●友人の呪い。ワイン・ジャンクフード病。
ある時、
霊能者の所に、
「友人の呪いかもしれません。診てください。」という40代の女性が訪れた。
それは、今から約半年前、
彼女の友人仲間の1人だった男性が交通事故で亡くなった。
そこで、友人仲間と一緒に葬式に参加したという。
その時、みんなで生前の彼を思い出している時、
彼女はこんな彼にまつわる話を切り出したと言う。
それは、独身だった彼の3食(朝・昼・晩)はいつもワインとジャンクフードだったという事。
例えば、朝からワインと買ってあったドーナッツを3つ4つ。
昼は仕事場の近くのマクドナルドやケンタッキーですませ、
夜は必ずワインを1本開けながら、買ってきたハンバーグやタコスを食べ、
夜食には、大量のお菓子類を食べながらワインを飲むという生活。
こんな生活を長年していたら、何かしら悪い病気になるだろうと、
何度となく、彼に注意したという。
だから、つい不謹慎にも、葬式の日に、
「ホント彼は馬鹿よ。
交通事故に遭わなかったら、きっと病気に亡くなってたわよ。」
と言ってしまったという。
そんな彼の呪いらしきものが始まったのが、それから2日後だったという。
それまでの彼女は、ワインなど飲んだ事も無く、
食事も母親が作ってくれていたので、マクドナルドやケンタッキーやタコスなど、
滅多に食べない生活をしていた。
夜にお菓子を食べるなんて事も、自分とは無縁の世界だととも。
ところが、あの友人の葬式に行った時から、
スーパーに行ってワインやお菓子を見ると、
つい買いたい衝動にかられる様になり、
マクドナルドやケンタッキーを見かけると、買いたくなると言う。
そして、そんな誘惑や妄想に耐えられなくなり、
5ヵ月前、とうとうスーパーに行った時に、始めてワインを買ってしまった。
そして、マクドナルドによると自然とハンバーグとフライドポテトを買っていたという。
彼女はそれらを、こっそりと自分の部屋に持ち帰り、母親に黙って食べた。
それをきっかけに、堰(せき)を切るようにして、
彼女のワイン・ジャンクフード病が止められなくなったという。
やがて、母親にもその事がばれてしまい、注意される様になった。
それでも止められない自分が居るのだという。
それはまるで、自分の意思じゃない様な。
亡き友人の悪口を言った呪いでしょうか?
呪いなら、どうか助けてください。
そんな相談だった。
さっそく霊能者による霊視が始まった。
やがて、霊能者の方は、彼女に意外な事を言ったのである。
「あなた、
お腹、手術しているでしょ。」
なんと、霊能者の方は、友人の呪いとはまったく違う事を指摘したのである。
「はい、今から八ヶ月前に、
腎臓の手術しました。」
すると霊能者の方は、
「私はそれが原因だと思うわ。」と言うのです。
「えっ!
それじゃ、なんで、彼の葬式に行った後から、
急にワインとかジャンクフードを食べる様になってしまったのですか?」
「勿論、彼のお葬式に参加したのも、
きっかけではあったと思う。
でも、あなた、
本当は、8か月前から、
ワインとか、ジャンクフードが気になっていたはずよ。」
霊能者に、そう言われた彼女は、
確かに、腎臓の手術をした後から、
ジャンクフードを食べたいという欲求があったのを思い出したという。
その時は、長い入院生活で、食べたい物が食べらない欲求から、
きっとそんな物でも食べたいんだ。と思ったのだろうと感じていた。
しかし、違ったのだ。
霊能者の方は、引き続き彼女に、決定的な事を言った。
「腎臓移植したでしょ。」
「はい。」
「その腎臓の前の持ち主の方が、
異常にワインとジャンクフードが好きだったの。
その意識が、移植された貴方に影響しているのよ。」と言ったのである。
実は彼女、小さい頃から腎臓が悪かった。
長らく人工透析(じんこうとうせき)もしていて、
八カ月前、やっと腎臓移植の手術を受ける事が出来たのだった。
腎臓移植には、大きく2つの方法がある。
①■1つは、生体腎移植で、
親子、兄弟姉妹、祖父母から提供された腎臓を移植するケース。
この他にも、夫婦、従兄弟/従姉妹(いとこ)間での腎臓の提供も可能。
ただし、日本では、友人知人からの提供は出来ない。
②■もう1つは、死体腎移植だ。
事故や病気で心臓停止になった人の脳死が確認された人から、
2つの腎臓を患者さんに移植するケースである。
善意により提供された「献腎移植」とも呼ばれるが、
ある国では、死刑囚の腎臓が取り出される事もある。
上の彼女のケースは、②■の死体腎移植だったという。
霊能者いわく、亡くなった前の持ち主の人が、
とてもワインとジャンクフードが好きな人で、
それが彼女の意識に作用していて、
友人の死もきっかけとなり、
彼女の言うところのワイン・ジャンクフード病になったのだという。
その後、霊能者の方は、
彼女の腎臓辺りに手をかざしながら、
移植された腎臓に向かって、
「前の食習慣は忘れなさい。
今の彼女の意思に従う様に。」と諭した。
すると、
段々とワインやジャンクフードの事は気にしなくなっていったという。
最後に、余談だが、
日本では、①■の生体腎移植が約80%。②■の死体腎移植が18%くらいだという。
提供してくれる親族が居ない場合、死体腎移植となってしまうのだが、
なかなか提供者は現れない事が多い。
だから、日本では、
■小腸の移植待機年数は、約1年。
■肝臓の移植待機年数は、約1年4ヶ月。
■肺の移植待機年数は、約2年5ヶ月。
■心臓の移植待機年数は、約3年1ヶ月。
■すい臓の移植待機年数は、約3年6ヶ月。
そして、
■腎臓の移植待機年数は、なんと、14年9カ月だという。
その為、多くの方が、腎臓移植が出来ずに、
日本だけで約32万人の方が、人工透析などをして頑張っている。
芸能人の方もでも、例えば渡辺徹さんは、
糖尿病が悪化して、週3回人工透析をして頑張っているという。
しかし、近年、2017年10月。
日本でも、新たな腎臓移植の道が見え始めた。
それは、厚生労働省の審査部会が、
条件付きで病気腎移植を先進医療として認めることを決めたのである。
先ほど、腎臓移植には大きく2つ
①■生体腎移植と②■死体腎移植の方法があると言ったが、
それに3番目の方法、③■病気腎移植が加わるのである。
実は、日本を含め世界では、
腎臓がんなどの病気で摘出された腎臓は、ただ捨てられていた。
その数、日本だけで毎年7000個だという。
と言うのは、腎臓がんを患った腎臓を移植すれば、
移植された人が腎臓がんになってしまうと考えられていたからだ。
しかし、
最近の医学で、移植される腎臓のがんの部分をうまく取り除くことが出来れば、
移植された人へのがんの転移の確率はかなり低い事が分かって来たのである。
これによって、
毎年7000個の腎臓を、ただ捨てていたのだが、
その内、1000個位が、腎臓移植に使える様になるという。
近い将来、多くの人工透析している方が、
これによって救われる事を祈りたい。
END