2023年04月01日
クワイトファイン/サクラアンプルール - 新種牡馬辞典'23
今回は2020年に種牡馬として種付けを行いながらも産駒を残すことができなかった2頭の種牡馬を紹介します。ということで新種牡馬辞典、第三十八弾はクワイトファインとサクラアンプルール。クワイトファインは父が三冠馬シンボリルドルフ産駒の殿堂馬トウカイテイオー、母がミスターシービー、シンザンと2頭の三冠馬の血を持つオーロラテルコという内国産血統の極みともいうべき馬で、パーソロン系の貴重な後継者という意味も含めクラウドファンディングにて種牡馬入りが実現しましたが、残念ながら初年度は産駒を残すことはできませんでした。ただ現1歳馬が2頭いるようで、早ければ来年デビューすることになりそうです。一方のサクラアンプルールはキングカメハメハ産駒の札幌記念勝ち馬。こちらは初年度の種付けが不受胎に終わったまま用途変更となったので、種牡馬デビューは叶わぬ夢となりました。
クワイトファイン
前川義則産 2010年生 鹿毛 父系:パーソロン系
<血統構成> Princely Gift 5×5
父トウカイテイオーは「皇帝」シンボリルドルフの最高傑作で、春二冠にジャパンC、そして何より1年ぶりの有馬記念を制すなど90年代の競馬を盛り上げた1頭で、顕彰馬にも選ばれた。種牡馬としても一定の結果を残したが、後継種牡馬には恵まれず、このクワイトファインが現在のところ唯一の後継種牡馬となっている。母オーロラテルコは不出走馬だが、その父がミスターシービー、母父がシンザンと代々三冠馬が掛け合わせられた配合となっており、シンボリルドルフを父に持つカワイミチコは三冠馬が代々種付けされた繁殖牝馬として話題になった。
競走馬としては2歳時から20戦をこなすハードなローテーションで、8年間のキャリアで142戦を走りぬいたが、通算で6勝で、勝った最高賞金額レースは80万円と競走馬としては最下層の存在であった。しかしトウカイテイオーおよびその父シンボリルドルフのメールラインを継承すべくクラウドファンディングにより種牡馬入りが実現し、初年度は2頭の牝馬に種付けを行い1頭の牝駒が生まれたが、残念ながら血統登録される前に死亡してしまった。しかしクラウドファンディングは継続されており、2年目は3頭、3年目は4頭の牝馬に種付け。しかも2年目の産駒は2頭血統登録されており、早ければ来年にはその雄姿が競馬場で見られそうだ。
サクラアンプルール
谷岡スタット産 2011年生 栗毛 父系:キングカメハメハ系
<血統構成> Northern Dancer 5×5×4
父はキングカメハメハ。母サクラメガは不出走馬だったが、母としてほかに金鯱賞や鳴尾記念など重賞4勝をあげたサクラメガワンダーを出すことに成功した。さらに母の半兄は天皇賞(秋)を制したサクラチトセオー、半姉はエリザベス女王杯を制したサクラキャンドルというサクラの名門一族で、母系を遡るとサクラの基礎牝馬*クレアーブリッジにたどり着くきわめて筋の通った血統だということができるだろう。
競走馬としては未勝利戦を勝てず、いったん門別に移籍して勝ち上がってJRAへの再転入を果たした経緯があるが、芝の中距離を使われ出して素質が開花し、札幌記念を制すなど重賞戦線で活躍した。引退後はレックススタッドにて種牡馬入りし、生まれ故郷の谷岡スタットの牝馬2頭に種付けを行ったが、残念ながら2頭とも不受胎に終わった。その後は1頭の牝馬にも種付けされることはなく、2022年6月に用途変更になった。したがってサクラアンプルール産駒はついに見られずじまいということになるが、種付け牝馬の1頭サクラエミリーはもう1頭の基礎牝馬*スワンズウッドグローヴの末裔ということで、これが実現しなかったのは残念だ。
前川義則産 2010年生 鹿毛 父系:パーソロン系
<血統構成> Princely Gift 5×5
トウカイテイオー 鹿毛 1988 | シンボリルドルフ | *パーソロン |
スイートルナ | ||
トウカイナチユラル | *ナイスダンサー | |
トウカイミドリ | ||
オーロラテルコ 鹿毛 1998 | ミスターシービー | トウシヨウボーイ |
