父系馬鹿:週刊種牡馬ニュース　7/13 - 7/19

2020年07月19日

週刊種牡馬ニュース　7/13 - 7/19

コロナで中止となった花火大会の代わりとばかりに各地で大花火が打ちあがりました。土日の3重賞すべてで二桁人気の馬が勝利するというのは非常に珍しいのではないでしょうか。特に中京記念のメイケイダイハードは18頭立ての最低人気での勝利で、ここのところ重賞どころかオープン特別ですら5戦連続で二桁着順ではさすがにこの人気も致し方なしというところでしょう。また2歳世代初の重賞となった函館2歳Sは10番人気のマツリダゴッホ産駒リンゴアメ。良くも悪くも新種牡馬の産駒が話題になる中、全くのノーマークだったと言えるでしょうか。

新種牡馬リーディング争いも熾烈になってきました。入着数の違いでドゥラメンテが首位、2位にモーリスが付けていますが、珍名馬ピンクカメハメハなど産駒が一気に3勝をあげたリオンディーズが単独トップの通算4勝をあげており、2強の中に割って入ろうというところですね。*マクフィ産駒のルーチェドーロも函館2歳Sで2着に入りましたし、まさに戦国時代といったところです。

【7/13(月)～7/14(火)】

特になし。

【7/15(水)】

◎スパーキングレディーC(GIII)　(川崎 3歳上牝 D1600)
　1. ファッショニスタ (牝6)　by *ストリートセンス(USA)　1:40.9
　2. *メイクハッピー(USA) (牝4)　by Square Eddie (USA)　3/4
　3. サルサディオーネ (牝6)　by ゴールドアリュール　クビ
単勝1倍台の圧倒的支持を受けたファッショニスタが2番手追走からゴール前抜け出し、昨年に続く連覇を達成した。コーナーを回ったところではかなり手ごたえが怪しかったが、最後の最後で重賞馬らしい伸びを見せた。2着*メイクハッピーは2歳時の全日本2歳優駿以来となる交流重賞だったが、そつなく2着を確保。今後も交流重賞でそれなりの走りを見せてくれることだろう。3着には昨年の2着馬サルサディオーネが入り、1番人気・2番人気・3番人気による堅い決着となった。

○星雲賞(重賞)　(門別 3歳上 D1600)
　1. クインズプルート (牡7)　by ゴールドアリュール　1:40.1
単勝1倍台の圧倒的支持を受けたクインズプルートが逃げて4馬身差の圧勝で重賞初勝利をあげた。前走はリンノレジェンドの厳しいマークにあって惨敗したが、メンバーに恵まれたここでは完全に力が違った。昨年の勝ち馬スーパーステションはここにも登録なし。前走から10か月が経とうとしているが、今何をしているのだろうか。

【7/16(木)】

○ノースクイーンC(重賞)　(門別 3歳上牝 D1800)
　1. クオリティスタート (牝6)　by ダノンシャンティ　1:57.1
じわじわと押し上げた2番人気クオリティスタートがクビの上げ下げを何とかハナ差制し、前走ヒダカソウCに続く重賞連勝を果たした。通算では重賞3勝目。2着には佐賀のアンバラージュが入り、人気を分け合ったエンプレス杯2着馬ナムラメルシーは直線向いて失速し9着に終わった。

○中原オープン(OP)　(川崎 3歳上 D2000)
　1. リンゾウチャネル (牡4)　by *モンテロッソ(GB)　2:10.2
2番人気リンゾウチャネルが2馬身抜け出し、昨年の楠賞以来となる勝利をあげた。昨年は道営で無敵の強さを誇り、今年に入って船橋に移籍したが、なかなかオープンクラスでも勝ち星をあげられず、移籍後5戦目にしてようやく初勝利となった。ここから昨年の強さを取り戻すことができるだろうか。

