47都道府県「知事会見」記者クラブ外への開放度 全国一斉調査で判明、マスコミの「聖域」の実相

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各都道府県の知事会見は大手マスコミ以外にどれだけ開かれているのか? (写真:RichLegg/iStock)
安倍晋三・前首相の退陣に伴い、記者会見のあり方を問う声がじわりと広がっている。ネット中継によって重要な記者会見のQ&Aがリアルタイムで視聴できるようになったうえ、フリーランス記者などを排除する記者クラブの閉鎖性が、いっこうに改まらないからだ。ただ、中央を離れて地方に行くと、会見の様相も異なってくる。各都道府県知事の会見は、どの程度開かれているのか。全国調査で見えてきた実相とは――。

「参加可能」と言うけれど…

今回、主な調査対象としたのは、各都道府県で行われている知事の定例会見だ。開催頻度はたいてい、毎月1回。地元の有力地方紙やローカル放送局のほか、全国メディアの支局記者らが参加する。全国的には無名の、地方紙よりさらに小さい地域メディアの記者が定期的に参加している例も少なくない。

では、どのメディア企業にも所属していないフリーランス記者は、こうした会見に参加できるのだろうか。参加基準や参加できた場合の質問権などは、どうなっているのか。フロントラインプレス(Frontline Press)は今夏、各都道府県の広報部門に取材し、記者会見の「開かれ度」をチェックした。

質問内容は以下のように集約できる。

1) 都道府県政の会見にフリーランス記者は参加できるか
2) 参加に際し、記者クラブや行政との事前協議が必要な場合、その手続きなどはどんな内容か。参加できた場合、フリー記者は質問できるのか
3) 過去にフリー記者の参加を断ったケースはあるか

記者クラブではなく、行政側に回答を求めたのは、①記者クラブは回答に際し、全社から意見を聴くなどして時間がかかる可能性がある、②行政側は過去の経緯等について記録保持がしっかりしていると予想できる――などの理由からだ。各都道府県の回答は一覧表にまとめ、最終ページに掲載した。

「記者クラブの開放度」という点からすれば、最も肝心なポイントは「フリーの参加は可能かどうか」にある。

次ページ各都道府県の回答は……
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