【詳報】ウクライナ侵攻22、5月24~30日(日本時間)の動き

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 ウクライナ東部ルハンスク州でウクライナ側の拠点として残った主要都市セベロドネツクを包囲しようとするロシア軍と、防ごうとするウクライナ軍の戦闘は、さらに激しさを増しています。激戦が続く東部戦線には、ウクライナのゼレンスキー大統領がロシアによる侵攻後初めて首都キーウ(キエフ)周辺を離れて訪れ、兵士たちを激励したと伝えられています。

(タイムスタンプは日本時間。括弧内は現地時間)

■■■5月30日(日本時間)■■■

23:15(アンカラ17:15)

トルコのエルドアン大統領「監視メカニズムの役割担う準備ある」 プーチン氏と電話会談

 ウクライナ情勢をめぐって仲介外交に積極的なトルコのエルドアン大統領は30日、ロシアのプーチン大統領と電話で会談した。エルドアン氏は、これまで通り戦闘の緩和に向けた行動の必要性を訴え、「監視メカニズム」の役割を担う準備があると述べた。

 トルコ大統領府によると、エルドアン氏は最大都市イスタンブールで、ロシアとウクライナ、国連との会談を行う用意があると呼びかけた。「監視メカニズム」の詳細については不明だ。

 一方、ロシア国営タス通信によると、プーチン氏はロシアへの西側諸国の制裁が解除されれば、肥料と食料を輸出する用意があることを改めて確認したという。

 また、黒海とアゾフ海でウクライナの港からの穀物の輸出が滞っている問題をめぐり、プーチン氏は「ロシアはトルコとの協力の下、円滑な貨物の輸送を推進する用意がある」と強調したという。

 トルコはロシア、ウクライナ双方と良好な関係にあり、ロシアのウクライナ侵攻をめぐっては仲介を試みてきた。ただ、3月29日にイスタンブールでロシアとウクライナの直接の停戦協議を行ったものの、その後は戦闘の激化などもあって進展していない。

22:30(ワシントン9:30)

バイデン大統領「ロシア国内を攻撃するロケットシステム、ウクライナに送らない」

 バイデン米大統領は30日、ウクライナへの軍事支援をめぐり、「ロシア国内を攻撃するロケットシステムをウクライナに送るつもりはない」と話した。記者団に「ウクライナに長距離ロケットシステムを送るのか」と問われ、答えた。

 バイデン氏は、具体的な兵器には言及していない。ウクライナは東部ドンバス地方でロシア軍の砲撃に対抗するため、米国に射程の長い多連装ロケットシステム(MLRS)の提供を求めてきた。米メディアは相次いで、バイデン政権が近くMLRSなどの提供に応じると報じていた。

 ただ、ロシアはMLRSなどの提供に強く反対している。米政府内には、ウクライナによるロシア国内への攻撃に使われ、ロシアとの緊張を高める懸念もあるという。

21:00(ルハンスク州15:00)

ロシア軍が退避車両を攻撃 フランスの記者死亡

 ロシア軍が攻勢を強めているウクライナ東部ルハンスク州で30日、激戦地セベロドネツクの周辺から退避する民間人を乗せるはずだった車両にロシア軍が攻撃し、取材中のフランスの記者が殺害された。

 同州のハイダイ知事のSNSの投稿などによると、民間人10人を乗せるために迎えに行っていたウクライナの車両が、ロシア軍から攻撃を受けた。砲弾の破片が車両の装甲を貫き、退避の様子を取材していたフランスの記者が首に致命傷を負った。また、この日の退避は取りやめになったという。

15:30(セベロドネツク09:30)

市街地に遺体、感染症誘発の可能性

 ウクライナ東部ルハンスク州でウクライナ側の最後の拠点とされるセベロドネツク市で、市街戦が始まった模様だ。同州のハイダイ知事が30日、SNSに投稿した。同市郊外まで進軍していたロシア軍が中心部に向けて侵攻を始めているという。

 投稿によると、同市の重要インフラはほぼ全てが破壊され、住宅の6割が深刻な損害を受けた。市内にはロシア兵の遺体が散在し、高い気温のため感染症を誘発する可能性があるという。

 また、ハイダイ氏はセベロドネツク市と隣接するリシチャンスクについて「ウクライナの統治下にある」とした。リシチャンスクと、南西に約50キロ離れたドネツク州バフムートを結ぶ幹線道路もウクライナ側が掌握しているものの、「激しく攻撃されており、通行は危険だ」という。この道路についてハイダイ氏は29日、ロシア軍を道路から撃退したとしていた。

14:30(キーウ08:30)

ロシア軍砲撃で9歳女児死亡 子どもの死者243人に

 ウクライナの検察当局は30日、南部ヘルソン州で29日朝にあったロシア軍の砲撃で、9歳の女児が死亡したと発表した。生後7カ月の乳児と5歳の女児も負傷したという。

 発表によると、2月24日に始まったロシア軍の侵攻では、ウクライナの子どもの死者は30日までに判明しているだけで243人、負傷者は444人以上に上る。損害を受けた教育施設は1888で、そのうち180が全壊したという。

14:00(セベロドネツク08:00)

ロシア軍、ルハンスク州最後の拠点に侵攻か 地元知事投稿

 ウクライナ東部ルハンスク州でウクライナ側の最後の拠点とされるセベロドネツク市の郊外に30日、ロシア軍が侵攻を始めた模様だ。同州のハイダイ知事がSNSに投稿した。

 投稿によると、セベロドネツク市の包囲を仕掛けていたロシア軍は市の北東と南東方面の郊外エリアに侵攻。砲撃により市民2人が死亡、5人が負傷した。川を挟んで西隣にあるリシチャンスクでも激しい戦闘が続いているという。ハイダイ氏は「ロシア軍は航空機を含むあらゆる軍備で攻撃している。中心部への敵の侵攻を許さないよう、ウクライナ軍は堅く防衛している」とつづった。

 ルハンスク州は地域の9割をロシア軍が制圧したとされ、セベロドネツクが陥落すれば、ルハンスク州全体をロシア軍が掌握することになる。ハイダイ氏によるとセベロドネツクでは29日、少なくとも12軒の住宅が破壊され、リシチャンスクでも18軒が破壊されたという。

03:30(パリ20:30)

ロシア外相、プーチン氏の健康状態「いかなる症状の病も見て取れない」

 ロシアのラブロフ外相は29…

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