プジョーからコンパクトSUVの「SUV 2008」が登場 EV版の「SUV e-2008」も同時に発売
2020.09.16 自動車ニュース拡大 |
グループPSAジャパンは2020年9月16日、新型のコンパクトSUV「プジョーSUV 2008」、および同モデルの電気自動車(EV)バージョンである「SUV e-2008」を発表。同日、販売を開始した。
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より伸びやかでSUVらしいスタイルに
プジョーSUV 2008/SUV e-2008は、欧州Bセグメントに属するコンパクトSUVであり、既存の「2008」の後継モデルにあたる。車両の基本構造はグループPSA最新のコンパクトカー用プラットフォーム「CMP」をベースとしており、現行モデルより長く低いボンネットと、よりタイヤを四隅に配した、安定感のあるスタンスを実現している。
ボディーサイズは全長×全幅×全高=4305×1770×1550mmと、従来モデルより全長が145mm、全幅が30mm拡大。一方で車高は20mm低められており、一般的な機械式立体駐車場にも入庫が可能となった。またホイールベースは従来モデルより70mm長い2610mm、最低地上高は55mm高い205mmとなっており、都市型SUVとして必要十分なロードクリアランスと、伸びやかなサイドビューを実現。このようにフットプリントやホイールベースが大きくなったにもかかわらず、最小回転半径は従来モデルより0.1m小さい5.4mに抑制。スペースユーティリティーと取り回しのしやすさの両立を図っている。
こうしたスタンスやフォルムに加え、エクステリアではプジョーの最新モデルに共通するディテールも大きな特徴となっている。動物の牙を思わせるLEDデイタイムランニングランプや、3本の光源を持つフルLEDヘッドランプ(「GTライン」に装備)とLEDリアコンビランプなどがそれで、また「208」との類似性を感じさせる形状のフロントグリルには、GTラインや「アリュール」、EV仕様と、モデルに応じて異なるデザインが用意されている。一方、ショルダーラインから上下2方向に分岐するプレスラインや、それによって生じる三角形の面形状など、サイドビューには既存のモデルにはない新たな意匠を採用。他のモデルとは異なるイメージが付与されている。
大幅に拡大されたラゲッジスペースに注目
こうしたエクステリアに対し、インテリアのデザインはおおむね208と共通。小径のステアリングホイールの上からメーターを見る運転席まわりのレイアウトや、ホログラムのように情報を立体的に表示するヘッドアップディスプレイなどからなる、「3D iコックピット」を採用している。またダッシュボードは上下2段の多層構造となっており、上段にデジタルメーターやセンターディスプレイを、下段とセンターコンソールに空調やパワートレインなどの操作系を配置することで、各種操作や視線移動に伴うわずらわしさを軽減している。
シートの仕様はモデルによって異なり、GTラインには表皮にアルカンターラとテップレザーを用いたホールド性の高いダイナミックシートを採用。色はガソリン車がダークグレー、EVがライトグレーとなっており、それに合わせてステッチの色も使い分けられている。一方、アリュールに用いられるのは快適性を重視したコンフォートシートで、表皮にはファブリックとテップレザーが組み合わされている。
車内空間については広々としたラゲッジスペースも特徴で、その容量は5人乗車時で434リッターと、従来モデルより74リッターも拡大。後席をたたんだ状態では1467リッターと、実に295リッターもの拡大を果たしている。
パワーユニットは2本立て
先述の通り、SUV 2008/SUV e-2008のプラットフォームにはグループPSA最新のCMPが採用される。同プラットフォームはパッケージ効率の高さに加え、従来のものより30kg軽い軽量性や、フラットなフロアパンと電子制御エアインテークがもたらすエアロダイナミクス性能の高さ、ドライブトレインやサスペンションのフリクションの小ささ、騒音や振動レベルの低さなどが特徴として挙げられている。
日本仕様のパワーユニットは2種類で、エンジン車のSUV 2008には最高出力130PS、最大トルク230N・mの「ピュアテック」1.2リッター直3ガソリンターボが搭載される。同エンジンは8段ATとの組み合わせで、WLTCモード計測で17.1km/リッター、JC08モード計測で19.2km/リッターという燃費を実現。排出ガスの浄化性能を高めるべく、排気系にはGPF(ガソリンパーティキュレートフィルター)が装備される。また「エコ」「ノーマル」「スポーツ」の3つのモードからなるドライブモードセレクターが備わっており、GTラインにはラフロードの走行をアシストする「アドバンスドグリップコントロール」も装備される。
一方、EVのSUV e-2008には、最高出力136PS(100kW)、最大トルク260N・m(26.5kgf・m)の交流同期電動機(モーター)と、容量50kWhのリチウムイオンバッテリーからなる電動パワートレインを採用。JC08モードで385kmという一充電走行可能距離を実現している。また充電効率の向上やバッテリーの長寿命化を図るべく、バッテリーの温度管理にはエアコンと連動した液冷式ヒートポンプを採用。満充電に要する時間は、コンセント型の普通充電で約18時間、6kW/200Vの普通充電で約9時間で、CHAdeMO規格の急速充電器(50kW)を用いれば、約50分で80%まで電力量を回復できるという。
ドライブモードセレクターはエンジン車と同じく3つのモードからなり、エコモードでは60kW/180N・mに、ノーマルモードでは80kW/220N・mにモーターのアウトプットを抑制。回生ブレーキの強さはエンジン車のエンジンブレーキに近い「D」モードと、アクセルペダルだけで積極的に減速をコントロールできる「B」モードの2種類があり、ドライバーはシフトセレクターの操作によって、好みの強さを選べるという。
なお、駆動方式はいずれもFFのみで、4WDは用意されていない。
EV仕様には携帯端末での遠隔操作機能も用意
機能・装備の充実度は、ライバルとして想定されるプレミアムコンパクトSUVのそれをキャッチアップしており、例えば運転支援システム(ADAS)や予防安全装備については、ストップ&ゴー機能付きのアクティブクルーズコントロールやレーンキープアシスト、標識認識機能などを全車に採用。GTラインにはアクティブブラインドスポットモニターやインテリジェントハイビームも用意している。
またインフォテインメント関連の装備では、Apple CarPlayやAndroid Autoといったスマートフォンとの連携機能を持つ「Peugeotミラースクリーン」を全車に搭載。USBポートについても、センターコンソールに同スクリーン対応のタイプAソケットと、充電のみ可能なタイプCソケットをひとつずつ、後席まわりに充電用のタイプAソケットを2つ設けている。またセンターコンソール下部の収納スペースには、Qi(チー)規格のスマートフォン用非接触充電機能も備えている。
このほかにも、EVのSUV e-2008にはスマートフォンを用いて車両の管理や空調の遠隔操作が可能な「eリモートコントロール」と呼ばれる機能を実装。専用の「MyPeugeotアプリ」をダウンロードすれば、充電状態の確認や充電開始間の予約、エアコンのオン/オフや作動予約などが可能となる。
ボディーカラーはメタリック系の新色でSUV 2008/SUV e-2008専用色となる「フュージョンオレンジ」を含む全6色。GTラインはルーフを「ブラックダイヤモンド」で塗り分けたツートン仕様となる。
価格は以下の通り。
- SUV 2008アリュール:299万円
- SUV 2008 GTライン:338万円
- SUV e-2008アリュール:429万円
- SUV e-2008 GTライン:468万円
納車開始はSUV 2008が2020年10月中旬、SUV e-2008が同年11月を予定している。
(webCG)