ニュース

トヨタ、WRC第11戦ラリー・スペインでエバンス選手が2位表彰台獲得 最終戦でタイトル争いが決着へ

2021年10月18日 発表

33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン組)

 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(トヨタ自動車)は10月17日(現地時間)、WRC(2021年FIA世界ラリー選手権)第11戦ラリー・スペインで、ヤリスWRC 33号車のエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組が総合2位でフィニッシュ。これにより、ドライバー選手権、マニュファクチャラー選手権ともに最終戦でタイトルが決定することになった。

 そのほか、ヤリスWRC 1号車のセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組が総合4位で、ヤリスWRC 69号車のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組が総合5位でフィニッシュしている。

スコット・マーティン/エルフィン・エバンス組
1号車(セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組)
69号車(カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組)

 ラリー・スペインの結果により、ドライバー選手権では、エバンス選手が、首位のオジエ選手とのポイント差を24ポイントから17ポイントに縮め、次の最終戦ラリー・モンツァに逆転タイトル獲得の可能性を残した。

 マニュファクチャラー選手権においては、トヨタは首位の座を守り、2位のヒュンダイとの差は47ポイント。最終戦で獲得可能な最大ポイントは52ポイントのため、最終戦でマニュファクチャラーチャンピオンが決定する。

 なお、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムによりヤリスWRCで出場の勝田貴元選手は、SS16で5番手タイムを記録するなど、終盤調子を上げてラリー・スペインをフィニッシュした。

 チーム代表のヤリ-マティ・ラトバラ氏は「最終的に、今週末のわれわれには期待していたほどの強さがありませんでした。今後のためにも、なぜ思うようにタイムが出なかったのか、どうすればもっとうまく対応できるのかを分析し、学ぶことが重要です。とはいえ、ポジティブな要素もあります。まず、3台が何も問題なくトップ5でフィニッシュしたこと。また、エルフィンが総合2位に入ったのは彼にとってよい結果ですし、最終戦までドライバーズタイトル争いが続くことになり、チャンピオンシップ全体が盛り上がることになりました。マニュファクチャラー選手権は今回、私たちにとって有利な結果にはなりませんでしたが、次のモンツァでは両タイトルを華々しく獲得したいと思います」とコメントしている。

 また、最終戦に向けてチームオーナー豊田章男氏がコメントを発表、以下にその全文を掲載する。

チームオーナー豊田章男氏のコメント

 ラリー・スペインの前、ヤリ-マティは私にメッセージを送ってくれていました。

「チーム代表となって、もう一度、マニュファクチャラーズタイトルを掴みアキオとお祝いするのが自分の夢です」

 3年前のヤリ-マティはとても苦しいシーズンを送っていました。最終戦でようやく初勝利をあげ、その勝利でチームタイトルが決まり、当時そのことが本当に嬉しかったのを覚えています。その日、静岡県でラリーに出ていた私はその知らせを聞き、絶叫するように喜び、そのままお祝いのメッセージを送っていました。あの歓喜の絶叫が”代表としてのモチベーション”に繋がり、チームを勝利へ導く一助になればとても嬉しく思います(笑)次の最終戦モンツァ、ヤリ-マティの夢が叶うと信じています。一緒に喜びましょう!

 ドライバーズチャンピオンも今回は決まりませんでした。セブとジュリアン、エルフィンとスコットには最後の最後まで悔いのない走りをしてもらいたいと思います。チームはそのために最高のクルマを準備してあげてください。次のラリーはヤリスWRCが走る最後の大会です。2017年WRCに再参戦した時から、われわれが言い続けていたのは「常に”今のヤリス”が一番強くなるようにしよう!」という言葉でした。「最後に走るヤリスが一番強かった」とドライバーたちにも、ファンの皆さまにも言ってもらえるような戦いを最後に見せたいと思います。チームのみんな、最後までよろしくお願いします!

追伸 ジュリアンへ

 ジュリアンにとっても次が最後のラリーになりますね。モンツァが君にとっても最高のラリーになることを祈っています。その姿を日本で見れたら最高でした。それだけは今も残念でなりません。応援しています。

ラリー・スペイン(現地時間10月17日15時30分時点のリザルト)

1位:ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒュンダイ i20クーペ WRC)
2位:エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ ヤリス WRC)
3位:ダニ・ソルド/カンディド・カレーラ (ヒュンダイ i20クーペ WRC)
4位:セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (トヨタ ヤリス WRC)
5位:カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ ヤリス WRC)
6位:ガス・グリーンスミス/クリス・パターソン (フォード フィエスタ WRC)
7位:オリバー・ソルベルグ/クレイグ・ドリュー (ヒュンダイ i20クーペ WRC)
8位:ニル・ソランス/マルク・マルティ (ヒュンダイ i20クーペ WRC)
9位:エリック・カミリ/マキシム・ヴィルモ (シトロエン C3 Rally2)
10位:ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ (シュコダ ファビア RALLY2 evo)