【7/17(金)】

特になし。

【7/18(土)】

◎函館2歳S(GIII)　(函館 2歳 T1200)
　1. リンゴアメ (牝2)　by マツリダゴッホ　1:09.8
　2. ルーチェドーロ (牡2)　by *マクフィ(GB)　クビ
　3. ラヴケリー (牝2)　by カレンブラックヒル　1:09.9
10番人気のリンゴアメが直線向いてしぶとく伸び、2歳世代のJRA重賞勝ち一番乗りを果たした。マツリダゴッホ産駒の重賞勝ちは2018年のスワンS(ロードクエスト)以来で、世代で言うと5世代ぶりの重賞制覇と言うことになる。血統の地味さから人気の盲点になっていたが、デビュー戦はなかなかの勝ちっぷりで、今後が非常に楽しみ。2着に*マクフィ産駒のルーチェドーロで、この時点では芝での連対は初めてとなる(翌日勝利)。1番人気に支持された Frankel 産駒のモンファボリは直線向いて失速し、13着に終わった。

○ジュライS(L)　(阪神 3歳上 D1800)
　1. ウインユニファイド (牡8)　by *キンシャサノキセキ(AUS)　1:50.7
9番人気ウインユニファイドが2番手追走から直線向いて抜け出し、オープン特別初勝利をあげた。51戦目となる前々走の3勝クラスを勝って8歳にしてようやくオープン入りを果たしたが、そこからたった2戦でのオープン勝ちで、8歳とはいえ今が一番充実していそう。1番人気クリンチャーは直線向いて猛然と追い上げるもクビ差の2着まで。

○2歳新馬戦　(函館 2歳 D1000)
　1. アルナージ (牝2)　by *ダノンレジェンド(USA)　0:59.9
3番人気アルナージが好スタートから2馬身差で逃げ切り、新種牡馬*ダノンレジェンド産駒としてJRA初勝利をあげた。少なくともこの10年以内で2歳デビュー戦の良馬場ダート1000mで59秒台が出たことはなく、今後がかなり期待できそうだ。なお2着にも*ダノンレジェンド産駒のミカンサンが入り、ワンツーフィニッシュを決めている。

【7/19(日)】

◎函館記念(GIII)　(函館 3歳上 T2000)
　1. アドマイヤジャスタ (牡4)　by ジャスタウェイ　1:59.7
　2. ドゥオーモ (牡7)　by ディープインパクト　1　1/2
　3. バイオスパーク (牡5)　by オルフェーヴル　クビ
16頭立ての15番人気アドマイヤジャスタが突き抜け、重賞初勝利をあげた。もともとホープフルSで2着に入りダービーでも4番人気に支持された素質馬だったが、ダービーでのシンガリ負けをきっかけに6戦連続二桁着順。前走は6着で久々に一桁着順だったとはいえ、さすがにもう終わった馬というイメージが強かっただけにこの勝利は驚くばかり。2着にも13番人気のドゥオーモが入り、3連単は300万円超えの大波乱となった。1番人気に支持されたカウディーリョは7着。洋芝2戦2勝だったが重賞実績はなく、こんなものか。

◎中京記念(GIII)　(阪神 3歳上 T1600)
　1. メイケイダイハード (牡5)　by *ハードスパン(USA)　1:32.7
　2. ラセット (牡5)　by *モンテロッソ(GB)　クビ
　3. エントシャイデン (牡5)　by ディープインパクト　クビ
15番人気馬の勝利の余韻冷めやらぬ中、単勝163倍・18頭立ての18番人気メイケイダイハードが豪快に差し切り、重賞初勝利をあげた。*ハードスパン産駒としてもJRA重賞初勝利。ここまで芝のマイルは3戦してすべて二桁着順、さらに前走はダート替わりで期待するも11着と買う要素がなかなか見当たらず、オーナーが(株)名古屋競馬で「中京記念」の名に馬が奮発したとしか思えない。2着・3着に6番人気、9番人気が入り、こちらも3連単が300万を超えた。1番人気に支持されたNHKマイルC3着馬ギルデッドミラー6着に敗れた。

○福島テレビオープン(OP)　(福島 3歳上 T1200)
　1. トゥラヴェスーラ (牡5)　by ドリームジャーニー　1:08.5
2番人気トゥラヴェスーラが早め先頭から押し切り、オープン特別初勝利をあげた。昨年はほぼ1年棒に振ったが、今年に入ってから4着、4着、2着と調子を上げてきており、今後は重賞でも期待したい。1番人気に支持されたレジェーロは逃げるも勝ち馬にマークされる厳しい展開で、9着に敗れている。

