「最も厚顔でお金目当て」 批判相次ぐ五輪、世界の目線

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 コロナ禍の下で始まった東京五輪に注がれる世界からの視線には、不安や批判、逆境で開催されることへの期待が入り交じる。

 「日本人が望まない五輪」――。仏紙ルモンドが、東京特派員が五輪を迎える日本の様子を語ったポッドキャストのタイトルだ。特派員は「五輪のポスターやパネルは見かけるが、人々は熱狂していない。私の友人も(開催は)『ムリムリ』と言っている」と紹介。「日本国民は五輪変異株を恐れており、経済や五輪開催を優先する政府の感染対策に反対している」と説明した。ただ、中止を判断する権限は国際オリンピック委員会(IOC)にあることから、「日本はIOCの囚人になっている」と伝えた。

 また、イタリア紙ラ・スタンパは9日付で関係者を除き無観客で行われる開会式について「人気(ひとけ)の無い通りを仮装した人たちが行進する、紙吹雪のないカーニバルのよう」と評した。

 韓国でも否定的な報道が目立つ。ニュース専門チャンネルYTNは「菅義偉首相は日本の(東日本大震災からの)復興を全世界に伝えると強調したが、国民の支持を得ることにも失敗した」と強調。コロナの影響などから開会式に「(2016年のリオ五輪閉会式で)スーパーマリオに扮して五輪に尽力してきた安倍晋三前首相まで出席を取りやめた」と報じた。

 世論調査機関、韓国ギャラップが23日に発表した東京五輪への関心度調査によると、「関心がある」と回答したのは32%にとどまり、「関心がない」が66%に達した。2012年のロンドン五輪、16年のリオ五輪ではともに6割が関心を示していたのとは対照的な結果に。調査の記録が残る1992年以降、韓国人が最も関心のない五輪となった。

 五輪開催中の感染対策への関心も高い。

 豪紙シドニー・モーニング・ヘラルドは21日付の朝刊で、東京に入った記者が感染対策の課題や現状を報告。「選手村は安全だ」とする主催者側の説明を紹介したうえで、高層の宿泊施設で感染が広がる心配を「デルタ株の流行を止めるのが難しいのは、隔離ホテルで感染を抑え込むのが難しいのと似ている」と書いた。豪州では帰国者が滞在を義務づけられる隔離先のホテルで、館内を循環した空気によるとみられる感染例が相次いで報告されていることを踏まえた懸念だ。

 日本通として知られるマレーシアのマハティール前首相は21日のオンライン記者会見で、「今回のウイルスは非常に感染しやすい」とし、今回の五輪について「やらない方がいいだろう」と語った。

 一方、シンガポールの中国語紙「聯合早報」は19日付で「東京五輪 尋常ではない意義」と題した社説を掲載。東京五輪は各国のコロナ対策の参考になると意義付け、「日本社会の規律と文明精神が、ウイルスを拡散させずに大会を成功させるとみられる」と期待を示した。

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 開幕に向けて強気の姿勢を貫くのは、米テレビ局NBCを傘下に持ち、米国内で独占放映権を持つNBCユニバーサルだ。

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