BMWが二輪初のMモデル「M1000RR」を発表 レースでの使用も想定したスーパースポーツモデル
2021.01.26 自動車ニュース拡大 |
BMWジャパンは2021年1月26日、BMWモトラッドとしては初の“Mモデル”となる「M1000RR」の予約受注を、同年2月1日に開始すると発表した。納車開始は同年初夏を予定している。
高性能なスーパースポーツモデルをさらに高性能化
M1000RRは、リッタークラスのスーパースポーツバイク「S1000RR」をベースに、より性能を高めたハイパフォーマンスモデルである。これまで四輪の高性能モデルだけで構成されてきたサブブランド「BMW M」に属する初の二輪モデルであり、BMWは同車について「カスタマースポーツからスーパーバイク世界選手権(WSBK)まで、モータースポーツのあらゆる要件に対応できる唯一無二のモデル」と説明している。
エンジンは、S1000RRのそれをベースとした可変バルブタイミング・リフト機構「BMWシフトカム」付きの999cc 水冷4ストローク直列4気筒DOHC 4バルブ(1気筒あたり)で、燃焼室に改良を加え、圧縮比を13.5に変更するとともに、マーレ製の2リング鍛造ピストンやより長く軽量なパンクル社製チタン製コネクティングロッド、スリムで軽いロッカーアーム、新しいダクト形状のインテークポート、専用のカムシャフトを採用するなど、徹底した改良が加えられている。これによりM1000RRのエンジンは、最高回転数が1万5100rpmに引き上げられているほか、S1000RRを5PS上回る212PS/1万4500rpmの最高出力と、13N・m大きい113N・m/1万1000rpmの最大トルクを発生する。
シャシーについても、ホイールの荷重配分を見直すなどサーキット走行を念頭にジオメトリーを変更。車両骨格はS1000RRのものをベースにメインフレームにアルミニウム製ブリッジフレームを用いたもので、足まわりではフロントの倒立フォークに独自のチューニングを施したほか、調整幅が広く、かつ調整の容易な新型のスイングアームピボットや、新設計のリアアクスルを採用している。
ブレーキはスーパーバイク世界選手権で得たノウハウをもとに開発したもので、高い耐フェード性と制動力を実現。キャリパーは陽極酸化処理でブルーにコーティングされており、またリアブレーキについては素早いホイール交換を可能にするため、ピストンがクイックリリースに対応している。
専用の空力パーツで動力性能をアップ
空力パーツもM1000RR独自のもので、フロント/サイドカウルにはクリアコートカーボン製の「Mウイングレット」とハイウインドシールドを装備。加速時のトラクションを最大化するため、サーキットと風洞実験室での徹底的なテストを経て開発したものとなっている。
特にMウイングレットについては、タイヤの接地圧増大に加え、ダウンフォースの増大によってウイリーも抑制。トラクションコントロールの介入を減らすことで加速力のアップにも寄与しているという。さらにダウンフォースはカーブ時やブレーキング時にも車体を路面に押しつけ、より遅めの制動開始を可能にするとともに、コーナリング時の安定性も向上させているという。
このほかにも、エキゾーストシステムをチタン製とし、カーボン製のホイールを装着するなど、軽量化も徹底。カーボン製のボディーパーツや220g軽量なスイングアーム、「DLCコーティングMエンデュランスチェーン」などを備えた「Mコンペティションパッケージ」も用意している。
価格は以下の通り。
- M1000RR:378万3000円
- M1000RR Mコンペティションパッケージ:428万円
(webCG)