○トレノ賞(重賞)　(高知 3歳上 D1300)
　1. ダノングッド (牡8)　by Elusive Quality (USA)　1:21.8
単勝1倍台の圧倒的支持を受けたダノングッドが後続に5馬身の差をつける圧勝で重賞初勝利をあげた。ダノングッドは元JRAオープン勝ち馬で、大井を経て高知に移籍しており、これで高知では2戦2勝となった。8歳馬とはいえ、サクラレグナムが出た高知だけにここから高知最強馬に上り詰める可能性は十分ある。

○岩鷲賞(重賞)　(盛岡 3歳上 D1200)
　1. プレシャスエース (牡7)　by マツリダゴッホ　1:10.3
1番人気プレシャスエースが1馬身半差で逃げ切り、栗駒賞に続く重賞連勝となった。プレシャスエースは元JRA3勝クラスで、2走前より岩手に転厩しており、これで3戦2勝となった。2着には岩手2戦2勝の2番人気コンサートドーレが入っている。

○吉野ヶ里記念(重賞)　(佐賀 3歳上 D1400)
　1. ミスカゴシマ (牝3)　by トーセンブライト　1:26.9
3番人気ミスカゴシマが3馬身差の圧勝で重賞6勝目をあげた。九州ダービーで3着に敗れた後はA1戦で7着と大敗していたが、52キロと斤量に恵まれた今回はいつものミスカゴシマらしいレースを見せた。佐賀で11戦無敗、単勝1.1倍の圧倒的支持を受けたドラゴンゲートはあっさり先頭に立ったところで脚が止まり、3着に敗れた。

○2歳新馬戦　(函館 2歳 T1800)
　1. ピンクカメハメハ (牡2)　by リオンディーズ　1:51.0
3番人気ピンクカメハメハが4馬身差の圧勝でリオンディーズは新種牡馬として単独トップとなる4勝目をあげた。ピンクカメハメハの半姉は名牝スイープトウショウで、母タバサトウショウ25歳の時の産駒となり、種付け時4歳の父リオンディーズとの年齢差は何と20歳となる。

Organa at 21:54｜コメント(7)｜週刊種牡馬ニュース

この記事へのコメント

1. Posted by よし 2020年07月19日 22:20

スイープトウショウがピンクカメハメハの半兄と書かれてます。

2. Posted by Organa 2020年07月19日 22:24

記事を訂正しました。ご指摘ありがとうございます。

3. Posted by TRATS 2020年07月19日 22:33

タイトルの中京記念の勝ち馬がメイケイペガスターになってますね。

ダノンレジェンドがダート短距離でいいスタートを切っていてまずは期待通りといったところでしょうか。
このまま活躍馬を出してヒムヤー系を日本に根付かせて欲しいものです。

4. Posted by ゴットマスタング 2020年07月19日 22:37

①中京記念のメイケイダイハードがメイケイペガスターになっていました。

②福島テレビOPのレジェーロがレジェー「ろ」になっていました。

メイケイダイハードの勝因は外枠有利＋前崩れの展開が大きかったでしょうか…。

5. Posted by イエス 2020年07月20日 00:50

アジアンエクスプレスも産駒が今週も勝利で3勝目じゃないですか？新種牡馬はモーリス以外は順調❓ここ2週間程キズナ産駒が不調ですね、未勝利をなかなか勝ち上がれないし

6. Posted by Organa 2020年07月20日 22:17

中央の新種牡馬リーディングでは1位ドゥラメンテからモーリス、リオンディーズときて4位マクフィまでたった300万円の差しかありませんから、かなりの接戦だと言えそうです。

このうちドゥラメンテ、リオンディーズ、マクフィは地方ダートでも計算できそうなので、この調子だとモーリスはかなり不利かもしれません。

7. Posted by 血統大好き 2020年07月21日 00:06

新馬戦で人気になって負けたモーリス産駒が２戦目で巻き返せるかどうかにかかってますね。それが初ダートで適性があればまた流れが変わってくるんでしょうね

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