隣のおじさんに聞いた話。

釣り好きな隣のおじさんが沖で夜釣りをしていた時のこと。

船の横に4メートルほどの巨大な生物が浮上してきたそうです。

夜のことで、
姿ははっきりとは判らないものの、
ぬめぬめと肌は黒光りし、
呼吸音なのか地鳴りの様な音もして、
パニックを起こし、
まるで生きた心地がしなかったそうです。

しかし何より不気味だったのは、
巨大な丸い目で、
虚無感というかなんとも言えない絶望感をたたえていて、
思わず、

『このまま海に飛び込んでしまおうか』

と思ったほどの気持ちに襲われたと言う事です。

幸い、同乗していたベテラン釣り師に

「あれはマンボウだ、うろたえるな!」

と諭され、
平常心を取り戻したそうですが、

「海坊主伝説というのはきっとこういうモノだ」

と語ってくれました。

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