (3着)東京優駿
||マツミドリ 1944
||| ・1947年 東京優駿
||| ・1947年 農林大臣賞
||| ・1948年 京都記念(春)
|||ダイイチヒガシヤマ 1952 サラ系
|| ・1955年 (3着)皐月賞
||サンダーライト 1945
||マツカブト 1945
||キミノハナ 1950
| ・オヤマテスコ、マイネルホウオウ、オースミポイントの牝祖。牝系残存
|スターカップ 1930
| ・1934年 帝室御賞典(小倉)
| ・1934年 農林省賞典競走(阪神)
| ・ウオッカ、スペシャルウィーク、コダマの牝祖。牝系残存
|デンコウ 1931 種牡馬名:第拾四シアンモア
|| ・1934年 帝室御賞典(阪神)
|| ・1934年 農林省賞典競走(東京)
|| ・1934年 呼馬(四歳馬)競走
|| ・1935年 目黒記念(春)
|| ・1935年 中山四千米
||サツマゴロー 1941
|フレーモア 1931 種牡馬名:ブラオンジャック
|| ・1934年 帝室御賞典(東京)
|| ・1934年 東京優駿
|| ・1934年 中山四歳馬特別
||ホウカツピータ 1937 軽半
|| ・1942年 中山大障害(春)
||ファッションジャック 1943
|| ・内国産の十文字種牡馬
||カミカゼ 1945
| ・1949年 中山大障害(春)
|アカイシダケ 1932
| ・1935年 帝室御賞典(横浜)
| ・1935年 農林省賞典競走(東京)
| ・1935年 目黒記念(秋)
| ・1936年 中山四千米
|ガヴァナー 1932
| ・1935年 東京優駿
|プレジュア 1932
| ・1935年 帝室御賞典(福島)
| ・1935年 四歳馬特別(東京)
|キンテキ 1933
| ・1937年 中山大障害(秋)
|マリーユートピア 1933
| ・1936年 牝馬特別(横浜)
|ゼネラル 1934 種牡馬名:第弐拾九シアンモア
| ・1937年 帝室御賞典(阪神)
| ・1937年 農林省賞典競走(阪神)
|ガイカ 1934
| ・1938年 阪神記念
|ファインモア 1934
|| ・1939年 中山記念(春)
|| ・1938年 五歳特別(東京)
||シンタカラ 1949
| ・1951年 全日本3歳優駿
|フェアモア 1934
| ・1937年 中山四歳馬特別
| ・1938年 目黒記念(秋)
| ・1938年 四・五歳牝馬特別(横浜)
|アステリモア 1935
| ・1938年 優駿牝馬
|ウォアグロウリ 1935
| ・1939年 阪神記念
|シャインモア 1935
| ・1939年 中山大障害(秋)
|ダッシング 1935
||ニューライト 1945
|| ・ロジータ、カネツフルーヴ、レギュラーメンバーの牝祖。牝系残存
||ミサワホープ 1947
||| ・1951年 中山記念(秋)
||| ・1951年 五歳特別(東京)
|||ゴールデンベビー 1959
|| ・アルファキュート、アルファレックス、アルファローズの牝祖。牝系残存
||ダッシングラス 1950
| ・ホウヨウボーイ、ジョージビューティ、ビューティテイストの牝祖。牝系残存
|テイト 1935
| ・1939年 中山記念(秋)
| ・1939年 五歳特別(東京)
|アマギサン 1936
| ・1939年 (5着)菊花賞
|ロッキーモアー 1936
| ・1940年 帝室御賞典(秋)
| ・1940年 農林大臣賞
|ミナミモア 1938
| ・1942年 帝室御賞典(春)
|ライオンカップ 1938
| ・1942年 中山記念(春)
| ・1942年 横浜記念
|アルバイト/クリヒカリ 1939
| ・1942年 皐月賞
| ・1943年 帝室御賞典(秋)
| ・1943年 横浜記念
|シマハヤ 1939
| ・1943年 中山記念(秋)
|ハヤチネ 1939
| ・1943年 (2着)帝室御賞典(秋)
|フジミヤ 1940
|マツメイ 1941
|ヤマイワイ 1941 繁殖名:第四ステップシスター
| ・1944年 桜花賞
|フクレイ 1944
| ・1948年 中山大障害(春)
|サチトミ 1944
| ・1949年 中山記念(春)
|ミッション 1944
| ・1947年 (3着)皐月賞
|スタープッシャー 1945
| ・1950年 中山特別
|タビト 1945
| ・1949年 目黒記念(秋)
|カイシュン 1946
|チヨカゼ 1946
|トーアノフジ 1946
| ・1951年 (3着)鳴尾記念
|トキノハナ 1947
