ウチの実家周りは鬱蒼とした竹藪に囲まれている。
小学校の頃には基地とか作って竹藪で遊んでた。
ある日思い立って竹藪の丘を奥まで探検してみた。
どこまでも続く竹林と枯れ笹に埋もれた地面の上を
踏み分けて行くと窪んだ場所の崖っ淵に出くわした。
覗いてみると墓石の山・山・山
何層にも積み重なった墓石が無造作に淵の底にあった。
何だか薄気味悪いなぁと思いつつ踵を返して家に帰った。
後日、友達が二人遊びに来た。話が弾むうちに何となく
この前の探検の話をしだしたら友達Aの顔色が悪くなる。
友達Bも何かそわそわし始めた。相変わらず普通の漏れw
「ねぇ、やめようよ」
Aが必死で止めようとするのが面白くて話を続けていると
Bは何だか寒いと言い出し、ついにAが恐怖の形相で叫んだ。
「窓、窓の外に何か居るうっ!」
昼下がりの日当たりの良い東向きの二階の窓からは
漏れには見慣れたいつもの景色しか見当たらない。
つまり、何にも無いし何も見えないwという訳である。
「えー何もみえないじゃんw何か居るの?」
からかい半分で窓を開けようとしたらAがいきなり
「おげええぇ!」
とゲロを吐き出した。それを見てBも漏れも唖然とする。
尋常ではない様子を見てBがパニックに陥ってしまう。
「嫌だ、嫌だ、どうしよう!何とかしてぇ~」と半泣き状態。
そこで万が一、と思って用意しておいた般若心教を取り出し
何度もお経を唱えていたら、やっとAが落ち着きを取り戻した。
階下にタオルを取りに行きゲロの始末をしていると
Aが真っ青な顔色をしながらボソボソと話し出した。
「竹藪の話をし始めてから窓の外にびっしりと霊が
張り付いて来て埋め尽くされていた。怖かったよ~。
なのに窓を開けようとするからもう、気持ち悪くって」
Aは霊感があったらしい。Bは普通の感覚の持ち主。
…では漏れは?
父から聞いた話では竹藪一帯の丘は昔は寺院があったとか。
墓石はその名残なのでは、という事で一応納得はしたけれど。
現在、その竹藪一帯は開発されて新興住宅地になっている。
出るのか、出ないのかは知らないが漏れにはきっと見えないなw
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