フロントスピーカー、貴方ならどう鳴らす? 第5回「外部パワーアンプ」で鳴らしきる! | Push on! Mycar-life

フロントスピーカー、貴方ならどう鳴らす? 第5回「外部パワーアンプ」で鳴らしきる!

カーオーディオシステム内の“顔”とも言うべきフロントスピーカー。その“鳴らし方”について研究している。フロントスピーカーは、取り付け方や制御の仕方でポテンシャルを発揮できるか否かが変わってくる。当特集ではそこのところを深堀りしている。

カーオーディオ カーオーディオ特集記事
外部パワーアンプの一例(シンフォニ/クワトロリゴ・プレシジョンワン)。

カーオーディオシステム内の“顔”とも言うべきフロントスピーカー。その“鳴らし方”について研究している。フロントスピーカーは、取り付け方や制御の仕方でポテンシャルを発揮できるか否かが変わってくる。当特集ではそこのところを深堀りしている。

メインユニットの内蔵パワーアンプには、性能的に多くを望めない…。

今回は、「外部パワーアンプ」を使って鳴らすことについて考察していく。

ちなみに、AV一体型ナビを含めた市販カーオーディオメインユニットのほとんどの機種には、パワーアンプが内蔵されている。純正オーディオの場合は一部パワーアンプが外付けされていることもあるが、やはりメインユニットにパワーアンプが内蔵されている場合の方が多い。そして市販スピーカーの多くは、それら内蔵アンプでも問題なく鳴らせるように設計されている。なので、「外部パワーアンプ」は絶対的に必要なものではない。しかし、一般的な内蔵パワーアンプには音質性能的に多くを望めない。このこともまた真実だ。

なぜなら内蔵パワーアンプは、スペース的なそしてコスト的な制約がある中で設計されているからだ。例えばAV一体型ナビの内部には、ナビをはじめとして多様なメカが詰め込まれている。ゆえに内蔵パワーアンプに割けるスペースはごくわずかで、掛けられるコストも限定的だ。結果、性能的な限界点も低くなる。

1DINメインユニットも同様だ。詰め込むべきメカの種類は減るものの、そもそもの総スペースが少ない。そしてスタンダードなモデルは価格も低い。その中で内蔵パワーアンプに割り当てられるコストも多くはない。

対して「外部パワーアンプ」はそれらの制約から解き放たれ、スペースを大きく使って内部基板を設計でき、そしてより大きくより高価なパーツを投入できる。リーズナブルなモデルであっても一般的なメインユニットの内蔵パワーアンプと比べて、性能的にアドバンテージを発揮する。

最廉価モデルの1ランクもしくは2ランク上のモデルが狙い目!

その性能的なアドバンテージがどのように音に効いてくるのかは以下のとおりだ。スピーカーの振動板をよりしっかり動かせてより確実に止められるので、音楽が快活に再現されそして余分な音のにじみも減る。また情報量も増え解像度も上がる。良いことずくめだ。

さて、このように高音質化を図れる「外部パワーアンプ」を選ぶ際には、どのような点に留意すると良いのだろうか。

まず問題となるのはグレードだ。エントリーモデルからハイエンド機までその価格差は相当に開いているのだが…。

結論から言うと、もしも愛用のメインユニットがスタンダードなタイプだとしたら、エントリーグレードのモデルをチョイスしても十分に音が良くなった感を味わえる。しかしながらお薦めなのは、それよりも1グレードないし2グレード上のモデルだ。

なぜなら、低価格帯の製品ほど価格差に応じての性能差が大きく開きがちだからだ。例えば、2万5000円のモデルと5万円のモデルとでは価格差は倍。倍も違えば性能差も相応に開く。なので、もっともリーズナブルなモデルよりも1ランクとか2ランク上を狙うと、得られる満足度もぐっと大きくなる。背伸びをし過ぎる必要はないが、可能な範囲でちょっと上を狙ってみると、長く使えるモデルを手にできる。

なお、愛用のメインユニットがハイエンドモデルである場合には、少々事情が変わってくる。ハイエンドメインユニットは内蔵パワーアンプもなかなかに高性能だ。なので、その場合にはミドルグレード以上のモデルが習い目となる。参考にしていただきたい。

搭載される「クロスオーバー機能」を活用して、「マルチアンプシステム」を実践!

ところで前回、「パッシブクロスオーバーネットワーク」を使って鳴らす場合のテクニックとして、「バイアンプ接続」について説明した。「外部パワーアンプ」を用いる場合でも当然ながら、「バイアンプ接続」を実行した方がスピーカーの性能をより引き出せる。その理由も前回に説明したとおりだ。スピーカーユニットの1つずつに対してパワーアンプの1chずつをあてがえるので、より駆動力高くスピーカーをドライブできるからであり、さらには「パッシブ」内での電気信号の流れもシンプル化できるからだ。それら効用が得られることは「外部パワーアンプ」を使うときでも同様だ。

ただし「外部パワーアンプ」を使う場合には、使用する「パッシブ」が「バイアンプ接続」に対応していなくても、それと同じ効果が得られる場合がある。

「外部パワーアンプ」には「クロスオーバー機能」が搭載されている機種が多いのだが、その中にはツイーターとミッドウーファー間のクロスオーバー調整を行えるものもある。そのようなモデルを選べば、パワーアンプ内で信号を増幅する前に帯域分割が行えるので(「パッシブ」は不要になる)、各スピーカーに送り込まれる音楽信号の1つ1つをパワーアンプの1chずつを使って増幅できる。なお、このようなシステム形態のことは「マルチアンプシステム」と呼ばれている。このようなやり方あることも、ぜひとも頭に入れておこう。

今回はここまでとさせていただく。次回からは「プロセッサー」を駆使する“鳴らし方”についての考察を開始する。お楽しみに。

《太田祥三》

特集

関連ニュース

page top