| ・1951年 (2着)天皇賞(秋)
|イチロウ 1961
・1965年 中日盃
・1965年 MRO金賞
Sundridge 1898
Sunstar 1908
Buchan 1916
*シアンモア Shian Mor 1924
| ・1926年 モールコムS
|オオツカヤマ 1929 種牡馬名:第六シアンモア
|| ・1932年 中山秋季五歳馬特別
||バイエル 1938
| ・1942年 中山大障害(秋)
|スターリングモア 1929
| ・1933年 農林省賞典競走(阪神)
| ・1934年 帝室御賞典(札幌)
| ・カツラノハイセイコ、スズカコバン、シャイニングレイの牝祖。牝系残存
|タイホウ 1929 種牡馬名:大鵬
|| ・1934年 帝室御賞典(横浜)
|| ・1934年 目黒記念(春)
||サチホマレ 1948
|| ・1951年 チャレンジC
|| ・1951年 京都記念(秋)
|| ・1952年 京都記念(春)
||トシハヤ 1948
||| ・1952年 ワード賞
||| ・1953年 ワード賞
|||オーカン 1956
||| ・1959年 優駿牝馬
|||タイカン 1957
||| ・1961年 日本経済新春杯
|||ダイサンコトブキ 1957
|| ・1961年 ダイオライト記念
|| ・1962年 東京大賞典
||ノーベル 1949
| ・1952年 チャレンジC
|チャレンジャー 1929 種牡馬名:第参シアンモア
| ・1934年 帝室御賞典(横浜)
|ハクセツ 1929
| ・1932年 農林省賞典競走(阪神)
| ・1933年 帝室御賞典(横浜)
| ・1933年 横浜記念
| ・1933年 五歳特別(東京)
| ・1933年 目黒記念(秋)
| ・1934年 中山四千米
|ヨネカツ 1929 種牡馬名:第弐シアンモア
|ワコー 1929 種牡馬名:第七シアンモア
|エーシャンモア 1930 種牡馬名:第拾シアンモア
| ユキヒサ 1938
|エーモア 1930
|エツフォード 1930
| ・1933年 阪神四歳牝馬
| ・1934年 帝室御賞典(阪神)
| ・1934年 牝馬連合競走
| ・ネーハイシーザー、ツルマルボーイ、ランスオブプラーナの牝祖。牝系残存
|カブトヤマ 1930
|| ・1933年 東京優駿
|| ・1933年 農林省賞典競走(阪神)
|| ・1934年 帝室御賞典(福島)
|| ・1934年 目黒記念(秋)
|| ・1934年 五歳特別(東京)
|| ・1934年 中山秋季五歳馬特別
||ブーム 1937
|| ・1940年 (3着)東京優駿
||マツミドリ 1944
||| ・1947年 東京優駿
||| ・1947年 農林大臣賞
||| ・1948年 京都記念(春)
|||ダイイチヒガシヤマ 1952 サラ系
|| ・1955年 (3着)皐月賞
||サンダーライト 1945
||マツカブト 1945
||キミノハナ 1950
| ・オヤマテスコ、マイネルホウオウ、オースミポイントの牝祖。牝系残存
|スターカップ 1930
| ・1934年 帝室御賞典(小倉)
| ・1934年 農林省賞典競走(阪神)
| ・ウオッカ、スペシャルウィーク、コダマの牝祖。牝系残存
|デンコウ 1931 種牡馬名:第拾四シアンモア
|| ・1934年 帝室御賞典(阪神)
|| ・1934年 農林省賞典競走(東京)
|| ・1934年 呼馬(四歳馬)競走
|| ・1935年 目黒記念(春)
|| ・1935年 中山四千米
||サツマゴロー 1941
|フレーモア 1931 種牡馬名:ブラオンジャック
|| ・1934年 帝室御賞典(東京)
|| ・1934年 東京優駿
|| ・1934年 中山四歳馬特別
||ホウカツピータ 1937 軽半
|| ・1942年 中山大障害(春)
||ファッションジャック 1943
|| ・内国産の十文字種牡馬
||カミカゼ 1945
| ・1949年 中山大障害(春)
|アカイシダケ 1932
| ・1935年 帝室御賞典(横浜)
| ・1935年 農林省賞典競走(東京)
| ・1935年 目黒記念(秋)
| ・1936年 中山四千米
|ガヴァナー 1932
| ・1935年 東京優駿
|プレジュア 1932
| ・1935年 帝室御賞典(福島)
| ・1935年 四歳馬特別(東京)
|キンテキ 1933
| ・1937年 中山大障害(秋)
|マリーユートピア 1933
| ・1936年 牝馬特別(横浜)
|ゼネラル 1934 種牡馬名:第弐拾九シアンモア
