子に残した「大好きノート」 パパの誇り伝えたかった

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それぞれの最終楽章・親としてのがん患者(2)

国立がん研究センター中央病院緩和医療科 小嶋リベカさん

 膵臓(すいぞう)がんになった40代の男性Bさんには、7歳の娘と3歳の息子がいました。診断直後、7歳の娘にどのように病気を伝えるか、死ぬ可能性があることまで伝えるべきか、相談を受けました。

それぞれの最終楽章

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 病気の現状と予測をどこまで伝えるかは、子どもの年齢によって変わります。小学生までは「これから治療する」「入院する」など、その時点で分かっていることだけを伝え、「死ぬかも」などの予測は伝えないようにします。子どもに過剰な不安を与えないための対応です。

 ほぼ1年後、Bさんが入院してきました。すぐに医師から深刻な病状説明を受けました。

 Bさんは夫であり、2人の子どもの親であり、年老いた母の息子であり会社では管理職でもありました。「妻、子ども、母、会社の仲間に済まない気持ちでいっぱいです」とうなだれ、「私は5歳で父を亡くし、父の記憶は母から聞かされたわずかなものだけです」と打ち明けました。

 「母は夫に先立たれ、息子も…

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