シービークイン | ||
オーロラシロー | シンザン | |
ヤノセイラン |
父トウカイテイオーは「皇帝」シンボリルドルフの最高傑作で、春二冠にジャパンC、そして何より1年ぶりの有馬記念を制すなど90年代の競馬を盛り上げた1頭で、顕彰馬にも選ばれた。種牡馬としても一定の結果を残したが、後継種牡馬には恵まれず、このクワイトファインが現在のところ唯一の後継種牡馬となっている。母オーロラテルコは不出走馬だが、その父がミスターシービー、母父がシンザンと代々三冠馬が掛け合わせられた配合となっており、シンボリルドルフを父に持つカワイミチコは三冠馬が代々種付けされた繁殖牝馬として話題になった。
競走馬としては2歳時から20戦をこなすハードなローテーションで、8年間のキャリアで142戦を走りぬいたが、通算で6勝で、勝った最高賞金額レースは80万円と競走馬としては最下層の存在であった。しかしトウカイテイオーおよびその父シンボリルドルフのメールラインを継承すべくクラウドファンディングにより種牡馬入りが実現し、初年度は2頭の牝馬に種付けを行い1頭の牝駒が生まれたが、残念ながら血統登録される前に死亡してしまった。しかしクラウドファンディングは継続されており、2年目は3頭、3年目は4頭の牝馬に種付け。しかも2年目の産駒は2頭血統登録されており、早ければ来年にはその雄姿が競馬場で見られそうだ。
サクラアンプルール
谷岡スタット産 2011年生 栗毛 父系:キングカメハメハ系
<血統構成> Northern Dancer 5×5×4
キングカメハメハ 鹿毛 2001 | Kingmambo | Mr. Prospector |
Miesque | ||
*マンファス | *ラストタイクーン | |
Pilot Bird | ||
サクラメガ 栗毛 1998 | *サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | ||
サクラクレアー | *ノーザンテースト | |
*クレアーブリツジ |
父はキングカメハメハ。母サクラメガは不出走馬だったが、母としてほかに金鯱賞や鳴尾記念など重賞4勝をあげたサクラメガワンダーを出すことに成功した。さらに母の半兄は天皇賞(秋)を制したサクラチトセオー、半姉はエリザベス女王杯を制したサクラキャンドルというサクラの名門一族で、母系を遡るとサクラの基礎牝馬*クレアーブリッジにたどり着くきわめて筋の通った血統だということができるだろう。
競走馬としては未勝利戦を勝てず、いったん門別に移籍して勝ち上がってJRAへの再転入を果たした経緯があるが、芝の中距離を使われ出して素質が開花し、札幌記念を制すなど重賞戦線で活躍した。引退後はレックススタッドにて種牡馬入りし、生まれ故郷の谷岡スタットの牝馬2頭に種付けを行ったが、残念ながら2頭とも不受胎に終わった。その後は1頭の牝馬にも種付けされることはなく、2022年6月に用途変更になった。したがってサクラアンプルール産駒はついに見られずじまいということになるが、種付け牝馬の1頭サクラエミリーはもう1頭の基礎牝馬*スワンズウッドグローヴの末裔ということで、これが実現しなかったのは残念だ。
この記事へのコメント
1. Posted by にあ 2023年04月01日 22:47
クワイトファインは似た立場のクレイドルサイアーからも一応勝ち馬が出ているので、期待はしてあげたいですね。
クワイトファインといえば全姉のハツネもおり、一部ではオルフェーヴルあたりをつけてさらなる三冠血統を……なんて声もあるようですが、流石に実現はしていないようで、この豪華すぎる血統表もここで一旦打ち止めのようですね。
クワイトファインといえば全姉のハツネもおり、一部ではオルフェーヴルあたりをつけてさらなる三冠血統を……なんて声もあるようですが、流石に実現はしていないようで、この豪華すぎる血統表もここで一旦打ち止めのようですね。
2. Posted by い 2023年04月02日 00:26
>>1
ワールドイズマインはゲームの中だけの夢って事ですな
サクラアンプルールは残念ですなぁ