| ・1937年 帝室御賞典(阪神)
| ・1937年 農林省賞典競走(阪神)
|ガイカ 1934
| ・1938年 阪神記念
|ファインモア 1934
|| ・1939年 中山記念(春)
|| ・1938年 五歳特別(東京)
||シンタカラ 1949
| ・1951年 全日本3歳優駿
|フェアモア 1934
| ・1937年 中山四歳馬特別
| ・1938年 目黒記念(秋)
| ・1938年 四・五歳牝馬特別(横浜)
|アステリモア 1935
| ・1938年 優駿牝馬
|ウォアグロウリ 1935
| ・1939年 阪神記念
|シャインモア 1935
| ・1939年 中山大障害(秋)
|ダッシング 1935
||ニューライト 1945
|| ・ロジータ、カネツフルーヴ、レギュラーメンバーの牝祖。牝系残存
||ミサワホープ 1947
||| ・1951年 中山記念(秋)
||| ・1951年 五歳特別(東京)
|||ゴールデンベビー 1959
|| ・アルファキュート、アルファレックス、アルファローズの牝祖。牝系残存
||ダッシングラス 1950
| ・ホウヨウボーイ、ジョージビューティ、ビューティテイストの牝祖。牝系残存
|テイト 1935
| ・1939年 中山記念(秋)
| ・1939年 五歳特別(東京)
|アマギサン 1936
| ・1939年 (5着)菊花賞
|ロッキーモアー 1936
| ・1940年 帝室御賞典(秋)
| ・1940年 農林大臣賞
|ミナミモア 1938
| ・1942年 帝室御賞典(春)
|ライオンカップ 1938
| ・1942年 中山記念(春)
| ・1942年 横浜記念
|アルバイト/クリヒカリ 1939
| ・1942年 皐月賞
| ・1943年 帝室御賞典(秋)
| ・1943年 横浜記念
|シマハヤ 1939
| ・1943年 中山記念(秋)
|ハヤチネ 1939
| ・1943年 (2着)帝室御賞典(秋)
|フジミヤ 1940
|マツメイ 1941
|ヤマイワイ 1941 繁殖名:第四ステップシスター
| ・1944年 桜花賞
|フクレイ 1944
| ・1948年 中山大障害(春)
|サチトミ 1944
| ・1949年 中山記念(春)
|ミッション 1944
| ・1947年 (3着)皐月賞
|スタープッシャー 1945
| ・1950年 中山特別
|タビト 1945
| ・1949年 目黒記念(秋)
|カイシュン 1946
|チヨカゼ 1946
|トーアノフジ 1946
| ・1951年 (3着)鳴尾記念
|トキノハナ 1947
| ・1951年 (2着)天皇賞(秋)
|イチロウ 1961
・1965年 中日盃
・1965年 MRO金賞
*シアンモアはモールコムSの勝ち馬で、英ダービーは3着だった。種牡馬として初年度から複数の帝室御賞典勝ち馬を送り出すと、2年目以降カブトヤマ、フレーモア、ガヴァナーと3年連続でダービー馬を輩出し、1934年にはリーディングサイアーにも輝いた。しかし翌年には*トウルヌソルにリーディングの座を明け渡すと、同馬が6年連続リーディングに輝く裏で5度同馬の2位に甘んじている。
代表産駒であるカブトヤマは種牡馬として第14代目ダービー馬マツミドリを出しており、史上初のダービー親子制覇を達成した。重賞勝ち馬はこのマツミドリただ1頭だけだったが、その偉業をたたえ父内国産限定重賞であるカブトヤマ記念にその名を残した。なおマツミドリも種牡馬として皐月賞3着のダイイチヒガシヤマを出したが、同馬はダービーに出走するも16着に終わった。
大鵬はタイホウの名で走って帝室御賞典(横浜)などを制しており、種牡馬として南関東の名馬トシハヤなどを出した。さらにトシハヤは種牡馬としてオークス馬オーカンを出すことに成功、南関の名馬ダイサンコトブキも種牡馬入りして父系を3代目まで伸ばすことに成功したが、その先が繋がらなかった。オーカンは皐月賞馬リュウズキの母となったが、牝系は途絶えてしまったようだ。
Organa at 21:28|コメント(2)|サイアーラインで辿る日本競馬
この記事へのコメント
1. Posted by こすも 2020年07月19日 07:26
Scepter≒Ormeが美しい…良くこんな馬が日本に。
2. Posted by Organa 2020年07月19日 22:26
トウルヌソルと言いプリメロと言い、この時期は本当に優秀な種牡馬の導入に尽力していましたね。そのおかげで今の日本競馬があるといっても過言ではないでしょう。