10万円給付の全額現金での対応、首相も容認「自治体の実情に応じ」

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 岸田文雄首相の所信表明演説に対する代表質問が8日、衆院本会議で始まった。首相は18歳以下の子どもに現金5万円とクーポン5万円分を給付する政府方針について、給付主体である地方自治体が全額現金で給付することを一定程度容認する考えを表明した。ただ、それを認める具体的な基準などは示さなかった。

 立憲民主党泉健太代表の「市町村自らの判断で、クーポンではなく現金給付を選択できるようにするべきでは」との質問に答えた。首相は「クーポン給付を原則として検討していただきたいと考えているが、地方自治体の実情に応じて現金での対応も可能とする運用にする」と述べた。

 「10万円給付」は所得制限を設けたうえで、11月に閣議決定した経済対策に盛り込んだ。年内に5万円を現金給付し、残り5万円は春の入学・新学期シーズンに向け、子育て関連商品などに使えるクーポンで支給してもらう方針だ。クーポンにしたのは貯蓄に回るのを避け、消費喚起につなげる狙いもある。

 だが、クーポンは手間や時間がかかるとして、実務を担う地方自治体では反発とともに、全額現金での給付を求める動きが広がる。この日、首相は全額現金給付を認める「地方自治体の実情」について具体例や基準は示さず、「地方自治体の意見をうかがいつつ、具体的な運用方法を検討していく」とだけ述べた。

 立憲は、5万円分をクーポンにすることで、全額現金給付と比べて事務費が約3倍の967億円に膨らむことを問題視しており、今国会の照準を給付方法の見直しに定めている。

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    千正康裕
    (株式会社千正組代表・元厚労省官僚)
    2021年12月8日17時22分 投稿
    【視点】

    給付金を配る目的がハッキリしないから、方針がぶれる。 自治体の判断で現金での支給を容認するのであれば、配ったお金がこどものために使われなくてもよいと判断したことになる。 逆に、確実にこどものために使われることを確保したいなら、事

    …続きを読む