クレアーブリッジとスワンズウッドグローヴの巡り合いがこの時代に発生したら面白かったんですけど
ワールドイズマインはゲームの中だけの夢って事ですな
サクラアンプルールは残念ですなぁ
クレアーブリッジとスワンズウッドグローヴの巡り合いがこの時代に発生したら面白かったんですけど
3. Posted by vx 2023年04月02日 03:25
いっそそろそろトルコあたりで父バイアリーターク系限定重賞とか開催されませんかね。そしたら日本代表として遠征して欲しい。
4. Posted by 微妙な人 2023年04月02日 03:30
本当にトウカイポイントがセン馬でなければ・・・
5. Posted by guess 2023年04月02日 18:57
トウカイポイントは相当に気性が悪く、去勢しないとどうしようも無かった所があるので、惜しむならストロングブラッドの方ですかね。
ダート馬に需要がある今の時代なら種牡馬になれたかも。
ダート馬に需要がある今の時代なら種牡馬になれたかも。
6. Posted by Organa 2023年04月02日 22:24
クワイトファインの牝系には、一度でいいからディープインパクトをつけてみてもらいたかったですね。当時クラウドファンディングがあれば、種付け料の半額くらいは集まったでしょうか。
7. Posted by 2023年04月02日 23:00
フロンタルアタックあたりも惜しい才能でしたけどねー。
8. Posted by リュウドー 2023年04月03日 02:10
クワイトファインのクラウドファンディングには私も出資しています。
定期的に連絡がもらえてありがたいですし、牡馬も生まれたので更につながることに期待です!
定期的に連絡がもらえてありがたいですし、牡馬も生まれたので更につながることに期待です!
9. Posted by asa 2023年04月03日 09:50
>>8
今のところ産まれた仔は4頭とも牝馬かと
今のところ産まれた仔は4頭とも牝馬かと
10. Posted by asa 2023年04月03日 10:16
クワイトファインのプロジェクト、ビジネスを考える競馬サークルの中で色々な意見というか正直風当たりが強めなところもあるとは思いますがイチ父系ファンとして夢をみたくて出資してます。
プロジェクトの管理者さんも熱意を持って活動されてますし、だからこそガレットデロワ(ブロードアピール孫/父エピファ)のような良血といって差し支えのない牝馬と縁が繋がったのかと思います。
今年も種付けの内定は一応あるそうですが、オーナーの例年の借り腹や懇意のとこは今年はつけないらしくそろそろ難しい時期に入ってきたな…という外野の感想です。
プロジェクトの管理者さんも熱意を持って活動されてますし、だからこそガレットデロワ(ブロードアピール孫/父エピファ)のような良血といって差し支えのない牝馬と縁が繋がったのかと思います。
今年も種付けの内定は一応あるそうですが、オーナーの例年の借り腹や懇意のとこは今年はつけないらしくそろそろ難しい時期に入ってきたな…という外野の感想です。
11. Posted by K 2023年04月03日 13:07
やることなすこと謎で不透明なキセキノテイオーが叩かれるのはともかく、
クワイトファインが批判されるところなど無いと思いますがね。
昔から度外視でロマンを追い求めるような種牡馬活動はありましたし、
ビジネス一辺倒になったら競馬は終わりですよ
クワイトファインが批判されるところなど無いと思いますがね。
昔から度外視でロマンを追い求めるような種牡馬活動はありましたし、
ビジネス一辺倒になったら競馬は終わりですよ
12. Posted by アナスミラビリス 2023年04月08日 14:06
CF特有の基盤の脆弱さがバカにされる原因じゃないの?
ただでさえハイリスクの馬産で
ただでさえハイリスクの馬産で
13. Posted by パッソ 2023年05月01日 20:14
ヤマトダマシイの早世も惜しい希ガス
>>11
馬主さんは炎上の件がね…みたいな感じが有る
>>11
馬主さんは炎上の件がね…みたいな感じが有る